白ヤギとペンギン -7ページ目
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7ヶ月を記念して3

お台場デート以降、二人の距離は少しずつ縮まったような気がする。

正しくは、ゼミの仲間と一緒に行動することが多くなり、その中の一人だったのだけれど。

みんなで授業を受けたり、お昼を食べたり、馬場歩きをしたり。

毎週ゼミの後にご飯を食べて、家でオールするようになったのもこの時期からだった。


最初、私はゼミのI君との中を疑われていた。

馬場歩きを一緒にしてたからなんだけど。

O君とDさんから「どうなの?」って攻撃は何度か受けた気がする。


私の態度が悪いのかしら。

自分の中ではちゃんとした区別はあるんだけど、端から見ると、誰とでもフレンドリーに遊びに行く人だと見えるらしい。

事実、男の子と二人でも平気でご飯に行ったり、遊びに行ったりできてしまう。

それは、その男の子が恋愛対象になり得ないという自信があるから。


でも、私のこんな性質が大きな混乱を招いてしまうのだった。


とある男の子だけの飲み会。

I君やO君はネタとして私との関係をつついていた。

すると、酔った優紀は、私の事を「軽い女」と称したらしい。(「軽い女」発言事件)

後から知った真意は、

「誰とでも遊びに行ったりする私が、優紀のことをどう思ってるかわからない。

優紀も遊び友達の一人なのではないか」

という内容のぼやきが、誇張されてそんな話になったらしい。

しかし、翌日。

ゼミの仲間伝にその話を聞いた私は、あまりにショックでその場で泣いてしまった。

楽しかったお台場デート中も、優紀はずっと私をそういう目で見ていたのかと思ったら、無性に悲しくなった。

それに、次回のデートも、どういう思いで優紀は来ようとしているのだろうか。

凹む私の対応に困ったDさんに連れられて、近所のO君の家に行き、その場で不満をぶちまけた。

私の不満・不安を聞いたO君が、優紀の意見を代弁。

要するに、前の彼氏と別れたばかりなのに本当に優紀のことを好きなのか、寂しさを紛らわせるために利用しているのではないか。

私は、「そんなことはない」と強調した。

すると、二人は私を励ましつつ、関係の進展に協力してくれると言ってくれた。

オール明けで辛いだろうに、私の話に付き合ってくれた二人には、本当に感謝している。


そんな一件があり、余計に周囲も盛り上がってきた。

富士五湖へのドライブや、上野動物園、サンシャイン水族館など、ゼミのメンバーで色々なところへ行った。

優紀と二人で長く話したのは、ドライブの時位かな。

私が運転し、その助手席に優紀。犬の話をしたのが印象に残ってる。

あまりに話が盛り上がってるのを見、他のメンバーはかなり驚いていたらしいけれど。

とっても楽しかった。


授業中にも、筆談が飛び交っていた。

私とDさん、優紀とTさん、DさんとTさん・・・間にいた二人はさぞや楽しかったことでしょう。

ある授業の後、Dさんと二人でご飯を食べに行ったとき。

Tさんから渡されたと言う筆談メモをDさんが見せてくれた。

教授の落書きや、多くの脱線があるものの、主な内容は私が優紀のことをどう思ってるのかってこと。

盛り上がるDさんとは裏腹に、素直に喜べない私。

ネタとしてただ書いたのではないか、という不安が大きくなってきていたからだ。

でも、心の中ではやっぱり嬉しかった。

気にしていたのは私だけじゃなかったんだと思うと、嬉しくて顔がはにかんでいたかもしれない。


最初の飲みから3週間半。

急激に私の気持ちは高まっていった。

人によっては、急過ぎると思うかもしれないし、元彼の代わりに利用していると思うかもしれない。

私自身もそれを懸念していた。

けど、もっと一緒に居たい、話したいという気持ちを抑えることは難しかった。

自分のことを積極的に話さない優紀は、どこで何をしているのかわからない部分が多かったから、それを知りたいと思う気持ちも強くなっていた。

事実、一言二言でも、言葉を交わすだけで、私は嬉しくて仕方なかった。


でも、同時に不安も大きくなっていた。

優紀は、やっぱり私を「軽い女」だと思っているのではないか。

優紀に好意を抱いているサークルの後輩のことをどう思っているのだろうか。


告白しようか、でもダメだったら・・・・今の関係を壊したくはない。

けれど前進したい・・・・

いっそ優紀が私のことを好きになって告白してくれたら良いのに、そんなことばかり考えていた。






7ヶ月を記念して2

 12月2日。晴れ。

 夜はゼミのOB会があるため、昼間だけのデート。

 ちょっと残念だなぁなんて思いながら、待ち合わせ場所へ。

 既に優紀は着いていた様で、どうやってお台場に向かうか路線を調べてくれていた。


 デートするという約束を、私はゼミの仲間に知られたくなかった。

 二人だけの秘密にしたいと思っていた。

 けれど、トラップに引っかかり、優紀はポロッと言ってしまったのである。

 ショックだった・・・・が、素直に謝ってくれたので、私の気持ちを察してくれたんだと思うと嬉しかった。

 

