令和の今、江戸の猛攻。何でだ? | 高校日本史テーマ別人物伝 時々amayadori

高校日本史テーマ別人物伝 時々amayadori

高校日本史レベルの人物を少し詳しく紹介する。なるべく入試にメインで出なさそうな人を中心に。誰もが知る有名人物は、誰もが知っているので省く。 たまに「amazarashiの歌詞、私考」を挟む。


○ついでに言っておきましょうか。

 NHK大河ドラマ『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』に関する記事に使いたい資料を備忘録を兼ねて書き留めたついでに、これから2024年後半にかけて放映・出版される江戸時代にまつわるエンタメ作品を幾つかご紹介してみましょう。あっ、これもド忘れ防止用です。

◇NHK時代ドラマ『広重ぶるう』
 NHK BS 4/27(土)20:40~
 ・・ってか今夜ですよ?
 主人公は江戸後期に活躍した絵師、歌川広重。葛飾北斎と並び称される江戸後期美術の華である。
◇過去記事、広重や北斎ら江戸後期の絵師たちが愛用した「プルシアンブルー=べろ藍」を軸としたお話。
◇劇場版アニメ『モノノ怪 唐傘』
 7/26(金)全国ロードショー
 これは・・・。劇場版は大奥を舞台としているし、テレビ放映版でも時代設定は江戸時代ではあるんだけれど、時期が特定できない・・・。主人公の薬売りの年齢から逆算して、とか思ってもその当の薬売りが年齢不詳の人外ってぇ存在だから、余計ムリ。まぁ一応、江戸時代物ってことでどうか一つ。

 

 


◇京極夏彦『了巷説百物語(おわりのこうせつひゃくものがたり)』
 「巷説百物語」シリーズ完結編となる単行本が 6/19(水)に刊行される。連載は『怪と幽』(KADOKAWA)誌上で終了していて、書き下ろしの2編を加えて最終巻となる。
 時は天保期(1840年頃)。お馴染み化け物遣いたちが暗躍し、天下を支配し無辜の民達を虐げる巨悪に挑む。


◇京極夏彦『病葉草紙(わくらばそうし)』
 「巷説百物語」スピンオフ作品もこの夏(8/8)刊行予定。月刊『文藝春秋』連載中の本作、『前(さきの)巷説百物語』に登場した本草学者・久瀬棠庵(くぜとうあん)を主人公に据えた連作推理集。
◇『前巷説百物語』コミカライズ

 京極夏彦原作、日高建男漫画

 「コミック乱ツインズ」にて連載中、リイド社の魔手がこんな所にまで・・・。

 


◇実写映画『八犬伝』
 今年10月に公開予定。大元は滝沢馬琴の壮大な伝奇小説、それを山田風太郎が大胆にアレンジしたものを原作とする。


 『南総里見八犬伝』といえば実写では昭和末の『里見八犬伝』(角川映画)が有名。他にも平成初期にアニメ『THE八犬伝』が製作されるなど、現代に入っても根強い人気を保ち続ける日本ファンタジー小説の傑作。

◇山田風太郎『八犬伝』上巻
 あら、原作新装版のイラストはせがわまさき。そりゃそうか、山風といえば今やせがわまさき。端正かつ妖しく蠱惑的な絵柄で山田風太郎ワールドを今世に現出せしめる。

 滝沢馬琴(曲亭馬琴)は若き日に蔦屋重三郎の期待を受け、しかし蔦重の存命中にはなかなか芽が出ない遅咲きの作家であった。
 先輩格の山東京伝と朋輩である十返舎一九の後を追いかけ、馬琴が通俗小説の第一人者となったのは世紀をまたいで1800年代に入ってから。その代表作であり代名詞となるのが大長編『南総里見八犬伝』である。
 挿絵を描いたのは同じく若き日に蔦重の期待を受け、馬琴ともしょっちゅう喧嘩し合いながらも腐れ縁を続けた人気絵師・葛飾北斎。


◇実写映画『碁盤斬り』
 で、5月にはこれがあると。


 しっかし21世紀に入って年号も改まった令和の今、なにゆえ江戸文化の作品化が衰えるどころか益々盛んになっていくのでしょうかね?
 まぁ子供時分からテレビで大衆時代劇を見まくってた身としては、現代ドラマよりもこっちの方がよっぽど身近ではあるんですが。それにしても不思議。


○参考までに

◇『バジリスク ~甲賀忍法帖~』
◇『Y十M ~柳生忍法帖~』〃
 飄々とした物腰ながら凄腕の剣士、柳生十兵衛光厳(やぎゅうじゅうべえみつよし=Y十M)の数奇な活躍を描く。


◇『十 ~忍法魔界転生~』〃
 絵:石黒亜矢子 文:京極夏彦
 岩崎書店 2024年
 江戸時代怪談文学の最高峰『稲生物怪録(いのうもののけろく)』を絵本化! 一身これ胆のクールな青年の生活に降りかかる、不気味でありながらどこかユーモラスな怪異の数々をスマートなイラストで描く。