○年3回開催討議会:夏期活動報告
◇日経新聞 2026年6月19日付ニュース記事
〖 ホンダ、オデッセイの国内販売を終了へ 2026年度内にも 〗
◇読売新聞 同日付
〖 ホンダ「オデッセイ」、年度内にも国内販売終了 〗
ムゥ、まさか『ごめんねオデッセイ』とは、この事なのか・・?
っていうか、それなら「さよならオデッセイ」とでもしそうなもんですが・・・。
◇ amazarashi『ごめんねオデッセイ』
2023年発表の amazarashi 楽曲『ごめんねオデッセイ』。「なぜ謝っているのか?」はもとより、そもそも「 “オデッセイ” って誰?」なんてェ根本的土台が判然としないまま、早や3年が経過してしまいました・・。
巷ではあーじゃないか、こーじゃないかと様々な憶測が飛び交ったりしたのやら、しなかったのやら? それで語義に遡ろうと、英語「オデッセイ(Odyssey)」の意味は「波乱に富んだ長旅、壮大な冒険旅行/長期に渡る精神的な探求の遍歴」。
この単語に由来する、ホンダのミニバン「オデッセイ」シリーズ。1994年に初代を発売し、走行性能の高い上級ミニバンとして人気を集め、平成のミニバンブームを牽引したホンダ伝統の車種。現行モデルは2013年にリリースした5代目。
しかし近年は販売台数が低迷し、本年度内にも国内販売を終えることが確実視されている。平成年間のホンダの躍進を支え、国内に累計数百万台が流通していた人気モデルのいよいよの退場。さよなら、オデッセイ。
いやあ、そのものズバリの自動車のモデル名をタイトルに持ってくるかなとは思いますが。けど、かつて山口百恵さんが『プレイバック part.2』(1978年)において〈緑の中を走り抜けてく真紅(まっか)なポルシェ〉って歌ってましたし。
〈ポルシェ〉も「自動車メーカー/代表車種の名前」。特定の固有名詞を曲の中にバチッとはめ込むのも、アリと言えばアリでありましょう。(*山口百恵さんはNHK「紅白歌合戦」で歌う際などに特定のメーカー名を出せない規定から、〈真紅なポルシェ〉を〈真紅なクルマ〉に改編することを余儀なくされたそうで。)
◇『クラウン新車で買ってあげる』(2026年)
今年発表の新曲『クラウン新車で買ってあげる』も、「クラウン」が特定車種を指す品名でげすよ。トヨタの高級セダン「クラウン」、こちらは1955年発売で70年以上の歴史を誇るトヨタの旗艦車種。
ミニバン、セダンと車種は異なるものの、『クラウン新車で買ってあげる』がトヨタ・クラウンを指すのは明々白々。ならば、3年前にリリースした『ごめんねオデッセイ』の「オデッセイ」も、ホンダ・オデッセイを指すものなのか? これは、 amazarashi の「車種楽曲シリーズ」ナンバリングタイトルの初代に位置付けられる、記念すべき「出帆」であったのだろうか?
◇トヨタ「CROWN 70周年特設サイト」
そのホンダ・オデッセイ、名前の由来となった英単語「odyssey」に勝るとも劣らない数奇な遍歴を歩んで参りました、特に生産・販売終了が視野に入ってきた後半生においては。
ホンダでは販売台数の減少で既に2021年末で国内生産を終了しており、だがユーザー・ファンからの強い要望に応えて、中国の工場で製造しそれを逆輸入する形で2023年末に待望の販売再開を果たした。ホンダ・オデッセイ、復活! だけどやっぱりセールスは苦戦し、ライバル車との熾烈な販売競争、流行の変遷、自動車業界の令和の潮流その他諸々に押し流され、やむなく26年度内のラストオーダーと相成りました・・。
◇「Webモーターマガジン」26年8月28日記事
〖 5代目オデッセイの数奇な生涯。メーカーの都合や市場に翻弄された人気の伝統モデル、まもなくフィナーレへ 〗
それで『ごめんねオデッセイ』、と。
・・正体が判明するどころか、むしろますます謎が深まったような気が致します・・・。
○いや、ひょっとすると映画に由来するものなのかもしれない・・?
◇映画『オデッセイ』(2015年)
その名もズバリ『オデッセイ』! リドリー・スコット監督、マット・デイモン主演。アンディ・ウィアーの原作小説『火星の人(The Martian)』(2011年発表)を野心的に映像化したSF映画。
2035年の近未来を舞台に、色々あって火星に1人取り残された探索者の生き残りをかけた挑戦と、彼を救い出そうとする者たちの奮闘を描く。
これで『ごめんねオデッセイ』って言うと、なんか努力も虚しくついに救助できなかった、みたいな暗い結末をイメージしちゃいますが。広大で荒涼とした火星とか、暗黒の宇宙空間に一人ぼっち・・。やだぁ、そんな終わり方。
気になるラストは映画を観て、ぜひご自身の目で確かめて下さい!