 まず向かったのは、科学館。

 プラネタリウムが目的だが、午前中で整理券の配布が終わってしまうらしいので早めに向かった。

 けれど、着いた時にはかなりの行列。

 券が無くなっていたらどうしよう・・・・・

 そんな心配をよそに、幸いにも、臨んでいた時間のチケットが手に入った。

 

 プラネタリウムは子供の頃ぶりだった。

 真っ黒な闇の中に、浮かび上がる星々。静かな声の解説が、心地よい。

 思わず睡魔に襲われそうになったが、寝ないように気を引き締めた。

 隣で今にも寝そうな優紀がいたのに気づいたのは、後半に差し掛かってからのこと。

 ムードも何もあったもんじゃない。 


 科学館の中は面白いものがいっぱいだった。

 カミオカンデの模型や潜水艇等、高校で習った知識が蘇ってきてとっても興奮した。

 視覚や聴覚の実験などもあり、二人とも子供のようにはしゃいだ。

 大きな地球の模型を見ながら、階段をくだり、

 「なんでWINっていうか知ってる?」

 なんて、聞いたばかりのうんちくを自慢げに披露してみたり。

 

 科学館から、ヴィーナスフォート迄はのんびりお散歩。

 サークルの話をしたのは覚えているけれど・・・・他に何を話したかは覚えていない。

 ただ、靴の調子が悪くて、歩きにくかったのは鮮明に覚えている。

 そして、そんな私に全く気づいてくれない優紀。

 でも、そんな気の利かなささえどうでも良いと思える程、会話は弾んだし、楽しかった。


 優紀は、色々とお台場について調べてくれていた。

 ランチを食べる場所も大体目星を付けてくれた。

 回転中華料理。回転寿司の中華料理版。初めて見た。

 あれ食べたい、これ食べたいといっぱい手に取って食べた。

 

 レトロな商店街を見て回ったり、念願だった雪のイベントを見たり。

 時間はあっという間に過ぎていった。

 日が暮れるのが近づくにつれて、もっと一日が長かったらなぁ~と思っていた。

 

 「観覧車に乗ろう」

 お台場の夜景は綺麗に違いない。

 OB会に間に合うギリギリの時間で、日が沈む時間。

 その時間まで、少し余裕があったので、クレープを食べた。

 お互いのクレープを交換して食べたりと、カップルっぽいことをしてみた。

 私は嬉しかったけど、優紀の真意はわからないまま。


 観覧車からの景色は綺麗だった。

 ベイブリッジや東京タワーがキラキラと輝いていた。

 (告白するなら今なのかな)

 デートする数日前、友人達に背中を押されていた。

 「二人でお台場に行くってことは、可能性は高いんじゃない?」

 他方、別の友人は冷静な意見をくれた。

 「でも、ただの友達って思ってるかもよ」

 色々な意見がグルグル。

 やっぱり・・・・まだ無理だ。

 私は私から切り出すことを断念した。

 優紀から言ってくれたらいいのに・・・・・

 でも、優紀はOB会に間に合うかが不安らしく、ケータイで路線を調べてばかり。

 せっかく二人っきりで、こんなにロマンチックな景色を目の前にしてるのに。

 一緒に居て楽しくないのかな・・・・不安になった。

 そんなことは億尾にも出さず、私は相変わらず外の景色を眺めていた。


 帰りの電車。

 気が急くのを抑えながら、一方で、もっとお台場に居たかったと後ろ髪引かれる思いに包まれていた。

 「楽しかったね」

 お互いに今日の感想を話していた。

 もっと一緒に居たい、また二人で遊びたい。

 強い思いが私を動かした。

 「また二人で遊びに行きたいな」

 優紀は驚いた顔をしていた。

 「もう誘ってくれないかと思った」

 そんなようなことを言っていた。

 最初で最後のデートだと思っていたのかしら・・・・

 「行きたい」

 照れている優紀の言葉を聞きながら、私もまた、ドキドキしていた。

 その場で手帳を開き、日程を決めた。

 行き先はまた後日決めよう。

 また二人で会える。約束できたことが嬉しくて、その日、私はハイテンションになった。


 結局、OB会には遅刻したのだけれど・・・

 事情を知っている仲間達に温かく(?)出迎えられ、事なきを得た。


 

 


 

 

 

7ヶ月を記念して

 気づけば、優紀と付き合い初めて、今日で7ヶ月。

 ちょっとこれまでの二人を数回に分けて、振り返ってみたいと思う。


 二人が付き合い始めたきっかけは、ゼミの合宿係。

 とはいえ、仕事のほとんどは彼がやってくれていて、私の仕事はメーリスを廻すこと位だったけど。

 一緒に係の仕事をしていた時から「気が合うかも」とは思ってた。

 同い年とは思えない位しっかりしてるし、博識だし、試験に向けて勉強も頑張っている真摯な姿がカッコ良くて、ついつい頼ってしまっていた。

 何より、一緒に居て楽しかった。

 だから、二人で行った合宿係の打ち上げも、私には楽しい素敵な思い出。

 

