日経新聞に載っていた転職サービスの広告に、青山大学陸上競技部監督の原晋さんのことばが載っていました。

「同じ苦労をするなら、情熱を注げる方へ」。

この会社を立ち上げるとき、同じことを考えたな、と思いました。

当社を立ち上げたのは2007年。その前は、ITベンチャー企業で営業をやっていましたが、会社を創るということよりも先に、会社を辞めることをまず考えていました。辞めたあとどうする?と考えると、選択肢は、転職か思い切って起業かの2択でした。この時点で起業の選択も考えていましたが、この決断には相当の勇気がいる。もちろん苦労もするだろうと思っていました。かたや転職をするにしても、同業だろうが他業種だろうが、新しい場所でうまくやっていくには相当苦労する。どちらにしろ苦労するんだから、と考えたときに、前述の原監督の言葉、「同じ苦労をするなら、情熱を注げる方へ」と考えました。自分で始めた仕事なら、苦労をしても納得がいく。そう思い、起業を決断しました。

想定通りに、会社を経営するには様々な苦労があります。でも自分でやろうと思って動いた結果出てきた苦労は、苦労にならない。むしろ、苦労がひとつひとつ経験になり、勉強になります。

よく取材で「会社経営をしていて一番苦労したことは何ですか?」と聞かれますが、大変でしたが苦労とは感じていないので、けっこう回答に困ります。「リーマンショックですね。」とか「最近のコロナ禍は大変ですよ。」と答えますが、あまり実感がありません。

本当の苦労を味わっていないから、こんなことを言えるのかもしれませんが、でもできればこのまま苦労に鈍感で経営していきたいと思います。