「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド -11ページ目

「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

ブラジル移民から世界放浪 若い頃にフラッシュバック
消せないアルバムの話。

グレーハンドでの夜の旅。

 

夜11時、ニューヨークからナイアガラまで行った。

 

数日前まで、ニューオリンズで仕事をしていた。

 

ニューヨークを出た後は、暗い道をナイアガラを目指す。

 

バーボンを飲みながら、思いにふける。

 

あの男、あの女、みんな良い奴らだった。

 

知らずに寝てた。トイレ休憩の店は、西部時代の様ないい感じ、又、酒を飲んだ。

 

夜が明ける。巨大な滝の前に自分が小さい、これからどうしよう・・・。

忘れると言う言葉には時代がある。

 

バールで飲むカフェ、デミカップにミルクと砂糖を入れる。

 

南米での濃いカフェ、パリに行ってエスプレッソ、ローマでのカプチーノ。

 

朝の香りを楽しむカフェ、昼の口直しのカフェ、夜の時間潰しのカフェ。

 

行った国の色々な店で味わったカフェ。

 

今、カフェを店で飲む事は無い、どこに時間を置いてきたのかな。

 

楽しいと自分に聞いても、答える言葉がカフェの香り共に忘れたかも・・・。

飛行機は初めにニューヨークに着いて国内線に乗り換え、やっとの事でワシントンに着いた。

 

二度目のブラジルに行った時に、二十四時間かかって行った事を思い出す。

「それに負けない位遠い」

飛行場には誰の迎いもなく、自分達で目的の住所に行く事になった。

 

「俺は慣れているからどうにかなるけど、海外経験のない人だったらパニックになるだろう」

とりあえず電話をして住所の確認をした。

 

電話に出た女性は、日本語があまり得意ではなさそうな感じ、でも、どうにか確認が出来たが、

最後に出た女性は生意気そうな声で命令調だ。

「この人が女将さんになる人だろう」「いやな声だ」この先の不安を感じた。

 

目的の住所に着いたのは、夜の九時を過ぎていた。

「ぐったり」先程の電話の声の二人の女性が来ていた。

 

一人は美空ひばりを意識したような髪型で、高慢な感じの女性。

もう一人は日系何世かと言う感じの女性だった。高慢な感じの女性の発した初めの言葉が、

「休む、それとも食事に行く」「むかっと来た」

「最低でも長旅でご苦労さまだろう こっちには小さな子供もいるのに」「何て無神経な女だ」

「どうも、先ほど電話で感じた事は的中した感じ」

 

着いたばかりでアメリカでの期待と夢はどこかにいった。

「作戦の練り直し」「本当に真剣に考えないと、とんでもない事になるかも」

でも、翌日から本当に事件は起きた。