アジアより被害甚大の欧米、懸念すべき黄禍論の台頭

4/11(土) 6:01配信

JBpress

 

アジアより被害甚大の欧米、懸念すべき黄禍論の台頭

 

グエル公園から見たスペイン・バルセロナの市街地。人口10万人当たりの新型コロナ感染者と死者はスペインが最も多い 

 (川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)

【表】世界各国の人口10万人当たりの新型コロナウイルス感染者と死者

 米国のジョンズ・ホプキンス大学が世界各国のコロナウイルスの感染状況についてデータを公開しており、日本のマスコミの元データになっている。このような膨大なデータを短い時間に集めて公表する能力は他のどの国もない。そこに米国の底力を感じないわけにはいかない。米国と覇権を争っている中国でも無理だろう。もっとも中国がデータを集計しても世界の人々はそのデータを信用しないと思うが(笑)。この一事をとっても、中国が米国と覇権を争う国になれないことは明らかだ。

 このデータを使って人口10万人当たりの感染者数について考えてみたい。下の表に東アジア、東南アジア、それに欧米とオーストラリアの値を示した。

■ 欧米よりも極端に少ないアジアの感染者

 人口の10万人当たりの人数を計算してみると、改めて見えてくるものがある。第一にはアジアに比べて欧米での感染者が極端に多いことである。

 最も多いスペインでは人口10万人当たり332人もの感染者がいる。つまり1000人の中で3人が感染している。その他でもイタリアが231名、フランスが170名などとなっている。米国の感染者数は世界で最も多いが、人口も多いために10万人当たりの感染者は131人に留まる。

 欧米に比べてアジアの感染者は著しく少ない。この表にあげたアジアの国々の中で最も多いのはシンガポールの29人、それに韓国の20人が続く。日本は4人である。

 死者について見てみよう。10万人当たりの死者が最も多いのはスペインの33.2人である。それにイタリアの29.3人、フランスの16.3人が続いている。米国の感染はヨーロッパより2週間から3週間程度遅れて始まったために、現段階では4.5人である。

 アジアで一番多いのは韓国の0.4人である。中国は初期に多くの死者を出したが、人口が多いために10万人当たりの死者は0.2人でしかない。日本は0.1人に留まっている。

 日本の人口10万人当たりの死者の数は著しく少ない。この表に挙げた中で日本より少ないのは台湾、タイ、ベトナムだけである。スペインの死者は日本の445倍、イタリアは392倍、米国でも60倍になっている。

■ PCR検査は広く行うべきか

 日本でPCR検査が少ない問題について考えてみたい。韓国は徹底的にPCR検査を行なっており、日本もそのような措置を講じるべきだとの意見がある。実際に韓国は徹底的なPCR検査を行ったために感染者数が日本より多くなっていると思われる。その韓国で死亡率(死者数/感染者数)は1.9%である。

 一方、日本の死亡率は2.0%であるが、両国の医療水準を同じと考えると、日本はPCR検査が少ないために感染者数が少なくなり、その結果として死亡率が高くなっている可能性がある。もし、日本の死亡率が韓国と同じであると仮定すると、日本の感染者数は4880人になる。現在のPCR検査の頻度でも韓国とそれほど変わらない感染者を発見していることになる。

アジアを見ると1つの事実に気が付く。それは中国との関係である。ベトナムはこれまでのところ死亡者が出ていない。これは中国における感染の初期段階で中国との交流を徹底的に絶ったためと思われる。中国からの団体観光客を旅の途中であっても中国に送り返すことまで行った。その歴史からベトナム人は中国を徹底的に嫌っており、そのような国民感情を背景にしてこのような強硬な行動に出たと思われるが、今回はそれが功を奏したようだ。また台湾の現政権も反中スタンスをとっており、ベトナムに似た強硬な措置を講じた。それが感染の拡大を防いだと思われる。

 韓国は徹底したPCR検査を行ったことを誇りに思っているようだが、中国からの渡航者を長い間受け入れた結果、死者数を増やしたようだ。

 これまでのところ、日本における死者は奇跡と言ってよいほど少ない。それは、国賓として招く予定だった習近平に遠慮して中国からの渡航の制限を長い期間行わなかったが、ベトナムや台湾と同様に日本人の中に中国人との接触を避けようという気持ちが働いていたからかもしれない。

■ 欧米で黄禍論が沸き起こる可能性

 ただ、このようなアジアの中の差異を議論することは、アジアを欧米と比較した時には誤差と言ってもよい。新型コロナウイルスの問題を議論する際に最も重要なことはアジアと欧米の違いである。表を見れば解るように、欧米の感染はアジアとは桁違いである。

 BCGの接種がこの違いに寄与しているとの説がある。ポルトガルはヨーロッパでもBCGの摂取を義務付けているために感染者数が少ないとされる。確かに隣国であるスペインに比べれば感染者数、死亡者数共に少ない。だが、それでもアジアに比べれば1桁多い。同じBCGを接種していないオーストラリアの状況がシンガポール程度であることを考えると、BCGだけが原因とも考えにくい。オーストラリアが夏季であったことも感染状況に関連していそうだ。

 いずれにせよ、この問題におけるアジアと欧米の違いは明白である。新型コロナウイルスの感染が中国で発生したことを考えると、この問題が一応の収束を見た後に欧米で黄禍論(欧米にはそのような土壌がある)が沸き起こる可能性がある。

 もちろん政府や識者はそのような偏見を否定することになろうが、民衆の心に黄禍論が台頭することは必至と思う。それは様々な形で噴出することになろう。日本の立場は微妙なものになる。それは欧米人から見れば中国人も日本人も同じように見えるからだ。

 欧米の民衆の間でグローバル化に対する拒絶反応が沸き起こる可能性がある。その行方を今の時点で見通すことはできないが、この問題がこれまで続いてきたグローバル化にとって逆風となることは確実である。新型コロナウイルスはアジアと欧米の間に様々な形の溝を作り上げる可能性がある。

 22世紀の歴史の教科書は、2020年におきた新型コロナウイルスの蔓延はそれまでの世界を大きく変えた出来事であったと記載することになろう。

川島 博之

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2020年4月11日現在、上記記事にある様に国際的に俯瞰して日本での死者が少ないのは

ひとえに日本の医療関係者の努力とレベルの高さに敬服するばかりである。

こうした世界的な非常事態が発生すると「民度」というか国のレベルが明瞭になる。

これから感染被害が激甚なものになりそうなアフリカなどの途上国では、

人々がパニックになり、およそ秩序立った行動とは無縁な映像が報道されている。

 

もし、日本がこれほど命よりも経済優先の感染症対策で、感染爆発をさせずに

ピークアウトを達成し、新たな感染者が検出されない状態に出来たら、これは

本当に国際的には「奇跡」であろう。また、日本人のレベルが試されている時だろう。

 

