本題に入る前の前提として、先生それぞれによって違うバレエを教えている、バレエにはいろいろな種類の体の使い方がある、最終的に同じバレエになるわけではないことを知っておいてください。
本題はここからです。
「バレエダンサーの体の中では見た目とは逆のことが起きている」という話を聞いたことがあると思います。
踏んで引き上がるバレエダンサーを例に説明します。
✤引き上げると踏めるバレエ(引き上げバレエ)が日本では主流ですが、踏んで引き上がるバレエ(踏むバレエ)が本来のバレエの体の使い方です。
踏んで引き上がるバレエダンサーは「上に」引き上がって見える。
これは外から見たバレエ。
でも実際は「下に」踏んでます。
これは体の中でおきていること、体の中のバレエ。
外から見るバレエと、体の中のバレエは逆です。
さらに踏んで引き上がっているバレエダンサーは、「下」も感じているし「上」も感じています。
だから体感するバレエは「下」とも言えるし「上」とも言えます。
以上のように外から見たバレエ、体の中のバレエ、体感するバレエはそれぞれが逆です。
だからバレエは教えるのも教わるのも難しいのです。
そしてこれが重要なことなのですが、見た目通りにみずから「引き上げよう!」と思って引き上げてしまうと、(踏んで引き上がる人と同じようには)引き上がらなくなります。
先にモノマネで表面的な形を作ると、その機能が無くなるのです。
見た目の結果をそのままやると、必要以上にバレエっぽくはなるのですが、いつまでたっても本物にはなりません。
仮に上手く引き上がったとしても、踏んで引き上がる人の引き上げとは違う種類の引き上げになります。
バレエ本来の引き上げとは違うので、デメリットがたくさんあります。
続く。