「なるたけ早く」と言った2回目記事がこれだけ遅くなってしまいました。。夜勤があると、夜勤前はなんとなく寝ないと持たない気がするし、夜勤後は頭がぼんやりしていてはかどらないので、平日だけ9時から働いていたときよりブログの更新頻度は下がりまくり・・。あ、でもときどき更新は前からだから、変わってないかもしれない。スミマセンショボーン

image

 

見学会報告ブログ第2回目は天端からのレポートですっ!

 

前の記事はコチラ↓↓(別ウィンドウで開きます)

夕張シューパロダム見学会① 下流・出会い橋からの見学と解説

 

出合い橋の上から夕張シューパロダムを眺めつつ、ダムの機能や構造、役割について解説を受けたあと、再びマイクロバスに乗って移動。

 

右岸の狭い、雑草が生い茂る間を進む管理用道路をのぼって、天端へやってきました。

前回の記事にも書きましたが、夕張シューパロダムは近くて遠かった。私がダムにはまってからは、管理棟までの道が閉鎖になっており、この堤体の上には全く近寄れなかったのです。見学会はあったのですが、仕事との兼ね合いで残念ながら縁がなく・・・。

 

なので、天端を走るマイクロバスの車窓から眺めるシューパロ湖の姿に、内心「うおおおおおおお」と雄叫びをあげたいくらいの興奮ですよ。右側に座ったら下流方面一望してそれはそれで興奮したことと思います。

 

さあ、天端に降り立ちます!

 

 

image

△おりたらひとまず下流側を見下ろしつつ眺める!!

 

さきほどいた出合い橋とその左手前に発電所、その左手前に利水放流操作室が見える。

 

(建物の名前なんかは夕張シューパロダムのパンフレットP12で確認しています)

image

 △ブログを書く上で設備の名称を確認できるの助かる。「取水塔」、堤体にくっついてるやつは「取水設備」呼びなのかと思ってましたがこちらには「取水"塔"」。それに倣って書きたいと思います。

 

 

 

image

 △空と雲と川とダムと私の指(見切れ)。iPhone超広角、油断すると指写る。

 

 

 

image

 △天端からは発電所の放流はあまり良く見えません。

 

(副ダムの先、く!って狭くなっているのかなりいいですねえ)

 

 

 

image

 △到着してから下流!上流!下流!上流!みたいに落ち着きなかった私。初めてで嬉しかったので。

 

 

 

image

 △取水塔を横から。

 

意匠が素晴らしくて気づきにくいですが、THE!「連続サイフォン式取水設備~」!!!って感じの横に走る管がいい!! そして管の長さが異なるため、長いのから短いのまで直角三角形状に整列している、その斜辺の外側に沿ったコンクリートの段々部分好きです。その段々は均一な段々かと思ったら違うのもフーチングに似ていて萌える。(は真顔

 

この管、夕張シューパロダムのパンフにもある通り、取水管28段と同じ数なのかなと思い、写真をアップにして1、2、3・・・と数えたら、28本+2本でした(下2つは他に比べると細い)。

 

Yahoo!で「夕張 サイフォン」と単語をいれて検索すると寒地土木研究所のデータベースにある論文(→※建設途中の平成22年度のもの)が出てきます。「夕張 サイフォン 給排気 露出」で検索すると別のもの(→※建設開始前のもの)も出てきました。見学会の説明だけでは理解できなかったところを補いたくて検索してみましたが、見ればみるほど面白い!!! いや、読んでも完璧な理解なんてできませんけど・・・(建設開始前と途中なので、最終的なものと異なる可能性もありますね)。

 

さきほどの「+2本」は、任意の水位から取水するための28段のほかに、「緊急時の水位低下を目的とする2段がある」とあったのでそれの管なのでしょうか。

 

リンク先の論文にも載っているし、見学会終盤に訪問した管理棟内の資料(下記掲載)にもありましたが、

image

△選択取水管28段のほかに(というか下に)、「低部取水管」ってあるよ!!!!!

 

夕張シューパロダムは、農業かんがい用水を提供する役割を担っており、そのため冷たい水ではなくてそのときの水位に応じた表面の温かい水を取水して下流に流す必要があります。

 

だから、表面あたりの水位を選択して取水する機能が必要なわけだけれど、それとは別に、これからめちゃくちゃすごい大雨が降る予定です、できるだけ大雨をため込む必要が出てきそうです、ってなったら低い水位まで水を減らさなくてはならないわけで、そのために低部取水管があるわけですよね。かんがい用の水位からはけっこう低い位置に!!