同時に、これで今必死にもがいて甚大な被害を出している欧米が国力弱体して

火元なのに「俺のところは、早く完全消化出来た」とする中国とユルユルで

財政出動をせずに、それほど国庫を傷めず切り抜けた日本は、実に腹が立つ存在だろう。

 

だから、何かにつけて無理難題やバッシングをされる懸念が増加するだろうし

欧米アングロサクソンには、アジア系は全てウイルスに見えるという偏見が

国の弱体化、パワーバランスの変化と共に激化する可能性がある。

 

そうなると、ウイルス禍以前の様に「ダイバーシティ」が大事と日本企業が

主張し続け、そうした公平、透明、寛大な行動をとり続けらえれるだろうか。

このウイルスは、そうした全ての「仮面を暴く」存在になりそうだ。

私たちは、もっと世界に目を向け変化を肌感覚で認識していく必要がある。

 

 

 

 

 

 

「テレワーク中に出社4割 

経理財務の在宅勤務阻む紙の壁

4/8(水) 8:05配信

日経BizGate

 

「テレワーク中に出社」4割 経理財務の在宅勤務阻む紙の壁

 

オフィスにテレワーク中を示す張り紙をする人もいる 

新型コロナウイルス感染の急拡大で政府は4月7日、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を表明する。首都圏などの企業の活動は、8日から5月上旬までは在宅勤務が中心となる。しかし、2、3月にテレワークを経験した上場企業などの経理・財務部門幹部の4割は在宅勤務では業務が完結せず途中出社していたことが明らかになった。営業とは違い、比較的在宅勤務に馴染みやすいとされる財務関連でもペーパーレス化が進まず、完全なテレワーク態勢は難しいようだ。各企業とも社内デジタル化の遅れを補いつつ、今回の「緊急事態」に臨むことになりそうだ。

紙のデジタル化、テレワーク実施の36%

日本CFO協会(東京・千代田)は3月18日から4月3日まで、上場企業の財務最高責任者ら経理・財務幹部577人にオンライン上で「新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響に関する調査」を実施した。従業員規模は5万人以上が11%、5万人未満5000人以上が22%など500人以上の企業が71%。回答者の役職は役員16%、部長24%、課長29%と課長以上で69%を占めた。新型コロナの感染拡大が始まった2、3月には約7割がテレワーク勤務を実施したという。しかしその中で41%が「テレワーク実施中に出社する必要が発生と回答した」と日本CFO協会の谷口宏・専務理事は説明する。

出社の理由は「請求書や押印手続き、印刷など紙データの処理」が1位を占めた。さらに「会議への参加」「銀行への対応」などが続いたという。テレワーク態勢に入った企業は、社内システムのアクセスやパソコンの持ち帰り、オンライン会議のツール整備などの状況を判断して実施を決めたという。それでも「紙の書類のデジタル化に対応できている企業は36%にとどまる」と谷口氏。

財務関連はテレワークに最も適した業務のひとつとみなされていた。営業担当者のように、頻繁に外部の取引先との商談を交わす機会は少ない。しかし企業社会に根付いた紙の文化のしぶとさが普及への障壁として浮き彫りになった。

 

「デジタル化対応できず」でテレワーク断念77%

一方テレワークを実施しなかった残り3割の企業では、理由として「請求書や契約書など紙の書類がデジタル化に対応できていない」が77%(複数回答)を占めた。続いて「テレワークを想定した社内ルールや試験を経験していない」は66%、「銀行や監査法人、税理士らとのリモート対応ができない」が59%と続いたという。

取引先から紙の請求書などが送られれば対応せざるを得ないという答えが目立ったという。同協会の中田清穂・主任研究委員は「押印のデジタル化が必要と感じていても、具体的にどの程度のコスト削減につながるか経営幹部に説明できないとするケースも少なくない」と分析する。その一方で、自然災害など緊急時におけるテレワーク態勢の必要性を96%が感じており、特に69%は「非常に必要」と回答している。平常時でもテレワークの導入・促進についても75%が「やるべき」としている。

日本CFO協会は「財務業務に関しては、テレワークを進める上での課題が個々の企業に明らかになった」(中田氏)と分析している。同協会は生産性向上ための経理・財務業務のデジタル化を促していきたいとしている。ただ今回の非常事態に対するには、時間的な限界がある。外出の自粛は要請するものの強制ではなく、交通機関も通常通りに機能する。各社はテレワークと社員の出社をどう組み合わせるか、感染状況をきめ細かくみながら対応することになりそうだ。

同協会では新型コロナの決算・財務業務への影響についても調査した。決算で75%、財務で71%が「影響あり」と回答した。決算関連では「海外拠点・子会社からのデータ収集の遅延」「連結決算、監査対応の遅れ」「業績悪化や将来予測が困難」などが挙げられたという。大手でもTDKやコマツなどが相次ぎ決算発表延期を決めている。財務面への影響では「有価証券の評価減」「資金計画や調達」が上位を占めた。

(松本治人)

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新型コロナウイルスによるパンデミックは、目に見えないウイルスとの戦いだが

人間の世界の普段見えない部分を明確に見えるようにしているように感じる。

 

例えばウイルス感染に依る死者が1万人を超えたアメリカ。急激な感染と死者増加

にアメリカが抱える貧困格差がどれだけ酷く根深いものかを象徴している。

 

日本では、緊急事態宣言発令まで騙し騙しダラダラと会社への通勤ありきで

通してきた企業のテレワーク・リモートワーク実力テストに突き当たり何と

出来ないという組織が上記記事の通りの体たらくだ。

 

既に金融機関や税務関連、監査審査段取り・レビューなどをリモートで

こなしている私には信じがたい状況だ。どこの組織でも「判子第一主義」

「原本至上主義」が絶対という方がおられるのですが、そういう方に限って

ITリテラシーが乏しい、今までこれで業務が回っていたのだから変更不要という

進化を停滞しているケースが多い。こういう組織は絶滅していくのは間違いない。

 

少し前に某コンビニエンスストアがキャッシュレスサービスを展開し始め

その直後にシステム脆弱性が露呈し、企業側が事情説明した際にスマフォの

「2段階認証」を知らなかった事が話題になった。絶句である。

 

つまり、そういうシーラカンス・サラリーマンが経営や人事権を発動している組織が

刻々と変化する時代に即して進化出来る筈がない。進化を怖れ守りに入っているだけ。

 

特に自然災害も多く、そうでなくても猛暑や大雪に弱い大都市の満員電車での

ラッシュアワーは、果たして必要なのだろうか?環境負荷を高めているだけ?

テレワークやリモートワークに必要なシステム構築やその為の予算措置を組まない

組織が、継続的・長期的に質の高い人材を採用出来るであろうか?

