バリ島で、インド人スタッフが運転手についた。
流暢な英語にカタ言のインドネシア語、日本語は話せない。
僕はカタ言の英語に、超カタ言のインドネシア語だ。
車の中で２人きり、、何も話さないのも気まずい。
気を遣って話しかけた。
「名前は？（ナマ カム？）」
「ジャズ」
「歳はいくつ？（ハウ オールド？）」
「３０」
「出身は？（アサルニャ？）」
「インド」
コイツ、、質問に単語で応えやがる。
しかも、話をつなげようとしないから、こっちが質問してばかりで
これでは尋問してるみたいだ。
まあ、いっか、、。
これが女の子との会話なら、バカバカしくて話をしないところだが
彼は男。
悪気はなく、こんな奴なのだろう。。
サヌールからスミニャックへの道中、暇つぶしに会話を続けた。
彼はインド人だが、結婚してインドネシア人になった。
奥さんは、妊娠中で出産間近。
「エッチ、好きか？（アク スカ エッチ？」
（ニヤリ）
こんなインドネシア語でも通じるんだ。。
「結婚して幸せか？」
と聞いたら、家族の文句を言いだした。
コイツ、大人しくて無口な奴だと思ったけど。。
バリ（奥さん）の家族によく怒られる。
お祈りをサボるからだ。
彼はもともとヒンズー教徒だったが、彼女と結婚してイスラム教徒になったから
イスラムのお祈りの習慣がない。
ついついお祈りを忘れてしまうらしい。
イスラムのお祈りは、１日に５回。
Isya(就寝の前）
Subuh(早朝）
Lohor(お昼過ぎ）
Asar(おやつの時間）
Magrib(日没）
それぞれ時間が決まっている。
子どもの頃からやっていれば習慣になっているが、大人になってからだと大変だ。
忘れるたびにひどく怒られるという。
「バリ人だったら、ヒンズーだからよかったな」
「まあ、そうですけど。。」
だからバリ人スタッフによく愚痴っているらしい。。
「でもバリ島はヒンズーでよかったな。バリ人は真面目だし」
彼の顔が曇ったから「んっ？どうした？」と聞いてみると
バリでレストランをやるつもりだったが
インドネシア人に騙し取られお金をなくしてしまったらしい。
「お前も大変なんだな」
「仕方ないです。子どもが生まれるし、、だから何でもやります」
いろいろと聞いてみると、彼は大学も出ていてＩＴにも強いとか。
インド人担当の営業戦略を考えさせると面白いかもしれない。
最近、バリに観光で来るインド人は増えてきたからだ。
２０１８年 観光客ランキング
１位 中国人 １２８万人
２位 オーストラリア人 １０７万人
３位 インド人 ３７万人
４位 イギリス人 ２５万人
５位 日本人 ２４万人
いずれオーストラリア人を抜くだろう。
とはいえ、インド人は面倒な客が多い。
アラブ人よりはマシだが。。
どちらも金は持っているから、お客としては取り込みたい。
まだまだ未知数だが期待が膨らむ。
頑張れ、ジャズ。
よく頑張った、俺。
カタ言でもなんとかなるものだな。
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