◇劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ:キルケーの魔女』
2026年公開
なんだガンダムじゃないか、どこに「オデッセイ」出てくるんだよ、と思われるかもしれませんが。
こっそり出てきますよ、「オデッセイ」。
主人公ハサウェイ・ノアが駆る最新鋭モビルスーツ「クスィーガンダム」を撃破するため、地球連邦軍が送り出した新型機「ペーネロペー」。このペーネロペーの素体となっているのが「オデュッセウスガンダム」と呼ばれる機体だ。
このオデュッセウスガンダムにフライトユニットを装備した形態がペーネロペーと呼ばれ、劇中ではほぼこの形態で登場する。搭乗するのは連邦軍のレーン・エイム中尉。彼が所属する隊は「キルケー部隊」と呼称され、ハサウェイ率いる革命分子「マフティー」の殲滅へと動いていく。
◇映画公式「MECHA:PENELOPE(ペーネロペー)」
『ごめんねオデッセイ』が2023年、映画『キルケーの魔女』公開が今年前半。じゃあ時系列が逆になるからタイトルの由来とは言えないな、と侮るなかれ。
劇場版『閃光のハサウェイ』シリーズは3部作を構想しており、『キルケーの魔女』はその第2作。第1弾である『閃光のハサウェイ』は2021年に公開しており、これまで何回かテレビ放送も行っている。
そして、この劇場版の原作となったのが、ガンダムの原点である富野由悠季監督が1989~90年に発表した全3巻の同名小説だ。
この時点でクスィーガンダムとペーネロペーの細かな機体設定は公表されており、なればペーネロペーの素体であるオデュッセウスガンダムの名前も既に見えている。
◇小説版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』角川スニーカー文庫
この「オデュッセウスガンダム」が、『ごめんねオデッセイ』の由来なのか・・?
ちなみに、詳しくは言わないけどペーネロペー(レーン中尉)はクスィー(ハサウェイ)にパイロットの腕前・経験値の差から何度も煮え湯を飲まされるけど、最終的には一矢報います。でも最新鋭機なのに作中では機体の性能を十分に発揮できなかったから、「ごめんね、オデュッセウス」と・・。
ここで、表記の揺れの問題が立ち上がります。
先程から「オデッセイ」と言ったり「オデュッセウス」と呼んだりしてちょっと尻が定まりませんが、これはどちらも「odyssey」の語源に関わる同じ機縁を持つ単語。事は古代のギリシャ神話に遡ります。
「odyssey」は普通名詞で先述の「物理的/精神的な長い旅路」を意味しますが、「The Odyssey」となると固有名詞となり、ある神話とその主人公の名前を指すものとなる。
その男の名は「オデュッセウス」。智恵に長けた英雄・優れた軍師であり、彼の故郷への帰還という遠大な長路を描いた古典物語が『オデュッセイア』。「オデッセイ」とはこの「オデュッセイア(オデュッセウス)」の英語表記であり、オデュッセウスが経験した長い長い遠回りの旅路がそのまま語義となったものです。
◇映画『オデュッセイア』
2026年9月11日(金)より全国ロードショー!
明後日からですけども。クリストファー・ノーラン監督最新作、主演はマット・デイモン。アン・ハサウェイ、トム・ホランドほか豪華俳優が出演。また出たぜマット・デイモン。
製作陣は違うけど、2004年公開『トロイ』の続編的な位置づけの原作を共有する神話・歴史の超大作。『トロイ』の基になった叙事詩『イーリアス』を紡ぎ上げたとされる約2700年前の大詩人ホメロス、彼のもう一つの成果が『オデュッセイア』。
映画『トロイ』で描かれた「トロイア戦争」。ギリシャ軍とトロイア軍が激突し、ギリシャの島国イタケの王・オデュッセウスはギリシャ側で参戦。10年続いたこの戦争に終止符を打ったのが、知将オデュッセウスが考案した「トロイの木馬」作戦。(あら、初代『ガンダム』の戦艦ホワイトベースも「木馬」って呼ばれてましたわ。)
この「トロイア戦争」の10年間を描いたのがホメロス『イーリアス』。さてギリシャ軍をその智謀で勝利に導いたオデュッセウスは、さて故郷に帰るかと錦を着飾って船出したところ、神々の悪戯で致命的な妨害や数々の困難に遭遇し、以来10年間地中海を転々とする羽目に陥る。
魔女キルケや妖精セイレーン、一つ目巨人キュクロプスや海魔スキュラなどの超常的な妖魔・怪物に帰路を阻まれ、自然を司る神々の邪魔もあって漂流や足止めを余儀なくされるオデュッセウス。お家に帰りたーーいッ!
