2006年。諸事情により仕事を辞めて半年が経ってしまった。
平日の空いた美術展へ行くことなんて夢のまた夢だった生活が、天気が許せば近所の公園の端でぼぉっとするのが日課へと変わる。今まで一会社員として当たり前だったことが、ひどく脆く当たり前でなくなったのが何だか面白く、いったいわたくしが常識と思っていることは、世間のどのような場所で常識と解されているのだろう、という疑問がわいた。
わたくしの考え方は、いったいどこかに通じるものなのだろうか。
癌
あんまりサボっているもんだから(なのかどうか因果関係は不明)、
迷惑コメント(と、今わたくしが命名)が続々と入り、
このブログの存在を思い出す今日この頃であった。
更新すれば、迷惑コメントも停まるんじゃないか、という根拠ない期待を込めて。
だってすっかり忘れた遠い過去の記事を引っ張り出していきなりコメント。
(コメントっていったって、コメントとして文章があるのでもない。)
古い細胞に巣食う病原菌のように、あっちにこっちに。
こうやってブログは老いて死ぬのだ。と、わたくしは思った。
ま、とにかく忌野清志郎が昨日咽頭癌から復活して歌を歌ったというから
おめでたい。しかしミック・ジャガーやイアン・ギランが60歳過ぎても
ふうん、時の流れとはそのようなものか、と思ったのだが、
仲井戸麗一が57歳ってねえ。
なんでか20代しか認められないよ、この人に限っては。わたくしは。
憂鬱
30代とおぼしき女の人2人と話していたのだ。
あの、牛乳が何か回収騒ぎになったと聞いたんですが
一体何があったのでしょう。
「ああ、何か感染した牛が発見されたって。人体には影響ないんだって。
確かBSEって…」
おい。BSEだったら大ニュースだぞ。
絶対に違う。
しかし何だったのかますます謎が深まってしまったことよなあ。
(これは後に、「ヨーネ菌」に感染した牛だったということが判明。)
「それにしても、さっきからヘリコプターがうるさいね」
さっきは自衛隊だかアメリカ軍だか軍用機がたくさん飛び回ってましたから、
このヘリコプターも演習か何かじゃないでしょうか。
「えっ、それってこの前、名古屋で戦闘機が墜落したから、
大丈夫かどうか点検してるんじゃないの?」
「えっ、それだったら墜ちてくるかもしれないってこと? こわーい」
「そうだよね、こんな近いもん。こわーい」
わたくしは口がきけなくなってしまった。
どうして。
どうして先日戦闘機の事故があったからって
今空を飛んでいるヘリコプターは軍用機らしいから点検中ということになって
しかもいつ墜落してもおかしくないというような判断へと結びつくのか。
難解。
あまりに難解。
このことをですね、やはり30代とおぼしき男性に話しましたところ、
大笑いをして
「馬鹿じゃないの。いやあー、かわいいかわいい。
女はやっぱりかわいくなくちゃね。女は馬鹿なほうがいい。いいねえ」
という結論に至ってわたくしはますます混乱。
何でだ。
いよよますます無力化する自分を感じる。
はっはっは。中日優勝だ。
いや、勝つとは思わなんだよ。日本ハムに。
というか、日本シリーズで優勝するとは思わなかったね。
いやあよかったよかった。
ところでこないだテレビをつけた途端、
画像が出る前に音声だけが聞こえる訳よ。
ニュースと思われる番組だった(実際そうだった)んだがアナウンサーが、
「宇宙間をまっぷたつに破り」
って言ったからこりゃ大事だと思ったね。
何だか知らんが宇宙をまっぷたつってどえらいこっちゃ。
当然、「右中間」だったんだけどね。
亀田興毅の記者会見
あの、亀田興毅という若者の記者会見を途切れ途切れに見てしまってね、
事情はよくわからんのだが、
そしてその三兄弟と父などには以前から嫌悪感を持っていたのだが、
あの記者会見にはずい分感心したね。
事件の張本人である弟も父親も出てこない。
今まではあんなに態度のでかかったまだ二十歳。
それがきちっと正しい謝罪のしかたで順を違えず謝り、
自分の考えもその場その場で確認しながら述べる。
意地の悪い記者(どっちが大人だ?と思う場面が多々あった)の質問に
耐え、逆上もせず泣きもせず落ち着いて答える。
これは一朝一夕にできることではない。
何年もかけて培われてきた彼の芯なんだろう。
感心した。まだ若いのに。
今時の若者でこれだけできるのがいるか。
と思ったんだが、若者じゃなくって大人だって、わたくし自身だって
できるかどうだか怪しいもんだ。
そして何より、安倍晋三さんには、
ぜひとも見習ってほしいと思いました。
でもさこの事件、亀田興毅でなくって弟と父親がね、
試合のすぐ後に、謝るべき事柄をきちんと謝っておけば
こんな大事にはならなかったと思うんだよね。
簡単かつ当然のことじゃん。
悪かった点を認めてすぐに謝る。以上。
なんで謝れない、なんで出て来られない? だもんで
刻々と顰蹙を買い、刻々と事態が大きくなるんじゃんか。
おかしな話だ。