 

新型コロナウイルスのパンデミックは、過去の歴史から短期収束するとは考えにくい。

そして人間の歴史は、感染症との戦いの歴史そのものであり、その中から様々な発明

や発見、絵画や文学作品といった文化が生まれた事も分かっている。

 

感染症は、非常に恐ろしい存在だが同時に人間にとって「進化する為のメルクマール」

になっている事も真摯に見つめ直す機会にしたいものだ。

 

 

◆日本を襲った"新型コロナ・ウイルス">新型コロナ・ウイルスのパンデミックで思い出すのは横浜南郊で酒屋をやっていた祖父が一九一八年(大正七年)の秋にスペイン風邪に感染して死にかけたという我が家の言い伝えである。店番中に人事不省に陥り、数日間、生死の境をさ迷ったという。村全体で多数の死者が出たことは墓の没年を見れば一目瞭然だと古老が語っていたことを覚えている。

というわけで急にスペイン風邪が気になり書庫から故・速水融氏の力作『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争』(藤原書店 四二〇〇円+税)を引き出して読み始める。二〇〇六年の刊だが、いまこそ緊急復刊されるべき本だ。

日本歴史人口学の開祖の著者は『大正デモグラフィ』(文春新書)を著したときスペイン・インフルエンザ(スペイン風邪)が世界人口二〇億(現在は約七七億)の時代に二〇〇〇万~四五〇〇万の死者を出した最悪のパンデミックであるにもかかわらず、日本語の研究書が皆無に近いことに気づき、執筆を決意したのだ。

インフルエンザの最初の兆候が現れたのは一九一八年春、スペインではなくアメリカ・カンザス州の兵営だった。第一次大戦に出征する新兵たちの間で感染が広まり、死者も出たのだが報道されることもなかった。アジアでもほぼ同時に発生し、日本では夏場所の力士たちが感染したため「角力風邪」という名前がついたという。著者はこうした同時多発性に注目して、渡り鳥が運んだトリ・ウイルスのヒトへの感染が原因ではないかと推測し、この最初の流行を「春の先触れ」と命名する。「春の先触れ」はヨーロッパでは中立国のスペインで五、六月に流行した後、塹壕戦を展開中の独仏両国に広まったため、後に「スペイン・インフルエンザ」と呼ばれるようになる。ウイルスはとりわけ総攻撃準備中のドイツ軍を痛撃した。ドイツ軍を事実上指導していたルーデンドルフはマルヌの戦いの敗戦は新規参戦のアメリカ軍ではなく、インフルエンザが原因であると回想している。

このようにインフルエンザは第一次大戦の趨勢に大きな影響を与えたが、死亡者は比較的少なく、七月頃には消滅したかに見えた。だが、そうではなかったのである。「一九一八年八月後半、おそらくフランス西部(例えば、ブレストなど)か、アフリカ、シエラ・レオーネのフリー・タウンのごった返す港町で、ウイルスは変異した。(中略)インフルエンザ・ウイルスは、世界一周の後、変異し、凶暴化して人類に襲いかかってきたのだ」

しかし、凶暴化はまだ認識されていなかったため、アメリカ東海岸の港では「変異したインフルエンザ・ウイルスに感染した下船患者と、これから大西洋を渡ってヨーロッパの戦線に向かおうとする若者とが交錯することになった」

最初にウイルスが牙を?いたのはボストン近郊のディベンズ基地の兵営だった。「(九月)二二日には兵営の兵士の二〇パーセント近くが罹患し、月末にかけて何千人もの患者が病院に殺到し、医者や看護婦は早朝から深夜まで対応に追われ、ついには彼ら自身罹患してしまう」。一日に一〇〇人もの兵士が死亡し、棺桶もなく積み上げられた。まさに一〇〇年後の現在、武漢やイタリア北部で起こっていることである。上陸したウイルスは、兵営を襲い、多くの兵士が渡航前・航海中に命を落とした。アメリカ軍の第一次大戦の戦没者は約一〇万人だが、その八割がスペイン・インフルエンザによる病死だった。凶暴化したウイルスはとくに若く健康な肉体を好んだのである。感染はアメリカ兵を介して前線に広まり、戦場から帰還した詩人・ギヨーム・アポリネールは感染して休戦の前々日に死亡。「死亡者は通常のインフルエンザと異なり、健康な壮年層に多かった。フランスでは若くして死亡した詩人の名にちなんで『アポリネール症候群』と呼ばれている」

凶暴化した殺人ウイルスは一九一九年の春まで世界中を暴れまわったが、夏になると終息したかに見えた。しかし、またもフェイントだったのである。なぜなら、一九一九年の秋からターミネーターのように蘇生し、致死率を高めていったからである。

著者はこの二度に渡る流行を「前流行」と「後流行」に分け、日本における感染実態の分析に入る。日本には意外にも統計資料がたくさん残されているほか、インフルエンザの侵攻と拡散を如実に示す新聞記事が地方紙に豊富に見いだされるからである。

まず「前流行」は一九一八年九月末から一〇月初頭に始まった。『新愛知』が「日紡大垣工場に奇病発生」と伝え、滋賀県大津の歩兵第九連隊で四〇〇名の患者発生を報じているからだ。工場、兵営、学校がクラスター感染を引き起こし、インフルエンザは都市部から農村部へと広がり、死亡率を高めていった。被害が大きかったのは京都・大阪・神戸で、死者は火葬場の処理能力を超えて増加した。福島県の人口二七六人の農村では六人を残して「全村惨死」。東京では島村抱月が罹患して死亡、女優で愛人だった松井須磨子が後追い自殺するという悲劇も生まれていた。

残存する最も詳細な記録は軽巡洋艦「矢矧」の「戦時日誌」。一九一八年一一月にシンガポールで乗組員の上陸を許したがために艦内感染が広まった「矢矧」は翌年一月に気息奄々で帰還。乗組員プラス便乗者四六九名の九割以上が罹患し、死者は四八名。罹患しなかったのはシンガポールで便乗した巡洋艦「明石」の乗組員で、彼らはすでに罹患して免疫をもっていたのだ。「この第一撃に人々はよくも耐え、大きなパニックにはならなかった。しかし、どこかに潜んだウイルスは、次の出番を静かに待っていたのである」

一九一九年の秋の「後流行」は九州から始まったが、全国的に拡大したのは一二月に入ってからだ。当時、新兵の入営は一二月一日で、兵営内に潜んでいたウイルスが何の免疫も持たない新兵に襲いかかったのだ。「後流行」は東京でも猛威をふるい、一月には毎日三〇〇人近い死者を出し、シベリア出兵でも多数の戦病死者を記録した。

