付記(2011/07/22):神田橋先生のご著書、 kyupin 先生とサイコドクターS先生のブログを並べて、気づくことは「トレドミンが合う人はあんまりいない」。それでも、患者によってはトレドミンを勧められるから服用した人が皆無ではないわけで、「合う人には合う」とは、どういうことか?——が、ず~っと疑問で、今も疑問です。どうやって見分けるのでしょうか? これは、まさしく “physical event” であり、うつ状態の解釈やアプローチ(気功が入っているとかいないとか、 PTSD として言語的アプローチを重視するとか)に依存性がない点でサイエンスになる部分のはずです。あと、トレドミンを服用し始めたとき、私は胃腸障害は出ておらず、汗がちょっと多くなったかな~程度の副作用で、主治医には報告しませんでした(← そんなこと、どうでもよかった。起き上がってご飯を食べる気力さえ乏しい状態だったのが活動できるようになったので、感謝感激雨あられである。あのまま自然治癒に任せるとか言って放置していたら、愛に溢れる(?)夫の元で衰弱死していたかも?)。
付記(2011/11/04):愛があるかどうか議論しても意味がないと私は思う(←「探すのをやめたとき愛は見つかる」と言うヒトまでいる(http://ameblo.jp/aya-quae/entry-10603967812.html)くらいなので)が、そういうことは別にして、「死んでしまうと治ったかも知れないものも治らない」というのは常に真ではなかろうか(参考→ http://ameblo.jp/kyupin/entry-10029695932.html つまり「命あっての物種」——2012年4月16日追記)。
付記(2011/04/28):トレドミン(ミルナシプラン塩酸塩)は合う人が多くないけれども、合う人には合うという話に関連する資料 ↓
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の抗うつ効果を予測する
> セロトニン・ノルアドレナリン再取り
> 込み阻害薬(SNRI)であるミルナシプラ
> ンと選択的セロトニン再取り込み阻害薬
> (SSRI)であるフルボキサミンという、
> 直接的標的分子が同一ではない抗うつ
> 薬のいずれにおいても、BDNF
> G196A多型のG/A遺伝子型が良好な
> 抗うつ効果と関連している可能性が示
> された。
社会技術研究開発事業
研究開発領域「脳科学と社会」
研究開発プログラム「脳科学と教育」タイプⅡ
研究開発プロジェクト「非侵襲的脳機能計測を用いた
意欲の脳内機序と学習効率に関するコホート研究」
www.ristex.jp/result/brain/program/pdf/fin_watanabe.pdf
昨日、このエントリを書こうと思い立ち、それに先立って「トレドミン」が入っているエントリを機械的に「テーマ:トレドミン(ミルナシプラン塩酸塩)」にまとめたところ、あんまり関係ないエントリまで混じって、あんまりテーマで通読しても意味がない状態になっております。すみません。時間があれば追々整理します。
2016年6月15日追記:
https://twitter.com/franoma/status/742964341201358849
『#MR #情報 、原則単剤…』 http://amba.to/1UbKGPJ 「kyupinみたいに意識的に「#ロケット処方(2剤併用カクテル処方)はOK」と #嘘 ついてるのじゃなくても、「原則単剤」を #否認 して「2剤までならいい」と思い込もうとしてる連中がいるんだ!」
これは問題ですね、もう転帰が悪いと実証されているのに。
拝読ブログのエントリ
うつ病治療法 『カリフォルニア・ロケット』
http://usmletoer.exblog.jp/14486913/
> うつ病の治療法の一つに、カリフォル
> ニア・ロケットというのがある。
> これは、SNRI(トレドミン、サイ
> ンバルタ)にNaSSA(リフレック
> ス)を併用するというもので、
> やたらと効果が良いのだと、トレドミ
> ンの会社の人から紹介された。
> まだ日本ではあまり認知されていない
> 治療法のようだ。
付記(2011/04/05):上掲の拝読ブログから以下の部分
> さて、このカリフォルニア・ロケット
> に関しては、今後、
> 難治のうつ病患者さんに対してちょっ
> とずつ試して行きたい方法だ。
> ネーミング的には、躁状態にまでぶっ
> 飛びそうで怖い気もするのだが……。
は書いておくべきでした。「景気よく持ち上がっても落ちてきそう」などと言うより、確かに躁転のほうが危ないかも。とはいえ、
「いずれにせよ、一回浮上しないと話にならない」
http://ameblo.jp/kyupin/entry-10093213067.html
という病前性格の人ならば、「難治のうつ病」でなくても、まず非力で躁転しにくいというトレドミンを試して、それで、どうにも持ち上がらなければ後からリフレックスを足すという順序にすれば安全そうです。何か、直近の元主治医が賢く見えてきました(← 素人の患者の分際で、失礼千万……)。
付記(2011/04/15):拝読ブログのエントリ
リフレックス発売準備中
http://ameblo.jp/kyupin/entry-10296603928.html
と、そのコメントも併せて読む、と。
付記(2012/04/16):上述の拝読ブログは、
http://psichiatra.blogspot.jp/
にお引っ越しなさったので、同様のエントリがあるか、探したのだが、なかった。どうも、「カリフォルニアロケット燃料」は、↓ 理屈としては良さげだ(可能性を感じさせる)が、試してみたら、そうでもなかったのかも知れない。ほかの組み合わせで「○○ロケット燃料」(http://bit.ly/HYVw0i)いろいろ、あるようだが、私個人の与り知らないことだ。こうした模索は、将来も常に、誰かによって続けられてゆくだろう。