それに今回の興毅くんだって、試合に勝った内藤大助氏だって、
いってみれば当然のことを淡々と述べているだけなのに
対象となる亀田家のあくどさが際立つもんだから
妙に人格者、妙に大人に見えて、偉いなあ立派だなあと
見る人をしてますます感心せしめてしまうんだ。
いやそれよりも、当然のことを述べる、当然のことをやる、
ってのは本当に難しいことなのかもしれない。
などわたくしは考えました。
それでもうひとり、思い当たる人物が。
最近テレビで頻繁にお見かけする舛添さん。
年金問題で大騒ぎなのにC型肝炎問題やら妊婦のたらい回しとか、
てんやわんやの大車輪。
C型肝炎のことで「全力をつくして対応します」って言っていて、
おいおいこれに全力つくしちゃったら他はどうするんだ、って
思わずわたくしは苦笑いをしちゃったね。
それくらい問題は山積み。
それで舛添さんがつい「全力をつくして」とか言っちゃうのは
どの問題も手を抜けない、重要かつ緊急だからであって、
彼の言ってることややろうとしていることはしごく当然のことだと
わたくしは思うし、国民全体もそう感じていると思う。
うまくいくかどうかはさておき、これはやらなくては、と彼が言うことって
単純明快でかなり当然のことばかり。
それをどうして今までの大臣やら官僚がやらなかったのか、
言わなかったのか。
当然のことを当然と判断する、っていうのが
渦中にある当事者にとってすごく難しいことなんだと思う。
わたくしのように無責任な野次馬であれば
当然のことなんて火を見るように明らかなのに、
行動しなくてはいけない側、
過ちを認め、正していかなくてはいけない側からは、
当然のことってすごく見えにくいものなんじゃないだろうか。
政治家って本当は、当然のことを把握することができさえすれば
実は簡単な職業かもしれない。
うーん、いずれにしても舛添さんには、国民の過大な期待がかかっているし
そりゃあひどく忙しく大変でしょう。がんばってくれ。
身体を壊さないでね、と思います。
リッキー・ボーンを待ちながら。
サボり続ける日々、プレイオフできっちり中日が巨人を倒してくれて
わたくしはうれしい。
それから密かに応援しているインディアンズが今日は
高いお金をもらって渡米した日本人投手のいるチームと
優勝を決する試合があるってことだから
わたくしは張り切ってインディアンズのTシャツを着ちゃっている。
でもこれは単に、映画『メジャーリーグ』が好きなだけなんですけどね。
巨人が勝つとおもしろくないのは、
非常な判官贔屓だというばかりでなく、
巨人V9の時代を越えてきたからじゃないかと
ふと思った。
永遠に巨人ばかりが優勝していて、
宿命的で威圧的な絶望感にのしかかられていた感じなんだな、うん。
あの時代は。
あれを知らなかったらこんなに巨人を嫌わなかったと思います。
この頃感じたこと
ちょっと気を許していたら巨人が優勝していて不覚。
横浜でももちろんよかったんだが阪神の快進がめざましく
中日も安泰だし、どこが勝ってもいいからねと
ゆったりした心持ちでいたのがどうもいけない。
パティスミスがグレイススリックのコピーをして
ホワイトラビットを歌っても、違いがないんだよね。
など新譜を聴きながら思う。
- Patti Smith
- Twelve
急に涼しくなったのと風邪気味なのとがあいまって、
まあ、急激に気温が下がって風邪をひいたともいえるのだが、
このところ、えらい「冬」の感覚だ。
大気中、冬だらけ。何だか楽しい。
というようなことを日々感じつつ生活をしておる訳ですが、
このような話のどれも、誰か身近な人に語ったところで
話に進展はないだろうし、
言ってる意味さえ理解されない恐れもあるし、
反感すら買うかもしらん、きっと買うな。
人生とはそのようなものなのだ。
コメントをくださってありがとうございます
本当に自らしみじみ、ろくでもないブログだと思いますが
コメントをくださってありがとうございます。
とってもうれしいです。
本日は近所の農家の横を歩いてたら、
苺の苗をビニールハウスに植える作業を
たいへん勤勉にやっていらっしゃる老夫婦。
頭が下がる。なあ。と思いつつ、
ふと横を向いたら、道の片隅に置かれている
肥料の袋には、
ベリー グッ土
と、元気に笑う苺君の絵がかかれていた。
未知の世界はあらゆる場所に、奥深く存在する。
すっかり秋である。
脳の構造
諸事情により寝ていなくって、何せ眠い。
眠い一日である。
尋常でなく眠い。な。
ふっと気づくと立ったままでも眠りに入っている。
何かを5分続けると眠ってしまいそうになるので
次から次へいろんなことに手を出している状態。
ということでこれを書いている。
さっきトイレから出ようとした時、
たぶんわたくしはいつも、そのドアを開けた先の風景を
無意識に頭に浮かべながら出ているのだな、と気づいた。
というのは、トイレのドアを開ける直前に
何か不思議な映像が頭に浮かんで、えっ、と立ち止まったのだ。