著者は詳細な記録の残っている神奈川県の数字を分析して郡別対人口死亡率グラフを作成し、「前流行」と「後流行」は別のウイルスという説を退けて、次のように結論する。「『前流行』期に死亡率の高かった郡は、『後流行』期には低く、逆に『前流行』期に低かった郡は、『後流行』期に高かったことを示している。やはり、スペイン・インフルエンザ・ウイルスへの抗体免疫の有無が原因と言えないだろうか。そうだとすると、『前流行』のウイルスと『後流行』のウイルスは、同じH1N1型だったことになる」

では、スペイン・インフルエンザにより日本全体では最終的にどれくらいの死者を出したのだろうか? この点に関して、さすがは偉大なる歴史人口学者だけあって資料の数字を鵜呑みにせず、批判的な検討を加えている。すなわち、従来、内務省衛生局『流行性感冒』を典拠に死者は三八万五〇〇〇人と推計されていたが、これは少なすぎるという。
「有効な方法とは、『超過死亡(excess death)』概念の適用である。ここでいう超過死亡とは、ある感染症が流行した年の死亡者数を求めるに際し、その病気やそれに関連すると思われる病因による平常年の死亡水準を求め、流行年との差をもってその感染症の死亡者数とする考え方である」

この超過死亡概念によると「われわれの計算では『前流行』の『インフルエンザ死亡者』は二六万六四七人、『後流行』は一八万六六七三人、合計四五万三一五二人で、この数は、従来言われてきたどの死亡者数よりも多い」

[書き手] 鹿島 茂
フランス文学者。明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。
1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位習得満期退学。現在明治大学国際日本学部教授。
『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。新刊に『日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三』(中央公論新社)、『フランス史』(講談社)などがある。
Twitter:@_kashimashigeru

[書籍情報]『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ―人類とウイルスの第一次世界戦争』
著者:速水 融 / 出版社:藤原書店 / 発売日:2006年02月25日 / ISBN:4894345021
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新型コロナウイルスも、上記の記事にあるスペイン風邪同様に

何度もフェイントを掛けてくるだろう。100年前に比べて

グローバル化が進んでいる事を勘案すると、物凄いスピードで

地球全体に蔓延して、感染連鎖による毒性や感染方法や耐性を

増して、第2波、第3波と波状攻撃をかけて来る事は必至だ。

 

ペストもそうだが、人類に感染が終息したと思わせておいて

一気に大量虐殺を企んでいる存在だ。何故なら誰もウイルスが

完全に無くなる、無い事を証明出来ないからだ。

 

某国のトップが、ウイルスとの戦いに勝った勝利宣言としての

オリンピックなどの国際イベントの開催を目指しているが、

ウイルスを完全に払拭するという事は、感染しても完全に治癒出来る

特効薬とまだ感染しておらず免疫を持たない人の為のワクチンを

その国の国民全体分だけでなく、国を訪れる全ての人を対象に安定して

提供できなければならない。それだけのレベルの開発と生産、供給を

構築できるであろうか?

 

そもそもPCR検査ですら、希望者全てに出来ない状態であり、且つ

マスクや消毒用アルコールですら手に入らない状況であり、

国民に2枚の布マスク提供を頂いても正直言って、

竹槍で遥か頭上の戦闘爆撃機に立ち向かおうという

時代とあまり変わっていない寂しさを感じる。

 

人間が見えないウイルスに対して、検知する事に時間を1〜2週間も

要している間に、ウイルスは秒単位で感染を広げている。これでは

超速射バルカン砲に石器で立ち向かおうとしているのと変わらない。

布マスクが配布される前に、ウイルスの超速バルカン砲によって

蜂の巣にされてしまう。結果、病床数も機材も医師も看護師も絶対

不足し医療崩壊は免れない。

 

上記記事の第一次大戦後の戦後処理にあたり、当時米国のウイルソン大統領

は、当初は穏便な戦後賠償を敗戦国ドイツに行うという考えであったのだが

スペイン風邪に感染し、回復した時は人格も変わってウオール街の意見に同調する。

 

結果、ドイツには天文学的な戦後賠償が課されドイツはハイパーインフレに突入する。

ハイパーインフレになると給料も買い物も紙切れ同然の膨大な量の札束を抱えていき

或るレストランでは人が消えると肉料理が出せるという話もあった程、恐ろしい社会だ。

 

この酷いドイツの状態を世直しして欲しいという特に虐げられた農民層からの票を

集めてナチス党を結党し、大統領と首相両方の権限を得たヒトラーが総統となる。

ヒトラーは、このドイツを復興させるという大義名分のもと金融に精通したユダヤ人迫害と

近隣国への電撃戦で侵攻を開始し、更に悲惨な第二次世界大戦が勃発する。

その戦闘は、最終的に広島・長崎への人類初めての核兵器攻撃という悲劇へと繋がる。

 

歴史は必ず繰り返す。何故なら人間の本質的な思考や感情は、たった数万年のスパンでは

変わらないからだ。せいぜい人間の進化や歴史はその程度なのだ。だからこそ私達は

謙虚に謙虚を重ねて歴史に学び反省し、徹底的な改善を目指さなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

【新型コロナ】米経済崩壊への最悪のシナリオ、これから3カ月で何が起こるのか

4/2(木) 7:00配信

ビジネス+IT

 

【新型コロナ】米経済崩壊への最悪のシナリオ、これから3カ月で何が起こるのか

 

ニューヨークのセントバルナバス病院に設置されたテント。病院のスタッフがコロナウイルスに感染していないか、救急外来に入る前に確認している(Photo/Getty Images) 

 人口800万で全米第1位のニューヨーク市やその他の大都市で新型コロナウイルスが大流行し、感染者数は累計約19万人、死者数は約3900人(米ジョンズ・ホプキンズ大学調べ)を突破して中国やイタリア、スペイン、英国をしのぐ「世界一の新型肺炎震源地」になった米国。各州や自治体が感染拡大予防を目的とする外出禁止令を次々と発令する中、世界一巨大な「米国経済」という列車に急ブレーキがかかる。経済のロックダウンによる失業率は最終的に1930年代初頭の大恐慌時の24%を優に超えると予想される。米議会は国民への現金給付など2兆ドル(約240兆円)規模の過去最大の経済対策法を成立させたが、現時点のデータや専門家の見解では、「医療危機から生じる金融危機」という最悪のシナリオを覚悟すべきかもしれない。

 

●失業率30%へ、「大恐慌」時を超えるか

 トランプ大統領が2016年11月の大統領選挙で勝利してから右肩上がりであった米株価は、コロナショックで「トランプ相場」の上昇分がすべて消えうせた。その後いくらか回復しているものの、ペンス副大統領が主張するような「米経済のファンダメンタルズは依然として強いため、チャレンジを乗り切れば再び大躍進できる」との見方は少数派にとどまる。

