2023年4月時点の1年以内離職率が2.8%でした。この1年で35人採用して辞めたのが1名のみ。未経験で入社した人がこの1年でほぼ辞めていないというのはすばらしいことだと思います。
実は、2023年4月時点で、当社のメールアカウントは560発行されています。これは、創業以来いままで560のメールアドレスを発行したということで、つまり当社は今まで500人以上の「留学生を活かしてきた」ことになります。
にもかかわらず現在の社員数が200人ほどであるということは、300人くらいが退職しているということ。相当な離職率な気がしますが、そもそも離職率が低いと良い会社なのでしょうか?
離職率には、「建設的な離職率」「前向きな離職率」と、「否定的な離職率」「後ろ向きな離職率」の2つがあると思います。前向きな離職率は高めて、後ろ向きな離職率は減らしたい。
世の中の離職率は、悪いほうか良いほうかの区別がありません。そこを分けてデータをだしてほしいと思います。
例えば、社員100人で離職率5%と、社員200人で離職率8%を比較すると、数字で言えば200人のほうが良くありませんが、この内訳が100人のほうが悪い離職率5%で、200人のほうが良い離職率4%、悪い離職率4%の合計8%なら、100人の方が良くない会社なのではないか?
そして離職率の計算方法もよくわかりません。
当社の人材育成方針は、「5年で真のグローバル人材を創る」「5年経ったら羽ばたける力をつける」です。なので、6年目以降の離職率がぐんと上がります。在職年数にしたがって段階的に離職率が上がっていくのですが、これを期間で平均にしてしまうと、数字が大きくなってしまいます。毎年新しい社員が入社して、その代わりに6年目以降の社員が順次「卒業」していく。これを繰り返して当社は今まで500人以上の社員を採用してきました。
これをバスで例えると、バスが運行している間に、そのバスに乗る人、降りる人がいて、今現在は200人そのバスに乗っている、というイメージ。そのバスに最初から最後まで乗っているのは運転手さんだけで、あとは目的地に着いたら降りていく。その代わりに新しい人が乗りこんでくる。会社はこのバスのようなものだと思っています。
コンサルティング会社のマッキンゼーは、「長期雇用を前提としないが、従業員が企業の理念と深く共鳴、創意工夫し、一定期間で成長すると『卒業』していく会社」と言われています。当社もこのような会社を目指したい。
社員が自分のキャリア、幸せな人生を自社で実現できて、さらなる成長を求めてチャレンジしたいときにその希望が自社内でかなえてあげられないなら、社外でのチャレンジをめいっぱい応援する。これからはそういう会社に人が集まってくると思います。今の時代の良い会社は、会社と社員が対等な関係で、会社と社員がGive&Takeしている会社です。
当社のような会社の離職率をどう説明すればいいか?会社と社員の対等な関係性が理解され、離職率の説明の苦労がいつかなくなる日がくればいいなと思います。