何だろうと怪しむことしきり。漸く気づいた。
それは、30年以上昔、子供の頃に住んでいた家の
トイレから出た時のドアの先の風景だった。
30何年も一度として思い出したこともない、
すっかり忘れていた風景で、
何かガラスの戸があってピアノが横向きに見える、
それからソファの背、という程度のものなんだが
もう夢にさえ見ない代物。
完全に、封鎖されていた記憶の引き出しを誤って開けたね。
頭、バグってるね。
ああびっくりした。
というように、尋常でなく眠いのであります。
駐車場
くだらないことで恐縮。
徒歩で外出しようとしたところ、
アパートの駐車場に見慣れぬ車が入って来た。
見慣れぬといっても50台分はある駐車場だし、
車が変わったり引っ越しがあったりするから
特に珍しいことではない。
問題はその車が、わたしの車の後ろにぴったりつけて停まったこと。
簡単にいえば、わたしの車は
駐車場に変則的にある1台単独スペースに停まっていて、
その後ろはどうやら、外から入って来た車がすっと停めやすいらしいんだな。
でも当然しょっちゅう迷惑しているのはこちら。
ぴったりつけられたら出入りできない。
ちゃんと白い枠もかいてあるし、前には車止めブロックもあるから
普通に考えればそんなとこに停めるのは非常識。
だとわたくしは思うんだな。
だからへらへらと歩み寄って、車から降りて来る3人の若者に向かって
少し注意をばしてやろうと思う。
「ここのアパートの方ですか」
「いいえ違います」
答えたのは運転していた青年。
「ここに停められちゃうと、いつも車が出られなくって困るんです」
「あの、僕ら部屋を見せてもらいに来たので、今日が初めてです」
「初めてでも、うちはいつも困ってるんです」
「あ、じゃあもう少し下げればいいんですね」
「いえ、下げればってことじゃなくって、正しい場所に停めてください」
「正しい場所ってどこですか」
「それは不動産屋に聞いてください」
下見に行くのなら当然、車はどこに停めたらいいのか
不動産屋で確認してから行くものだとわたくしは思っている。
そしたらな、横にいた若い女の子がひょっこり手を挙げて
「あ、わたしが不動産屋です」
と言う。たまげた。
毎月家賃を払いに行く不動産屋で一括管理をしていると思ったのだが
この女の子を見かけたことはない。
どこの不動産屋だ。
何よりも挙手をして前に進み出て、じゃあどうすればよいのか
わたくしに問うてくる純粋素朴な眼差し。
「来客用スペースとかあるんじゃないですか」
わたくしが初めに訪れた時には確かにそのスペース2台分があった。
しかしここにいる不動産屋を名乗る女の子はそう言われても
きょとんとしているのだった。
だってさあ、不動産屋だったらせめて現在借り手のいない場所だって
わかる筈でしょ。結構空きあるんだよ。そこに停めちゃだめなの?
絶句しているわたくしに向かって、横から先ほどの運転手・青年が
「いつも停まっているっていう車は、絶対僕の車じゃないですよ」
と追い討ちをかける。
とにかくちゃんとした場所に停めてくださいお願いしますとか何とか
もごもご言いつつ早々に退散したわたくしは、
運転手にしろ不動産屋にしろ初めてでも下見でもよそ者でも何でも、
白い線で区切られた駐車スペースの後ろぴったりに
車を停めるのは、ただの非常識だと思うんだが
ひょっとして違うんだろうか。
安倍首相辞任
あまりのタイミングな辞任発言にわたくしは、
急遽の重篤な不治の病説、精神病説など考えたが、
やっぱりどんなことでも健康状態は理由にならんぞ。
倒れても発狂しても、せめて代表質問には出ないと。
じゃ、何かね。自身のものすごい不正が発覚しそうなのか。
領収書のコピーで100重計上をしてたとか
事務所の光熱費が100億円だとか。
それにしても、今辞めなくってもいいじゃんね。
辞めたからって発覚が防げる訳でもないでしょ。
だからあれだね、わたくしは漫画『愛と誠』を思い出したね。
記者会見直前に奥さんが誘拐されて人質にとられたから
真実を語ることのできなかった愛の父親。
「代表質問の場に立ったら奥さんの命はない」って
脅されてるんじゃないの、この人。と思った。
松岡氏も赤城君も辞める必要はないと言い張った。
久間さんの時も辞めるべきなんて口が裂けても言わなかったのは
人を辞めさせるなんて、傲慢ではしたない行為だと思ったのかもしれない。
で、国民が私を選ぶか、小沢氏を選ぶかの選挙だと言って
大敗を喫したでしょ、
次は自衛隊の給油活動の継続ができないなら職を賭すって、
傲慢だしはしたないから
辞めるだの辞めないだの、自分のこと言わないほうがいいよ。
博打うちみたいだ。
と思ったらその舌の根も乾かぬうちに
本当に、辞めます、だそうだ。
坊ちゃんというより、気の弱いちんぴらみたいだとわたしは思う。
育ちの良さや品位なんて微塵も感じられないよ。
自分は辞めさせてもらえなかったのに、と
松岡さんは恨んでると思うな。
化けて出たれ、構わんぞ。