 一方で、食料品買い出しなど以外の外出自粛を求められるロックダウン経済が長引けば長引くほど再始動が困難になることを懸念するトランプ大統領は、今年の暦で4月12日に当たる復活祭(イースター)までに経済を再スタートさせたい意向を示していたが、都市閉鎖や外出禁止令の緩和や解除を行えるのは連邦政府ではなく州や自治体であり、米経済の「臨時停車」はまだまだ長引きそうだ(大統領はその後、経済の大部分をストップさせることを意味する「社会的距離政策」を4月末まで延長するとして、方針転換した)。

 そうした中で米議会が成立させた経済対策の効果を見極めるにはまず、コロナ禍による米経済への影響がどこまで悪化するか、米国がイタリアやスペインをもしのぐ新型肺炎の中心地になるか、その中で医療崩壊が起こるか否か、それらの要因の複雑な組み合わせによってどの程度、米経済の再始動が遅れるか、などの前提条件を分析する必要がある。

 経済の失速に関しては、
(1)失業や一時帰休で収入を断たれた者がどこまで増加するか
(2)4月と5月に経済をさらにマヒさせる医療崩壊
(3)失業者や企業への貸し付けが滞る金融危機が起きるか
(4)個人や企業の手持ち現金レベルが毀損(きそん)される中、世界中で急激に縮小する物流などのサプライチェーンの供給網と落ち込んだ需要が回復するまでにどれくらいの時間がかかるか
など多くの相互に関連した要因が絡み合っている。

 まず失業率だが、米国では新たな失業保険の申請件数が3月15日から21日までのわずか1週間で328万3千件と、前週の約12倍増と記録的な急増となった。ミシガン大学のジャスティン・ウォルファーズ教授の試算によれば、この調子で失業者が増加を続ければ8週間後の5月中旬には失業率が1933年の世界恐慌期に記録した米史上最高の24.9%と並ぶという。

 一方、セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は失業率が6月までに30%に上昇するとのさらに厳しい予測を示した。

 同連銀のシミュレーションによれば、製造業や営業、サービス業を中心に6680万人の労働者が失業のリスクにさらされており、その内4700万人が実際に職を失う。この場合、失業率は32.1%という記録的なレベルに跳ね上がる。ブラード総裁はさらに最悪のケースとして、失業率が42%という驚異的な規模に達する可能性さえ公言している。FRB高官の中で最も米経済に楽観的かつタカ派的な見解で知られるクリーブランド連銀のメスター総裁でさえ、10%超の失業率を予想する事態になっている。

 直近の2月において過去50年で最低レベルの失業率であった3.5%から数カ月で一気に10倍近い上昇となり、まさに前例のない不景気となる。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は3月26日に、「米国はおそらく景気後退に突入している」と指摘している。

 こうした中、既存の米失業保険制度では約半年の間、保険金が受領(じゅりょう)できる。また、経済対策法による現金給付も成人1人当たり1200ドル、さらに第4弾や第5弾が放たれるのは確実であるため、一部の労働者は少しの時間稼ぎができる。ただし、失業保険を受給できない自営業者や大部分のギグワーカーにはそもそも生活がギリギリの者が多く、即座に困窮する人が出始めている。

 米国の各産業においても、航空会社やホテルをはじめとする観光業、食品以外の小売、国際貨物、自動車およびその部品、衣料などが最も強い打撃を受けている。経済対策法で救済される予定の業界においてさえも、販売機会の損失や部品調達の困難による生産減少や中断、消費者マインドの大きな悪化などで資金繰りが急激に悪化し、事業継続ができなくなる企業が数週間内に多数現れ始めることが予想される。これが、さらなる失業と信用不安の連鎖を引き起こす可能性がある。

●医療崩壊が、4月と5月に経済をさらにマヒさせる?

 このように急激に毀損される経済の健康を直撃するのが、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、アトランタ、シアトルなど重要産業都市における医療崩壊だ。そもそも病床も人工呼吸器も防護着もマスクも手袋も在庫をギリギリまで抑えて最小限の持ち合わせしかないところに感染者の急増が襲い掛かっており、新型肺炎による死者が爆発的に増加するイタリアやスペインをも超える悲惨な状況になる可能性が高まっている。

 米『ワシントン・ポスト』紙の論説が「医療体制がキャパシティーを超えてしまえば、経済は機能できない」と指摘するように、社会を健康に保つ医療と経済の健康は表裏の関係にある。医療崩壊が起これば労働者や消費者、教職者、学生、生徒や子供たち、高齢者など国民の健康を最適な状態に保持できなくなるからだ。

 医師や看護師などに防護着やマスクが十分に行き渡らない状況の下で、治療の最前線に立つ医療従事者を巻き込んだ院内感染も増えるだろう。医療が機能しなくなれば国民全体の健康を保つことが困難になり、経済の再始動どころか基本的な生産活動やサービス提供が困難になるのである。

 ワシントン大学の研究者の分析予想によれば、米国における新型肺炎の治療でピーク時と予想される4月の第2週(トランプ大統領が米経済の再始動を希望していた週と同じ)には全米で6万4000床の新型肺炎患者用ベッドおよび1万9000台の人工呼吸器が不足する。恐れられていた医療崩壊だ。この供給不足のピークは州によって違うものの、5月いっぱいは各地で続くとされる。

 こうした要因もあり、この先4カ月間で8万1114人が死亡するとされ、そのほとんどが4月に集中する。1日当たりでは2300人が亡くなる計算だ。一方、感染症の権威であり、今の米国で最も信頼されるパンデミック情報の発信者であるアンソニー・ファウチ米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長は、死者数が10万から最大20万に達するとの、より悲観的な可能性を示唆している。トランプ大統領が3月31日に行った記者会見では、大統領自身が「死者は最少でも10万人だ」と述べ、最大死者数も24万人まで引き上げられるなど、日々情勢と予想が悪化していることに留意する必要がある。

 さらに、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策調整官であるデボラ・バークス博士は、「旅行や人の集まりを一切規制しない最悪のシナリオでは、160万から220万人が死亡する」と明言している。そのため、外出規制を実施しても多数の死者が続出する非常時の4月と5月中における経済再始動は、まったく論外なのである。

 ワシントン大学の研究者たちは、6月に入ると1日当たりの死亡者は10人を下回ると予想するものの、4月と5月の経済活動は必要最小限のレベルにまで落ち込むことは避けられない。強気の米経済予想で知られる米金融大手ゴールドマン・サックスでさえ、4月から6月の第2四半期における米国内総生産(GDP)は前年比で24%落ち込むと予想していたが、それを数日でさらに34%の下落に修正するなど、弱気の見方が広まっている。

