高校日本史テーマ別人物伝 時々amayadori -2ページ目

高校日本史テーマ別人物伝 時々amayadori

高校日本史レベルの人物を少し詳しく紹介する。なるべく入試にメインで出なさそうな人を中心に。誰もが知る有名人物は、誰もが知っているので省く。 たまに「amazarashiの歌詞、私考」を挟む。


○朗報

 2024年9月23日月曜日、新聞各紙の朝刊にある記事が出た。たいていはテレビ欄の裏の社会面に小さく掲載されたようだが。
 本来なら文化面とかエンタメ欄に配されそうなジャンルながら、その内容の社会的な意味を鑑みての配置だったろう。その中の一つを引用する。


◇日経新聞 2024.9.23(月)朝刊
 22.社会面 より

〖 京アニ完全新作 放送へ 〗
〖 来年、放火事件後で初 〗

 京都アニメーション(京都府宇治市)は22日までに、公式ユーチューブチャンネルやホームページで、2025年に完全新作テレビアニメ「CITY THE ANIMATION」を放送すると発表した。完全新作を発表するのは、社員36人が犠牲になった19年7月の放火殺人事件後で初めて。
 公式チャンネルによると、完全新作は漫画家、あらゐけいいちさんの作品「CITY」が原作で、主人公の女子大学生らの「予測不能な平凡ライフ」を描くコメディーと紹介。監督は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を手がけた石立太一さんが務める。
 事件から5年となる今年7月18日、事件現場の第1スタジオ跡地(京都市伏見区)で開かれた追悼式では、八田英明社長が「みんなの志を胸に作品をつくり続ける」と話していた。

 (引用終わり)


 事件について多くは語らないよ。当時も速報が出て大きく報道されたし、あらましを知っている人も多いだろう。しかし何より、とても痛ましい出来事であったので詳しく説明するのがためらわれる。みなさん御存じのものとして話を進めます。

 その京アニの完全新作アニメとして来年の放送が決定した『CITY THE ANIMATION』。





 事件後も既存作品の続編や劇場版は送り出し続けてきたけれど、新規作品の導入はこの5年間で初となる。本作への挑戦がどれほど、京アニにとって大切な一歩となることか!
 京アニ作品の愛好者に留まらず、界隈に棲息している一般的アニメファンなら誰しもが、この挑戦の過酷さと果敢さとを二つながら肌で感じているだろう。それゆえに、此度のアニメ化の報に各界が反応した。


○あらゐけいいち、起動

 ・・じゃなかった起用。

 ・・? いや、起動で合ってるのか・・? まぁいいや。

 そんな京アニが大きな契機となる新作アニメの原作に選んだのが、漫画家あらゐけいいちの『CITY(シティ)』。
 講談社「週刊モーニング」で連載されていた “ゆるふわコメディー” で、いつもモーニングの巻末に掲載されてたから「あぁ、今号もこれで終わりか…」って読了感と一抹の寂しさを感じさせる漫画でした。
 まぁ何だ、アレだ、かつての「少年ジャンプ」における『ピューと吹く!ジャガー』(うすた京介)みたいなもんです。(←むしろ分かりにくくなる例え)


 そして、あらゐけいいち×京アニといえば、以前にもタッグを組んで人気作品を作り上げていた。

◇アニメ『日常』公式サイト
 音楽人・ヒャダインの振り切れた両OP主題歌が象徴する、ドタバタナンセンス青春ギャグコメディー(←情報過多)。2011年に放映され、翌年にはNHK Eテレでも編集版が放送された。
 京都アニメーション制作としては初めての本格コメディー路線、勢いよく突っ走る爽快感と日常系のゆるさとの絶妙な取り合わせで幅広い年代の支持を獲得する。
 それまでは美麗で繊細な画と丁寧な脚本・演出で定評があった京アニだが、「あっ、こんなのも作れるんだ」とポテンシャルの高さを示した画期的な作品となった。

 そんな縁があるあらゐけいいちさんとの再タッグ、それも同社としては久しぶりの新作へのチャレンジということもあり、「CITY THE ANIMATION」投入には並々ならぬ決意を固めていることだろう。
 そして来たる2025年、それはそう遠くない未来、世界は「安達太良 良太(あだたら りょうた)」を知ることになる・・・(ゴクリ)。


○あらゐけいいち余話

 漫画家のあらゐけいいちさんですが、ほんわか不条理な画風でイラストレーターとしても活躍。探偵ミステリやSFなど小説作品の表紙イラスト、他にも企画もののイメージ画やキャラクター原案などでもよくお見かけします。

◇「ファミ通ニュース」
 教科書「小学生の音楽」(教育芸術社)2024年度版



◇『体感する数学』(2013年)
 『体感する宇宙』(2014年)
 竹内薫 角川/エンターブレイン


◇東川篤哉「烏賊川市/私の嫌いな探偵」シリーズ(光文社)
◇イラストレーション誌「季刊エス」Vol.87 2024年10月秋号
  表紙&巻頭特集:あらゐけいいち



 気づけばSFを中心に色んなジャンルに、書店に街中に教科書にと、至る所にイラストレーションが溢れている。もはやサブリミナル効果か洗脳教育か?
 この秋、日本列島にあらゐけいいちが飽和する・・・。