 

だとして外に見えている管が2本だけ細くても事足りるのかは気になります。

 

あと、建設途中の論文を見ると、給排気管は露出構造から、(凍らないようにする暖房のコストをカットできる)埋没構造に変更したと書いてあり、「え、じゃあ、現在の夕張シューパロダムで実際に目に見えている管はなんのだったけ・・・」とちんぷんかんぷん中です。水位計管が露出、吞口空気管が埋没と論文内にあるので、目に見えているのは水位計管なのかな?って思うんですが、右岸側にある管が空気入る側、左岸にある管が空気出る側という説明をしていらっしゃったような・・・。ただ諸元に載っている情報だと、水位計管(露出)が150A、吞口空気管(埋没)が300Aって書いてあるので、ちょうど直径15センチくらいだったし、やはりあれは水位計管なのかなと思ったり・・・。次にこういう機会があれば確認してみたいです。(いつものことながら疑問も垂れ流してすみません)

 

もう1つ管理棟内の資料から。

image

△この写真!横から撮った写真がない・・・

 

管理棟は最後の最後にトイレ休憩的なスポットだったので全く時間がなかったのです。私はトイレには行かずに目に映るすべてを目に焼き付けるか撮影していましたが、ああ無念、サイフォンは取水口正面からしか撮影していませんでした。多分横は単純に逆Vの字なんでしょうけど、、

 

11月になったら管理棟まで行けるようになると仰っていたので管理棟目当てで行かなくてはです。

 

既出論文内にある取水設備諸元内に、

取水管

取水口寸法:幅10.000m、高さ1.500m

取水管寸法:幅10.000m、高さ0.750m

ってありまして、幅と高さってなんだよ?と思いまして、だって管って筒状でしょ?筒って断面は円とは限らないのどうなの?って疑問が止まらない!!(笑) だから上の写真の模型をじっくりじっくり見たいのです。あらゆる角度から奥をのぞき込んで!!!管理棟行きたい!

 

 

 

image

△紅葉もほのかに始まっていました(2019年9月29日時点なので、1週間経った今はさらにきれいになっていることでしょう)。

 

 

image

△もう少し季節が進んだら綺麗だろうなあ。

 

こんな感じで写真を撮っていたら副署長さん「そんな中途半端なところから撮ってないで~!!」と呼びかけ。

 

中途半端って!!天端に初めて立って、今この瞬間しか見れない景色を撮影してるのに!!!どういうこっちゃ!とか思っていたら、

 

なんとですよ、

 

さきほどまで天端から眺めていたサイフォン関係の配管が通る取水塔のその上(普段は施錠されていて天端が開放されているときだって立ち入れないところですよ?)に入っていいですよ!と。

 

image

image

△普段施錠されている扉が開けられ、INします!

 

 

image

△下(出合い橋)から見たらあんなに小さかった、洪水吐大きいでしょーと。

 

写真奥側にある大きい洪水吐が常用、手前の小さいのが非常用。それぞれの高さが7メートルと3メートル。幅はどちらも12.5メートル。大きいけれど大きさの感覚が麻痺するというか、サイズ感がよくわからなくなります。

 

実際に上から見ても、常用洪水吐の水位から水が溢れ(流れ)続けても非常用洪水吐の水位に達する流入量というのが想像できない。

 

 

image

△これも数えたら30個ありました(写真手前が切れているかも)。

 

 

image

△普段近寄れないと思うとなめるように観察&撮影ですよ。

 

 

image

 

 

image

△下をのぞき込む。一瞬クラっときそうな高さです。

 

 

image

△何か不明でありますっ!!

 

 

image

△左岸側の非常用洪水吐。

 

 

image

△大雨きても大丈夫ですね(水位)。(逆に河川維持、農業用、上水道用、発電用の水が足りるか心配しなきゃいけないのか!)