 トランプ大統領誕生を言い当てた著名投資家のジェフリー・ガンドラック氏は、「米株式市場が4月にさらに売り込まれ、3月につけた『底値』があっさり抜ける」と予測する。また、一部の市場関係者が推す「米経済V字回復説」についても、「ほとんどあり得ない」と斬り捨てた。

 もはや米国において世界最悪レベルの感染率と死亡率による医療崩壊が不可避となった以上、ベストのシナリオは感染拡大が現在のパンデミック第1波のみで初夏には終息し、ワクチンや治療法が予想よりも早く確立されることだ。だが、「集団免疫獲得によりコロナウイルスとともに生きていく」というこの最善の筋書きでも、いったん冷え込んだ経済はすぐには元に戻らない。

 

●失業者の困窮は、現金給付や家賃延納で解決できるレベルではない

 最も信頼できる消費者マインドの調査のひとつであるミシガン大学消費者信頼感指数は3月に89.1と、2月の101から大幅に落ち込んだ。また、米調査企業コンファレンス・ボードが発表した3月の消費者信頼感指数は120.0で、前月の改定値から12.6ポイントも低下している。

 コロナ禍の第1波が米国でピークに達する4月と5月に消費意欲がさらに低下することは避けられない。企業は雇用を絞り込む一方、職や収入を失った消費者、あるいは時差による経済悪化で失業することを恐れる人々の消費マインドは冷え込むからだ。またオンライン売上の急増は、依然として消費の大きな部分を占める実店舗販売の急減を埋めることはできないのである。

 翻って、英調査企業パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミストであるイアン・シェファードソン氏は、「2019年のFRBのデータが示すように、米世帯の40%が400ドルの緊急時用の蓄えさえ持たない。また、昨年のデータでは米世帯の53%が非常用資金をまったく持たない」と指摘しており、多くの失業者にとって生活困窮は1,200ドルの現金給付を受けたり、住宅ローン・学費ローンや家賃の支払いを数か月先にずらしてもらう措置で解決できる規模の問題ではない。

 金融の負の連鎖がドミノ効果となる可能性もあり、予断を許さない。スイスの金融大手UBSのストラテジストたちは、「1兆ドル以上の企業負債が返済不可能になっている可能性があり、レバレッジをかけて資金調達をしている格付けの低い社債や、売上高が10億ドル以下の中規模企業が発行するミドルマーケット債の発行体が倒産の危機にある」との懸念を表明している。

 米格付け調査大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは3月30日、前回の金融危機時の2009年から78%も膨れ上がり、6兆6000億ドル規模に達した非金融セクターの社債に対する見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。

 FRBは金融の流動性確保のための社債の買い支えを始めているのだが、買い上げることができるのは信用度が高く「投資グレード」とされるものに限られ、負債が過度に積みあがった企業の社債は除外される。そのため、FRBの対策や調査企業による格付けの引き下げにより、かえって流動性危機は高まったといえる。

 また、小規模企業の半数は27日を持ちこたえられるだけの現金しか保有していないとの研究がJPモルガン・チェース研究所から出されている。

 こうして5月あたりまでは何とか持ちこたえていた一部企業の資金繰りが悪化し、銀行の貸し渋りや金融機関の相互疑心暗鬼による信用危機が起こって米国内外で金融危機へと連鎖すれば、健全な企業や職を失わなかった人々の雇用まで危うくなり、これから繰り出されるであろう経済対策法の第4弾、第5弾の効果も薄くなる。

 金融危機が起こる可能性としては、いくつかの経路が考えられる。まず、経済対策法の一部である住宅ローン支払いの繰り延べ(延期)について、仮に1250万世帯が6か月間支払いを猶予されれば、金融機関や住宅ローンの債権回収会社を中心に最大1000億ドル(約10兆7346億円)もの損失が生じる恐れがある。

 また、繰り延べ期間終了後には数か月の延期分を一括返済しなければならず、失業者や収入が減少した借り手の多くには不可能な話だ。彼らは債務不履行に陥って差し押さえに直面し、米住宅市場が再びどん底に落ち込む

 これらが引き金となって信用不安につながり、(原因は違うが)前回のリーマンショック時のような住宅用不動産担保証券の債権焦げ付きに端を発する大規模な金融危機が発生する可能性が指摘されている。

 加えて、全米規模のロックダウンで収入の道が絶たれたホテル業界が全体で860億ドル規模の借入金を返済できなくなり、商業用不動産担保証券の市場が凍り付く金融危機の経路も予想されている。政権やFRBの金融危機回避の手腕が問われる場面である。

 そうする間にも、失業保険の給付が切れた多くの人々は再就職が叶わず、家・学費・自動車などのローン返済や家賃の支払いができなくなり、米議会や州議会が立法による救済を行わない限り、コロナウイルスの流行が終息しない中で物件差し押さえや強制立ち退きを迫られる可能性もある。

 加えて、ワクチンや治療法が確立されないまま一時的に流行が終息しても、また流行が出現する「モグラ叩き」のような爆発的な患者急増が繰り返される事態となれば、外出禁止令がなかなか完全に解けずに人々が家にこもり、経済から楽観や予想可能性が失われて労働や外出や消費が大幅に落ち込む。

 約13万人の従業員を一時的に解雇すると発表した米百貨店最大手メーシーズをはじめ、同じくデパート大手のJCペニーやコールズ、衣料大手のギャップやヴィクトリアズ・シークレットで従業員の一時帰休が実施されている。財政基盤の弱いJCペニーなどは倒産しても不思議ではない。米調査会社コアサイト・リサーチは、1月末時点で8000件としていた今年の小売店の閉鎖店舗数を1万5千件に修正しているが、それでも極めて楽観的な数字であろう。

 国土封鎖が完全に解ける時期としては5月、今夏、今年の年末、さらに2022年という気が遠くなるシナリオなどが取り沙汰されるが、停止が長引くほど米経済のダメージが天文学的に膨れ上がってゆくことは言うまでもない。

 常に楽観的な米経済予想を語るトランプ政権のカドロー米国家経済会議(NEC)委員長でさえ、コロナ禍の米経済への影響が長期に及ばないとの自信の根拠を問われて、「保証はできない。魔法の杖があればよいのだが」と答える始末だ。

金融危機とその長期化は不可避

 バーナンキ元FRB議長は今回の経済危機が「とても急激で短い景気後退で済む可能性」を示唆したが、多くのエコノミストは楽観していない。金融危機に関する研究の大家であり、『国家は破綻する―金融危機の800年』の共著者であるハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は、「いったん金融危機になってしまえば企業は従業員もサプライヤーの取引先も失い、素早く回復することはより困難になる。長引けば富の破壊は不可避となり、信じ難いレベルに達する」と懸念を表明している。