とあったので、ちょっと検索したら、
カリフォルニアロケット燃料
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-ff97.html
というのがありました。
> 先日のストール先生の講演会。ミルタ
> ザピン(レメロン、リフレックス)に
> ついて聞いてきました。ミルタザピン
> の使い方としてSSRIやSNRIで治療さ
> れている方に、上乗せすることを提案
> されていました。他の薬剤が奏功して
> いない中、ミルタザピンを試みようと
> 思うと、まずは上乗せになるハズ。
>
> 講演の中でSNRIやSSRIとの併用につ
> いて触れていました。彼が書かれた教
> 科書「精神薬理学エセンシャルズ」で
> は、SNRIとの併用について「カリフ
> ォルニア・ロケット燃料」と呼んでい
> ました。SNRIでセロトニンとノルア
> ドレナリンの再取り込みを阻害した上
> で、ミルタザピンで抑制解除するコン
> ビネーション。それが理論上、非常に
> 強力だと言うのです。アメリカでは
> SNRIと言えばベンラファキシンです
> が、日本ではミルナシプラン(トレド
> ミン)が良いのでしょう。
>
> エビデンス自体はまだあまり無いよう
> ですが、それでもうつ病のさらなる治
> 療の可能性を期待させます。あまりに
> 沢山の抗うつ薬を併用する中にミルタ
> ザピンを加えてしまっては変なことが
> 起こりかねません。セロトニン症候群
> のリスクも高まるハズ。しかし、薬剤
> を整理した上で併用すれば、難治性う
> つ病の克服に対するひとつの武器にな
> りそうですね。
↑ 危ない、危ない——かも知れないので、私が勝手に下線を引きました。
"Californian Rocket Fuel"
でググると、現時点では約 3,340 件ヒットします。
カリフォルニア・ロケットって、あんまり縁起がいいネーミングとは思いませんが。カリフォルニアと言えば、あれでしょ、電力供給不足で時々停電 (blackout) してもいいから電気は安いほうがいいという、日本人からすると「ちょっと、それは……」と思うようなことを言う人がいるし。だいいち、ロケットは打ち上げるときは景気がいいけれど、あれ、必ず落ちてきますぜ?——そんなんでいいのか?——というネーミングですよねえ。「落ちてきたら、どうすればいい?」と聞いたら、カリフォルニアの人なら「落下地点を確認して回収し、再度、打ち上げる」と言いそうです。それでいいのか?——は判断しかねます。
2011/11/02 追記:米国ではカリフォルニアに限らず「再発論」が問題にされない話が、中井久夫(著)『世に棲む患者』にも出てくる(p. 275)。この書籍については拝読ブログにご紹介(http://usmletoer.exblog.jp/14793831)があった。その抜き書きの一つ
> (二宮尊徳が)村を立て直すというと
> きに本当に村が立て直ったというのは、
> 二宮という人が村の立て直しにタッチ
> したというようなことは忘れてしまっ
> て自分たちの力で村を立て直したんだ
> というふうに思うようになったときに
> 初めて再建できたんだということを書
> いている(中略)まさに精神科医ある
> いは一般に医者というものと同じだな
> と(以下略)
は、私も、まさしく子育ても同じだと考える。親が子どもの成長に関与したことを子どもが忘れてしまうことなく「ママがいたからボク、生きてこられたんだ。一人になったらやっていけない」と不安に思うようだと、子どもはまだ十分に育っていないことになる。まだ生きているのに「草葉の陰で見守ってね」と言われるくらいで丁度いい。草葉の陰で見守っているのは、コロボックルとかアリエッティであって、要は子ども本人の自然治癒力なんだけど。それにしても、野良猫みたいなヒトを飼い猫に躾けするように期待されちゃうんだな~上品な現代日本では。突き詰めると、率直に言って、それだったら去勢しないとダメだよ——という話になるんじゃないのか? なお、上掲書に出てくる「探索行動」も子どもが親から離れていくときの行動にそっくりだと私は感じた。
おまけ。http://USMLEtoER.exblog.jp/15849038/ にご紹介の本は私は読んでいないが、「入院させなければいいんだ」「精神科病院入院がなければ弾圧されない」という考え方では問題の解決にならないことを示唆する箇所が抜き書きされていると思った(← 私個人の勝手な感想)。
2016年9月4日追記:
http://USMLEtoER.exblog.jp/ ブログ主さまは、お引越しなさり、今は、
http://psichiatra.blogspot.jp/2016/09/blog-post_2.html
こうした記事をお書きです。PTSD否認のままらしいので、こういう記事になりますね。サリバン先生が声のトーンによって、患者さんに悪い暗示を与えないようにしようという…そういう話ですが、もう一歩も二歩も進んで、患者さんの声のトーンによって中核トラウマを聞き取れるようになるまで臨床経験が必要ということです。まだ若そうな精神科医であらせられますので健闘をお祈りする次第です。
なお、カリフォルニア・ロケット燃料は、米国でも日本でも試してみて(転帰研究から)「あれはダメだ」という結論が出ておりますので、さっさと反省して、同じ轍を踏まないことが大事です。
「反省しない」というより「反省できない」精神機能の障害があるkyupin医師は治りません。
先ほど、ツイート
https://twitter.com/franoma/status/772211299019214850
しました。
参考:
『植松聖診察医と100人の仲間たちの「師」、PTSD否認=薬漬けkyupinがさっそく不正否認』
http://ameblo.jp/phantom-nightmare/entry-12196591205.html
皆さまも、お大事に。