 でも付き合うことにならなかったのは、当時、私に彼氏がいたから。

 あまり上手くいっていない彼氏と、2年ちょっと付き合った元彼との間で揺れていて・・・

 周囲には話せなくて、上手くいかない彼氏の愚痴ばかりを言っていたけれど。

 今思えば、元彼に安心感を求めるよりも、「一緒に居て」楽しいと思える優紀を素直に好きになっていれば良かったのかもしれない。


 それから半年以上、お互い試験や就職活動があり、顔を合わせることはなかった。

 けれどその間に、私はゼミのO君から衝撃的なことを言われたのだ。

 「アイツ、女子と二人で飲みに行ったりってあまりないから、何を話していいのか困ってたぞ。

  困らせるなよな!」

 楽しかったのは私だけだったのか・・・・とてもショックだった。

 最初は凹んでいたのだが、だんだんと怒りに変わっていった。

 「嫌だったら、断ればいいのに!」

 いつか本人に言ってやる!と決意したものの、そんな機会もなく、月日は流れた。


 そして4年生になり、また合宿の季節がきた。

 メインは3年生だから大して仕事はないのだが、前泊して遊園地に行こうというような色々な意見がでたので、それに合わせて交通手段などを手配したりという仕事はあった。

 でも、やっぱり以前より壁は感じていた。

 言葉数がそれほど多くない優紀だから、尚のこと、何を考えているのかわからなかった。

 

 打ち上げをすることもなく、メールすることもなく・・・

 二人の関係を変えたのは、あるゼミでの飲みの席だった。

 偶然私は優紀の傍に座ってしまったのだ。

 最初は普通の世間話などをしていたのだが、合宿係の後輩が同じテーブルに居たこともあり、話は合宿へ。

 お酒もまあまあ入ってきて、テンションも高くなっていた。

 そこで、私はついに決意していたことを優紀に言った。

 「去年の打ち上げ、嫌だったなら嫌って言ってくれれば良かったのに。人から指摘される方がよっぽど

   嫌だったよ

 「はぁ!?俺そんなこと言ってない!」

 言った、言わない、言った・・・・大喧嘩が始まった。

 私は、自分がどれ程ショックを受けて哀しかったかをアピールしたし、優紀はそんなことは言っていないの一点張り。

 気づけば、周囲の目が私たちを無言で見つめていた。

 

 単に、勘違いだったようだ。

 優紀が照れ隠しで「困ったなぁ」と言った言葉を、O君は真に受けていたらしい。

 その指摘を、私も更に真に受けて、こんなことになっていたようだ。

 後日聞いたことによると、4年の合宿で私が打ち上げしようと誘わなかったので、優紀は優紀でちょっとだけ凹んでいたらしい。

 

 誤解が解けたので、改めて二人で打ち上げることに。

 でも、飲みだけも嫌だったので、映画も見ることにした。

 「7月24日通りのクリスマス」

 あまりに不器用だけれど、まっすぐなヒロインの想いに心打たれ、思わず泣いてしまった。

 ちょうど彼氏と別れた頃だったので、尚、心に響いた。

 ただの打ち上げになる予定だったのだが、あまりに話が盛り上がり、居酒屋で飲んだ後、場所をサイゼに変えて、更に話し続けた。

 何を話したかはあまり覚えていないのだが、楽しかった。

 こんなに誰かと話が続くのは珍しい、やっぱり気が合うんだなと再認識した。

 

 終電の時間が近づいてきた。

 私は、まだまだ話していたい気持ちに駆られていた。

 普段接点の少ない優紀と、二人で、こんなに話せる機会はめったにない。

 優紀も同じ気持ちだといいんだけど・・・・と思いながら、自分からは言い出せず、「どうする?」と聞いてみた。

 「もっと話したい」

 同じ気持ちでいたことが嬉しくて、すぐさま24時間営業のファミレスに場所を移した。

 とはいえ、優紀は眠そうで、コーヒーばっかり飲んでたけど。。

 お互い何を話していたのか・・・・はっきりとは覚えていないのが残念。

 印象的だったのは、恋愛の話。

 私は彼氏と別れた経緯等を話していた気がする。

 そして、「最近どうなの?気になる人はいるの?」というように話を振ってみた。

 優紀はとても戸惑っているように見えた。

 頭を抱え、目をそらしながら、やけくそな感じで「いる」と答えた。

 「これから仲良くなっていけたらと思う人はいる」と続けた。

 なんとなく私の事を指して言っている気がしたのは、自意識過剰だったのかもしれない。

 その時はそんな風に捉えていたので、嬉しくて、また遊びに行こうよと誘ってみた。

 「今度」というと話が流れてしまう気がしたので、その場で日にちを決めてしまった。

 行き先は、お台場。

 季節限定で、ビーナスフォート内に人工雪を降らせるイベントがあるのを知っていたので、見に行きたかったから。

 優紀も好きなプラネタリウムがあるらしく、乗り気に見えた。


 後日談、優紀は財布をなくしていた。

 どうやらサイゼに忘れてきてしまったらしい。

 話が飛んでしまわないか不安でたまらない私だったが・・・・優紀はそんなこと知らないんだろうなぁ。。

 

 

 

 

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