 ロゴフ教授と『国家は破綻する』をともに著した同大学のカーメン・ラインハート教授も、「1930年代の大恐慌以来、世界貿易が停滞する一方で世界的にコモディティ価格が崩壊し、同時に不況に突入する状況は今回までなかった。ロックダウンと社会距離政策は人命を救うかもしれないが、巨大な経済的犠牲を伴う。医療危機は金融危機になり得る」と警鐘を鳴らしている。

 このような理由からロゴフ・ラインハート両教授をはじめとする「金融と財政でできることは何でも」という政策アプローチを支持する。ただし、今回のパンデミックや雇用危機がどのように収束するのか、どの専門家も明確な見通しを語れない中、米国の政策は「バラマキの逐次投入」となり、ジリ貧となる恐れもある。出口戦略が欠如したまま「どのような手段を使ってでも」という為政者・政策立案者や専門家の姿勢は、ジリ貧を避けようと戦勝や和平・戦後の明確な見通しもなきまま国力を超えた無謀な戦争や、効果の割にコストがまったく見合わない特攻作戦に突き進んだ日本の戦争指導者たちと重なる部分がある。

 その背景には、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のことわざどおり、前回の金融危機から完全に回復していない中間層や低所得層の苦境や困窮を放置する一方で、経済の健康を支える医療で利潤を最優先させて非常時への備えを「コストカット」してきた構造的な脆弱(ぜいじゃく)性が見えてくる。医療が市場原理による病床数カットや医療保険の値上げやカバー範囲縮小などで弱体化して非常時対応力を奪われる中、米国においてパンデミックは人災となることが運命づけられていたといえる。

 トランプ政権が限られた資源を使って「誰を優先して助けるか」という課題でオバマ前政権の大企業優先救済策のようなしくじりを犯せば、分裂や不満という負のマグマのエネルギーが地下でたまる米社会の不安定要素がまたひとつ増えるだろう。

 そうした中、資本主義の総本山である米国において、雇用創出のために国家が一時的に国民の実質上の雇用主となり、人々が飢えたり病で亡くならないように食料や必需品、住居を配給するようになるかもしれない。

 従来は考えられなかった現金バラマキ、FRBによる株式の買い支え、救済と引き換えに一部企業の経営に政府が口を出したり医療機器の生産を自動車メーカーに命令する統制経済、そして感染データ収集のための国家による国民の位置情報管理などの政策が次々に実行に移されつつあるからだ。米経済崩壊の最悪のシナリオが現実化し、現金給付で経済再始動の効果がなければ、「何でもあり」という思想はさらなる爆発的感染を広げてゆくかもしれない。


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在米ジャーナリスト 岩田 太郎

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わかっていた事ではあるが、「健康」が全ての基盤なのだ。

成功とか、名声とか、投資するとか、起業するとか、

健康な肉体がなければ、叶わないのだ。

 

そして医療崩壊は、同時に経済・社会活動の根本を失う。

新型ウイルス禍だけでなく、他の病気や怪我の患者も救えなくなる。

そして人的資源の枯渇は、経済の枯渇、国が滅び、人類が滅びていく連鎖となる。

 

最新のゲノム研究で、新型コロナウイルスが中国・武漢で発生し世界中に拡散されていく

ので、生物兵器説、バイオテロ説があったが可能性として低いとの学術的見解が出された。

 

つまり、自然に必然として動物からヒトーヒト感染に移行したウイルスという見解だ。

もう一つの可能性としては、実は長い期間をかけてヒトーヒト感染を繰り返していた

コロナウイルスが変異して現在の新型コロナウイルスになったという説も否定できない。

 

人類が利便性・経済合理性・快適性を追求していきグローバルでの発展の先に

何が訪れるか、ノストラダムスは当時、蔓延していた感染症ペスト禍の中で悟った。

奢れるなかれ人類。自然の猛威に対等に刃向える存在ではないと。

 

新型コロナウイルスの到来前に、既に日本でも数多くの地震や未曾有の台風被害に遭遇。

世界でも異常気象や様々な自然の猛威が強烈になってきていた。

これからも新型コロナウイルスは、感染を拡大し続けるだろうし外出自粛をしても

ウイルスの存在がゼロとなるとは考えにくく、せいぜいワクチンか特効薬が供給されれば

予防や罹患時の保険、対処が出来るというレベルだ。

 

それらのウイルス対抗手段が確立する前に、南海トラフ大地震や昨年以上の台風・豪雨

もしくは猛暑による熱中症も頻発すれば、医療機関は更に厳しい状態になるだろう。

 

だからこそ、健常な方々は医療機関への依存を極力減らす様に自らの健康や安全に

各個人が配慮しなければならない。そして猛暑や台風、豪雨や地震は必ずこうした

緊急事態にこそ、ハルマゲドンは襲ってくると意識し戦闘準備しておかなければならない。

 

ノストラダムスは、まさにそうした最悪の状況下に容赦なく最悪がこれでもか襲いかかるものだと警鐘を後世に伝えたかったのだろう。

それに耳を傾けるかどうかは貴方次第だ。

 

 

 

 

ポスト・コロナのマネー戦略で、絶対にやってはいけないたった一つの愚行

4/1(水) 6:16配信

プレジデントオンライン

 

ポスト・コロナのマネー戦略で、絶対にやってはいけないたった一つの愚行

 

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Chainarong Prasertthai) 

新型コロナウイルス感染拡大を受けて2月に入ってからの世界市場は大荒れ状態。今後リーマン・ショック級の影響が出るのか、そして私たちが今とるべきマネー戦略は――。経済評論家の山崎元さんが解説する。

【この記事の画像を見る】

■「リーマン・ショック級」なのか? 

 新型コロナウイルス感染症が拡大した影響で、世界の資本市場が「大荒れ」だ。特に、近年経済も株価も好調だった米国の株価下落が著しい。世界の市場はつながっており、特に日本の株式は海外の影響を受けやすく、日本の株価も大きく下落した。

 中国に問題がとどまると思われた新型ウイルスの感染症が、欧州や米国など世界に拡がり、多くの国で人の移動の制限、イベントの中止、飲食店・小売店の営業停止などが発令され、経済活動に大きな悪影響が出る事態になったことが直接的な原因だ。

 株価の下落ぶりや、政治経済の混乱ぶりは、2007年のサブプライム問題から発して2008年に米国第4位の証券会社だったリーマン・ブラザーズ社が破綻した「リーマン・ショック」に似た雰囲気を醸し出している。諸外国の政府が打ち出している対策を見ると、多くがリーマン・ショックと同等かそれ以上の規模だ。

 昨年の消費税率引き上げ前によく聞いた「リーマン・ショック級の事態が起こらなければ(消費税率引き上げを予定通り行う)」という表現で言っていた「リーマン・ショック級」は既に十分満たされているようにも見える。

