続き。
バレエの良いところって答え合わせを毎回レッスンで出来ることです。
例えば片足つま先立ちで立つとします。
その時にみぞおちにりきみがあるとバランスが取れない、みたいな感じで縮んでいる部位があると上手くいきません。
バランスが取れる取れないで答えがはっきりわかるから、駄目な部分に気づきやすいです。
ピラティスとかだとそういう答え合わせがしにくい。
ただ、バレエでも縮めることや固めることでバランスを取っている人がとても多いです。
もしくはバランスが崩れない範囲で小さく動く人もいます。
これは、日本人でバレエ向きの体をしている人がほとんどいないためです。
筋力が弱いから、あるいは柔軟性が足りないから出来ないと思ってたようなバレエの動きも、先生に正しい姿勢を誘導してもらうことで「あれ?出来たじゃん、簡単に」みたいなことがよくあります。
縮めても取れないバランスが、体を引き伸ばせば上手くいくことがあります。
頑張っても苦しいだけなのに、重力に身をゆだねたら楽になったりするんです。
今回の話は、とにかくストレッチをしましょうとか、ストレッチ種目が収縮種目より効果的という意味ではなく、無意識に広がるような体を作りましょう、ということです。
人間は姿勢、立ち方、関節の位置によって無意識に伸びたがる体と縮みたがる体に分かれます。
例えば、前肩の人は開脚のストレッチをしても、筋肉が伸ばされることに対して本能的に恐怖や不安を感じるから、無意識に筋肉が伸びないように抵抗するし、ストレッチ自体を不快に感じます。
そういう人でも、肩の位置を修正すると開脚が苦痛ではなくなります。
幼稚園児や小学校低学年ぐらいの子どもは、体の癖が無くてまだ伸びたがる体なのでストレッチしたらどんどん柔らかくなります。
ですが、関節の位置が悪くなったお年寄りは縮みたがる体になってしまっているのでストレッチしてもなかなか柔らかくはなりません。
トレーニングでも、縮みたがる体の人がPOF法をやったところでさほど効果的とは言えません。
ストレッチ種目をしても、筋肉は適切に伸ばされてはいないからです。
ストレッチは、気持ち良くないのに無理やり根性で伸ばすのは間違いです。
自然と筋肉を伸ばしたくなるような体を作ることを先にやるべきです。