夕張シューパロダム見学会(2019年9月29日)の記事4こめ!
 
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遅すぎる更新の言い訳は省略して本文入ります!
 
 

△お次は天端にあるこちらの建物へ。

 

 

 

 

 

 

△お話されている副所長さん、建設には関わっていたのに本部にいたから名前がないとかなんとか。

 

民主党政権時代の事業仕分けで最後にひっかかったダムで事業費が減ったとも。

 

 

△足元には地震計があります。ここと、今からおりていく基礎部の2か所に設置されているそう。

 

△ボタンは天端の「1」と基礎部の「B」のみ。いたってシンプル。高さ90mを1分半で下ります。

 

エレベーターは15人乗りです。

 

 

△エレベーターをおりて、階段をおりて振り返ったの図。

 

 

△歩きながら撮ると手ブレがひどいです。

 

 

 

 

△立体の透視図でわかりやすい! 説明文、以下に転記。

 

【監査廊】

ダムの安全性を確認するためにダム内部に設けた通路です。

各種設備が設置されており、計測や巡視を行うために使っています。

工事中にはグラウト作業にも使われていました。

青色の部分はコンクリート2次製品です。

 

【プラムライン】(のことと思われる)

ダムは貯水池からの水圧や気温の変化で変位します。

プラムラインはダムの堤頂からワイヤーを吊り下げてダムの変位量を計測するための装置です。

ワイヤーは、空気の流れでも動いてしまうため、プラムライン室は密閉しています。

夕張シューパロダムのように大きなダムでは基礎岩盤との変位量を測定するためのリバース(逆)プラムラインも設置しています。

 

-転記終わり-

 

 

 

 

△手前にあるのがプラムライン、右奥にあるのがリバースプラムラインですね。

 

 

夏なら外の気温でコンクリートは膨張する。けど貯水池の水温は5℃なので冷やされる。なので下流側は膨らみ、上流側(水に接している側)は膨らまない。”背中側”に反り返るような形になる。

 

そういったダムの変位を掴むためにプラムラインや漏水量計があると。

 

改めて説明されてなるほどと思ったのは、ダムの変位や漏水量の変化というのは許容値が設定されているわけではなく、昨日と比べてどうか、去年と比べてどうか、同じ水位・同じ気温のときと比べてどうかという話だということ。

 

△(ノーマル)プラムライン

 

 

△天井に開いた穴から細いワイヤーが下がっています。

 

 

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△こちらがリバースプラムライン。

 

(ノーマル)プラムラインの直下に置かれる、との説明を見ましたが、まったく同じ位置というわけではないのですね。

 

 

それにしても、監査廊といえばプラムラインなわけで、プラムラインのことは理解しているつもりだったけれど、リバースプラムラインがあるなんて知らなかった。かもしれない。(年をとるにつれて見たことを覚えていられないので、知らなかったとも言い切れない滝汗

 

と思って、監査廊と言えば!で思い出した浦山ダムの写真を見ていたら、

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撮っていた写真の中に「リバースプラムライン」の文字があった・・・

 

「リバースプラムラインは、変形がない不動岩盤に固定されたワイヤーをフロートで引っ張り、上部でワイヤーの移動量を測定することにより、不動岩盤からの水平方向の変位量を観測します。」

とのこと。

 

うーん

 

 

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△なんかかっこよく撮れた写真。揚圧力計。
 
ベンツみたいなマークがありますが、山本計器製造㈱のもの。
 
 
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Q..重力式コンクリートダムの一番の弱点はなんでしょう?
 
A.ダムがぽけっと転ぶこと。
 
ここシューパロダムは110.6mのダム。地下には地上の高さと同じくらいの深さでグラウトをして、遮水壁を作っている。
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監査廊にあるこの穴、ここからグラウト加工をした。ボーリングをして地下にセメントを流し込む。
 
貯水池にたまった水が地中にしみて下流へ向かうとこの遮水壁にぶつかり、上にのぼってくる。そしてダムを押し上げる。それでぽけっと転んでしまう。
 
ダムを押し上げる水の圧力を計るのが揚圧力計。場合によっては開けて圧力を逃がす。
 
(ちなみにフィルダムは先にグラウトを行ってから堤体を作るそう。重力式コンクリートの場合は堤体がフィルの土に比べて重いので、先にグラウトをしてから堤体をつくると重さでつぶれる可能性がある。そのため先に堤体をつくってから地下にグラウトを行うそうです。フィルダムは堤体が重力式コンクリートに比べると軽いから先にグラウトを行っても平気とびっくり
 
 
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△CYPHAみたいな色。
 
 
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△監査廊端の階段。380段。
 
一段一段の高さがチーン
 
 
 
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△地震のあとはエレベーターを使えないのでこの階段をおりてきて、計器をみてまたのぼるらしいゲッソリ
 
今回はのぼらずに(希望者は階段をのぼって上で待っていていいですよ、と冗談交じりに仰っていた。”残念ながら”辞退しましたウインク)、次のスポットへ向かいます。
 
(位置関係の説明は省略)
 