 

 

image

△取水塔の上にはこんなハコが。

 

見学者の方がドアの窓に張り付いて写真を撮っているので、なるほどたしかにと思って私も撮影。

 

 

image

△なんでしょう、制水ゲートをあげさげするワイヤーなのかしら。

 

 

(反射しちゃうなーと思って、)

image

△窓にベタづけして超広角で撮ったら綺麗に写りました♪ 超広角の威力を実感しました。

 

(iPhone 11 Pro Maxに機種変更して4日目? これだけの被写体を目の前に初めていろいろ試して興奮しているのでお許しください)

 

 

image

△シューパロ湖。

 

三弦橋は再び水没してしまったとはいえ、稀な低水位には変わりない。上流をじっくり見てみます。

 

 

image

 

image

△望遠はまだまだなクオリティ・・・。

 

 

image

△管理所が見えると撮ってしまう。

 

ダム湖面には巡視艇も。

 

インクラインを探すが見つけられない。梯子みたいなのはあるけどまさに梯子。

 

 

image

△管理所や巡視艇(の船着き場)を撮っていると写り込んでしまう右のやつ。これ、なんだろ?と思っていたら、副所長さんから解説がありました。

 

冬になったら結氷してしまうシューパロ湖。凍ってしまったら取水できなくなってしまうので、取水するために凍結防止装置がありますと!

 

寒冷地のダム湖は表面が冷えて凍るけど、深いところの水温は温かいので、深いところから①ミキサでor②コンプレッサの空気(圧力気泡)で、温かい水を水面に上げて凍らないようにする。シューパロは①の水中ミキサ方式。

 

 

image

△なんだこれと思ってたの凍結防止装置だったんだ!!!

 

 

image

△拡大するとプロペラ?スクリュー?ミキサ?があります。これが適度な水深まで下がって回転すると、深いところの温かい水を押し上げて水面が凍らないようにするわけですか!!

 

 

image

△下に伸びるはレール的な!!

 

 

image

△上にあるかまぼこ状のところにはワイヤが巻き付くローラー部がありそうなので、ワイヤがのびればレールに従って降りていくのかと・・・。単純だけど知らなかったのでなるほどです。

 

 

image

△堤体にくっついた四角い取水塔の上流面に2つ、凍結防止装置がついていて、左岸側・側面と右岸側・側面それぞれ1つ装置がついていました。(そのほかもうひとつ内部にあるとのこと)

 

 

image

△側面のミキサ、よおおおおおおく見ると少し堤体側に傾いているのが興味深いです。

 

 

そんな感じで天端編レポート終わります。

 

サイフォンについて調べ始めたら奥が深いし、凍結防止装置について調べても奥が深くて、ダムの世界の奥深さを知りました。いろいろな技術が生み出されていてすごい。

 

今回はただ初めて天端に立っただけではなく、取水塔の上に立てたことと、凍結防止装置について知ることができて良かったです。

 

いや、冬のダム見学はしたことがあるので(主に今年の3月)、取水塔の周りだけ凍ってないなあすごいなあ、どういうことなのかなあとは思っていましたが、勝手に「その辺りにお湯を放流して凍らないようにしてるんだろうな」と思っていたので、単に水深の深いところ=温かいところの水を上にあげて凍らないようにしていることに驚いたし感心しました。(お湯を流し続けるよりも単純=コストがかからないもんな・・)

 

ただ、自分が見学した冬のダムについて、これが「水中ミキサ式」凍結防止装置のある取水塔ですよ~って言おうと思ったら、それぞれのダムが(論文をのぞいて)自分のダムの凍結防止装置についてわざわざ公表(広報)していなかったりするので、今いちはっきりしませんでした。これから勉強したいと思います!!

 

以下は2019年3月に天皇陛下(現上皇陛下)御在位三十年記念ダムカード収集のためダム巡りした際に撮りためた冬の取水塔(凍結防止具合)の動画(もしくは画像)です。※Twitter貼り付け。

 

放流などの動きが少なかったのもあるし、取水塔付近の水面の動きが好きなのでいろいろ撮っていました。そもそも取水塔が好き(できれば堤体から離れているやつ)。

 

冬に行っていろいろ撮っていて良かった~~~~~~!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

札内川ダムは明らかに空気がぶくぶく出てるので、これは水中ミキサではなくコンプレッサによる圧力気泡方式なのかなあと思いますが他のダムはよくわからない。スクリーンの中で良く見えないせいもある。