一方故国イタケでは、オデュッセウスの妻ペネロペと息子テレマコスが彼の帰りを待っていたが、消息を絶って久しい王の後釜を狙って有象無象が館に押し寄せていた。ソイツらの要求をのらくらとはぐらかしながら、ついに10年目、どこほっつき歩いてたんだと言われて当然の夫・父オデュッセウスが長旅を終えて帰還する。なにやらボロボロになっていた。
なにはともあれ王が故郷に辿り着いて物語は大団円、この10年にも渡るオデュッセウスの漂流と艱難辛苦の旅路、またもや知恵を働かせての冒険活劇が叙事詩『オデュッセイア』の中身であり、成語「odyssey」の淵源である。
ホメロスの2大叙事詩『イーリアス』『オデュッセイア』はギリシャ神話の花形にして古代ヨーロッパ史の一幕であるのみならず、それ以降の西洋の文学・歴史に多大な影響を与えた古典中の古典だ。なので物語中の人名や物名の名残、ストーリーの類型や派生語なんかは今日の世界文化にあまねく散在している。
◇「NATIONAL GEOGRAPHIC」2023年ニュース記事
〖 10分で名作、古代ギリシャの壮大な冒険物語『オデュッセイア』〗
1968年公開のスタンリー・キューブリック監督の傑作古典SF映画『2001年宇宙の旅』の原題は、『2001:A Space Odyssey』。
監督は『オデュッセイア』を念頭に本映画を制作したそうで、『2001年宇宙の旅』は宇宙空間を舞台としながらも大昔の冒険譚の探求と漂泊の精神を受け継ぎ、未知の世界へと足を踏み入れる人間の道程を描いている。
ちなみに「オデュッセウス」の他地域での別名は「ユリシーズ」(ラテン語)。なんかどこかでちらほらと耳にする語感ですね。
『ユリシーズ』ってェ近代文学もあって、アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスが1922年に発表した長編小説。それを基にした実験的な映画が1967年に公開されたりもしております。他にも『ユリシーズ』って題名を入れた映画は数多く公開されており、「○○○:オデッセイ」ってな具合に名付けたゲームタイトルも多数。神話の原典に関係してたり、あんま関係なくて「壮大な長旅」との意味合いで使ってるものもあって様々。
ここまで対象を広げると、一体どこまで調べ尽くせばいいんだ「 “オデッセイ” の正体」・・。その範囲は少なくとも2700年以上、西洋文学の出発点ホメロス『オデュッセイア』から始まり、21世紀の映画作品をしらみ潰しに探しあぐね、果てはガンダムの裏設定にまで吹き流され・・。
もしかしたら10年経っても正体まで辿り着けないかもしれないよ、『ごめんねオデッセイ』・・・。
◇「松岡正剛の千夜千冊」(2004年)
999夜:ホメーロス『オデュッセイアー』
○次回「第8179回『ごめんねオデッセイ』の “オデッセイ” はこーゆーことなんじゃないか?討議会」冬期活動予告
2700年余にまたがる世界の歴史・文学の中から、「オデッセイ」の由来を探し当てるのは至難の業。この語が使われるジャンルも多岐にわたります。
そこで発想を切り換えて、曲を作った amazarashi が象徴的なモチーフとして「オデッセイ」を用いた動機、もっと言えば秋田ひろむ個人のの「 “オデッセイ” にまつわる原体験」を探っていった方が早いのではないか、と。
そこで重度のゲームフリークな秋田ひろむ氏のこと、人生で初めて「オデッセイ」という単語に触れたのも、ゲームからだったのではと推定してみます。
「オデッセイ」って、ゲームタイトルと相性が良い語義・語感なんですよね。あんまり頻繁に使うと類似の名称が氾濫して有り難みが薄れちゃいますが。でも「オデッセイ=壮大な大冒険」は、ゲーム業界の有名タイトルで数年おきに見られるネーミングでもあります。
・『ONE PIECE ODYSSEY(ワンピース オデッセイ)』(2023年、現行各プラットフォーム)
・『アサシンクリード オデッセイ』(2018年、PS4/Xbox 他)
・『スーパーマリオ オデッセイ』(2017年、NintendoSwitch)
・『ラグナロク オデッセイ』(2012年、PS Vita)
・『ロストオデッセイ』(2007年、Xbox)(*ファイナルファンタジー製作陣が集結、豪華声優陣に、キャラデザは井上雄彦氏!)