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△のぼらずおります(ほっ)。
 
 
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△ワクワク。
 
 
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△監査廊を歩くとき、配線ラックを見るのも好きです。
 
 
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△基礎部の地震計。
 
2018年9月6日の地震のとき、こちらの地震計は80ガル(震度4相当)、天端の地震計は500ガル(震度6弱相当)を計測したそう。ダム湖にも1mくらいの波が立ったとか。
 
 
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△漏水観測室到着。
 
 
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ダムの内部はは水漏れが発生する。コンクリート重力式でもフィルでもロックフィルでも。
 
ここのダムは1分間に26リットルの水漏れ。大夕張ダムは1分間に4リットルだった。なぜ異なるか。
 
理由のひとつめは、こちらの方が大きいから。ふたつめは素材の違い。
 
大夕張ダムはセメントが大変貴重な時代に造られたので官からの貸し出し。固練りするから水を通しにくい。夕張シューパロはRCD工法。早いが荒い(だから水を通す)。厚幌などのCSG(早く安く作れる)はもっと水漏れ多い。
 
 
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△チョークで手書き・・?
 
 
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監査廊内で一番低いところ。水が溜まってくる。それをポンプで吸いあげると。
 
 
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△通路から分岐してのぼる階段。
 
希望者だけどうぞ~と。
 
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△これは!!!!!!
 
取水塔と発電所(・放流管)をつなぐ導水管!!
 
 
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△直径3,000ミリ=3メートル。
 
 
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△「抱きついてもいいですよ!」とのことなので、大木を前にしたときのように両手をまわして抱きつきました。管に耳をあてる。耳をあてても実感ありません。30トンくらい流れるとなんとなく震えを感じるらしい(この日は2.5トン/秒)。
 
錆びないようアルミ製。
 
 
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△この2本のワイヤーは流速計というものらしい。2か所についている。
 
 
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△ピンボケ・・・こんな大事な写真で何やってるの自分。
 
水中にあるゴミの通過速度を超音波で計り、それが=水の流れの速さということで、流れる水の断面積(この場合は導水管直径の3,000mmから求められる)を乗じて流量が求めるそうですよ!!
 
 
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△導水管の下から向こう側を覗いた。あああああ素敵空間。
 
 
今回の見学会は、前記事に出てきた、
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△「給排気弁ユニット」
 
と、この記事でご紹介した導水管(と流量の計測方法)が一番印象に残っています。惜しみなくご案内していただけて、大変ありがたいことです。
 
 
本文終了。
 
 
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ここからただのつぶやき。
 
さきほど出てきた流量の求め方、もう少し理解したくて調べてみた。なぜかというと、見学会で流速計の説明を受けたとき、「断面積に流速をかけて流量がわかるというけど、直径3メートルの導水管に毎秒2.5トンの水を流したとして、導水管の中はいっぱいになるの?(いっぱいになってなきゃ断面積は一定じゃないじゃん?)」という疑問がむくむくわいてきたのです。
 
注意注意注意数学的センスのない駄文が続きます。
 
とりあえずこの日の流速を求めてみましょうウシシ
 
 
流量(Q)=管の断面積(V)×流速(A)
 
本来なら導水管についている流速計で「流速(A)」がわかるのでそこから流量がわかるわけです。
 
今回は逆に流量と断面積から流速を求めます。
 
流量(Q)は2.5t/秒=2.5㎥/秒
 
管の断面積は直径3,000mm=3m → 半径1.5mから、1.5m×1.5m×π=2.25π㎡
 

Q=V×Aだから

A=Q÷V

 =2.5÷2.25π

 =0.3537(m/秒) ※小数点第五位で四捨五入

 

ということで、(計算が間違っていなければ)あの導水管の中の水は1秒間に0.35m進むのです。

 

なんかそんだけ進むなら導水管の中も水で満ちている感じがする(疑問に対する回答になっているかはさておき)。

 

波

 

この日のように、1秒間に35センチしか進まないなら、導水管に耳を当ててもなるほどあまり流れは感じないかもしれない。

 

30t/秒の流量の場合、流速は4.24m/秒。1秒間に4.24m!!

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この部屋の中に露出している部分を1秒間に通りすぎるくらいの速さ。そりゃ耳を当てたら迫力ありそうです。

 

 

ちなみに、理論上、管の中がいっぱいになる少ないの流量ってどのくらいなんだろうと思って、仮に流速を1mm/秒=0.001m/秒として計算してみたら、流量は0.0071㎥。

 

いまいちピンとこないのでℓに直してみます。

1㎥=1,000ℓなので、0.0071㎥=7.1ℓ!

 

ただの理論上だけど、毎秒7.1ℓ流すと、たったそれだけの量で直径3mの導水管の中いっぱいに水が満ちて1秒間に1mm流れる(というか進む)。それより重力の方が勝ちそうだけど。発電所や放流口の形状にもよるか。

 

波

 

見学会①の記事にも書いたように、河川維持のために最低でも2.5t/秒流しているので、そのときは(この日のように)導水管の中を35cm/秒くらいの速さで水が流れているということですね。

 

河川維持もあるし、発電のタービンを回すためにもある程度の量が必要ですものね。

 

最後の最後に、最近うっかりミスが多くてですね、計算も間違ってそうなので、鵜呑みにしないでください。間違っていたらごめんなさい。