今回の動画解説はボリショイ・バレエのプリンシパル、セミョーン・チュージンSemyon CHUDINの首についてです。


セミョーン・チュージンのような一部の欧米のバレエダンサーは、ドンキホーテのバジルのヴァリエーションで、首をガクンって後ろにやる瞬間があります。


セミョーン・チュージンのバジルのヴァリエーション。

こういう映像を見た日本人ダンサーが真似してやることかありますが、自然な感じにはなりません。

ただの振り付けっぽくなってしまいます。


この動画のようなダンサーは、意図して首ガクンをやってません。


背中の軌道が音楽にノった時に自然とそうなるだけです。

したくなるだけなんです。 

気持ち良いと感じるからやります。

これは繋がっている人にとっては危険ではありません

音楽に合わせて背骨と首が入ります。 

それが股関節、背骨、首が繋がっているということです。


肩と肩甲骨の位置が良くて、背中が強い人しかガクンとは出来ません。 


繋がってない人は反ることは出来ても、ガクンとは出来ません。


日本人が「首ガクンをやった方が良いんだ」と思って意図して真似すると、むち打ち症みたいになって首を痛めたりします。


日本では「首ガクンをやって」という指導はあまりされてないと思います。

やったとしても動きは小さく、あまり後ろには反らしません。

バジルの踊り全般で、首の動きはあまり無く、首ガクンの変わりに横を向きます。

たぶん、横しか向けません。

おなか軸の日本人にとって、上を向くのは軸を折るようなことなのでバランスを崩しやすくなります。


むしろコンクールに出ている子どものほうが出来ます。

プロのバレエダンサーになるとみぞおちと首の前側が固くなってしまいます。

プランクのような体幹トレーニングをすると、踊っている時もずっとプランクをしているような直線的な踊りになってしまいます。



この記事でもマラーホフの首ガクンについて書いてます。