・『アルバートオデッセイ』(1993年、スーパーファミコン)
◇「ピコピコ大百科【アルバートオデッセイシリーズ】」
この『アルバートオデッセイ』なんて、発売年代もちょうどよく昔だし、スーファミ中期の名作だしで秋田ひろむがタイトルを目にしたこともあるのではないだろうか。
サンソフトが手がけたファンタジーRPG大作、当時テレビCMもやってたんじゃないかなぁ? 平成後半から令和にかけても「オデッセイ」と名の付くゲームソフトは幾つも作られてきたけど、時間を遡れば源流的に一番の有名タイトルはコレのような気がする・・。
・・ムムッ?!
▼「マグナボックス オデッセイ(Magnavox Odyssey)」・・
1972年、アメリカの電子機器メーカー・マグナボックス社に所属するラルフ・ベアが開発した、世界初の家庭用据置型ビデオゲーム機「オデッセイ」。
「ゲーム機」の始まりたる第1世代、その中でも先駆を為した記念すべき元祖の機体。商業的には失敗したが、それに続く1970年代のゲーム機開発の世界的勃興を先導した栄えある機種だ。この「オデッセイ」が起こした激流の中から、日本でも任天堂という会社が頭角を現すのである。
◇「ASCII」2022年記事
〖 世界最初の家庭用ゲーム機 1972年発売「Odyssey」の完成度 〗
◇「電ファミニコゲーマー」2019年記事
〖 世界初の家庭用ゲーム機は、プレイヤーが画面にフィルムを貼り付けて遊ぶもの ファミコン以前のテレビゲーム機の系譜を語ろう 〗
またもや、半世紀以上前に開発されたゲーム機の始祖・起源が候補に名乗りを上げてしまった・・。
一体どこまで遡ればいいんだ、候補の絞り込みなんて一生無理だぞコレ・・。すみませんが、良い知恵はありませんかねオデュッセウスさん・・?
えっ、襲いくる荒波と想像を絶する天変地異・怪奇現象の中、10年ぶりに故郷(くに)に帰るので今チョー忙しい・・?
それはそれはお忙しいところ、『ごめんねオデッセイ』・・・。
○後に分かるメッセージ、次元越えるクリストファー・ノーラン
クリストファー・ノーラン監督と言ったらアレですよ、『バットマン:ダークナイト』のジョーカーかっけぇ! 演じるヒース・レジャーの偉大な遺作となった怪演も含めて、ダークでシックなゴッサムシティの世界観・映像美が圧倒的でしたね。
・・おっと違う。イヤ違わないんだけど、言いたいことはソレじゃなかった。クリストファー・ノーラン監督で amazarashi と言えば、関連する歌詞がまさに『ごめんねオデッセイ』に登場してきました。
〈後に分かるメッセージ 次元越えるクーパーとマーフ〉
この箇所の〈クーパーとマーフ〉が、ノーラン監督作『インターステラー』(2014年)の主人公クーパーとその娘マーフへのオマージュとなっております。
滅亡の危機に瀕する地球からの脱出を目指し、人類の存続を賭けた茫洋たる宇宙航海に旅立つクーパー。そして彼の娘マーフとの間の、父娘の絆と愛情。SF超大作、かつ人間ドラマの傑作たる本作。これを作詞にねじ込むとは、秋田ひろむ、面白そうな発想のSF映画をちょいちょい観に行っていると見た!
だがやはり、何やら時間軸が可怪しい。『ごめんねオデッセイ』は2023年前半までの作詞、『インターステラー』からの影響に不思議はない。けどノーラン監督最新作『オデュッセイア』の公開は2026年後半。映画の製作が世界に向け公式発表されたのは2024年末というから、『ごめんねオデッセイ』作曲段階では知りようの無い事柄だったわけだ。
にも関わらず、この符合、この暗示・・。まるで、「クリストファー・ノーランの次回作は『オデュッセイア』(原題:THE ODYSSEY)だってよ!」と、未来に向けてコード(暗号)を埋め込むかの如きSFチックな筋書き。
ならばこの曲の正式なタイトルとは、
「ごめんね(、2023年時点では詳しくは言えないんだけど、ノーラン監督の次回作は2026年公開の)オデッセイ(なんだよーーー!)」
という、時限式のネタバレなのか・・?
〈過去の自分から届いた言伝、ダイレクトメール〉。次元を越えたメッセージ、それを受け取るのは誰か、もしや amazarashi 秋田ひろむ自身・・?
「あっ、3年後に映画『オデュッセイア』が公開されそうな気がする、忘れないようにメモっとかないと・・⇒ そうだ、曲に入れ込んじゃえば折々に自分で歌うし、公開時期を憶えてられるか・・?」
もしや迂遠なリマインダー・・?
時を経て、謎は深まるばかりだぜ『ごめんねオデッセイ』・・・。