 今後、世界経済にリーマン・ショック級の影響を与えるか否かの鍵は、コロナ問題の経済的影響が金融機関の破綻をもたらすような、金融システム問題につながるかどうかだ。端的に言って、大手銀行が破綻するような事態が起こるかどうかだ。

■大丈夫とは言い切れないが……

 新型ウイルスは、致死率こそSARSほど高くないものの、インフルエンザ並かそれ以上の感染力を持っているようで、経済への影響は、広く、長く続きそうだ。現在、直接的に心配なのは悪影響を受ける企業の業績や資金繰りであり、金融機関の健全性はリーマン・ショックの頃よりも数字上改善しているが、「大丈夫。リーマン・ショックとはちがう」とは言い切れない。

 リーマン・ショックの時は、金融のトラブルが実物経済に及んだが、今度は、実物経済に関わる企業の破綻が金融システムに及んで、金融的なトラブルがさらにリーマン・ショックの時に及ぼしたような悪影響をもたらす可能性があることは否定できない。

 一方、各国の政府は、リーマン・ショックの経験を経ているので、対策は当時よりも迅速で大きいかも知れない。政策によるプラスの影響も軽視できない。

■いつかは終わる

 端的に言って、新しい感染症の影響がリーマン・ショック級のものになる可能性はある。

 しかし、そうなった場合でも、新しい感染症は、世界の人類の生活と経済に対する大きな脅威だが、経験的に言って、この種の脅威は「いつかは終わる」

 終わるというのは、主にワクチンや治療法が開発されて、ウイルスの脅威がなくなるケースを指すが、脅威が完全に無くならなくても、この病と社会とが共存するバランスを見つけて、事態が落ちつく状況をも指している。

 特に、経済はなかなか「しぶとい」ものなので、最悪に近い場合でも、人はそれなりの対処法を見つけて、経済を動かしていくだろう。

 そして、株価は、「その時々に見える限りの将来を反映し、投資のリスクを考慮して」形成される。つまり、理屈から言うと、株価が高い時に投資するのも、低い時に投資するのも、有利不利には差がないはずなのだ。

 もっとも、人々の心理は、楽観と悲観の間を揺れ動くので、先の悪化の程度が見通せない時には(後から振り返ると、たぶん今のような時ではないか)、過度の悲観を織り込んだ安すぎる株価が形成されやすい。即ち、大きく下落した株価は、「どちらかと言うと」投資のチャンスであるかも知れないということだ。

■株価が下がったところで投資し直そうとしても難しい

 新型コロナウイルスによる事態の悪化の可能性に注意が必要だとしても、事態が悪くなる可能性と少なくとも同じくらい、事態が落ち着いて、新型ウイルスに対する人々の気持ちが「得体の知れない恐怖」から「現実的な障害」程度に収まるようになった時に、株価の評価が大幅に改善する可能性も想定しておくべきだ。

 既に投資を始めていて、株式や株式に投資する投資信託などを持っている方は、結果はともかく、現在ある情報と常識から判断すると、持っている投資対象を慌てて売らないほうがいい。売ったほうがいいのは、現在持っているリスクを持つ資産への投資額が過大な人だけだ。

 それ以外の方は、持っているリスク資産をそのまま持ち続けることが合理的な意思決定になる場合が多いだろう。「変動が激しいから、持っている株式(投信を含む)を売って様子を見よう」、「株価が下がったところで、また投資し直そう」といった考えを実行しても、一般投資家はもちろん、プロのファンドマネージャーにも成功する確率は小さい。

 

■実はこれからも変わらない運用の鉄則5つ

 結局、株価の水準は短期間に大きく変わったかも知れないが、投資家がやるべきことや、その背景となる考え方には、大きな変化がないはずなのだ。大きな変動があった後なので、基本的な手順を確認しておこう。

 (1)手取り所得の中の必要額(サラリーマン家庭で15%、フリーランスは25%くらい)を計画的且つ継続的に蓄える。

 (2)生活費3~6カ月分を除いた「運用資金」を「リスクを取る投資の金額」と「リスクを取らない金額」に振り分ける。この際、リスクを取った運用の想定利回りは年率5%くらいだが、最大3分の1くらいの損があり得るので、損してもいい額の3倍が投資額の上限だ。損の評価については「360万円の損が老後(30年=360カ月)の生活費毎月1万円の減少に相当する」と考えると評価しやすい。

 (3)リスクを取る投資額は外国株式と国内株式のインデックス・ファンド(株価指数に連動する投資信託。年率の運用管理費用が必ず0.3%未満のものを選ぶこと)に6:4で投資し、リスクを取らない金額は「個人向け国債変動金利型10年満期」と銀行の普通預金(一人一行1千万円までを守ること)に置く。

 (4)iDeCo、NISA、つみたてNISAなどを家計に可能な限り大きな金額で使い、これらの口座には内外株式のインデックス・ファンドで運用する部分を集中させる。

 (5)リタイアしたら、余命に余裕(10年くらい)を持った計算で資産を計画的に取り崩す。

■資産運用で絶対にしてはいけない愚かなこと

 現在、普通の個人にとって適切なお金の運用の方法は上記で尽きている。若くても、高齢でも、高額所得者でも、普通のサラリーマンでも、適切な方法は同じだ。

 厳重に注意したいのは、運用商品の選択などを金融機関の窓口で「決して相談しないこと」だ。余計な営業行為を呼び込んで、手数料の高い不適切な商品(窓口で売られている外貨建ての保険や、手数料の高い投資信託は「全て」ダメだ! )を勧められてしまう。

 金融機関の担当者に「私は客なのだから、丁寧に構って貰いたい」と思うのは愚かで且つ恥ずかしいことだ。自分で決めた投資を淡々と実行して、投資したら基本的に資産を「ほったらかして」おくことと同時に、自分自身を「ほったらかして」貰うことが、適切にお金を運用する「コツ」だ。

 

■コロナ後、「変化」があるとしたら? 

 コロナ・ショックが、われわれの生活や社会にどのような変化をもたらすのかは、まだ分からない面が多いが、身近な問題と、将来の可能性の二つに簡単に触れておこう。

 今後、コロナウイルスの感染予防のために、時差出勤を行ったり、在宅勤務による「テレワーク」の日が増えたり、或いは、一時期外出に制限が掛かるかも知れない。こうした状況は、我々の働き方に変化をもたらすだろう。

 テレワークの実施自体は、少なくとも、通勤の時間の無駄とストレスの削減をもたらす点だけでも大きなメリットがあるし、技術的にもかつてより広い範囲の業務で対応可能になっているから、今後拡がることが確実だ。コロナ問題はこの普及を後押しする。

■テレワーク浸透で成果主義が強化される

 テレワークでは人の評価により客観性が必要になる。そのため、評価とひいては報酬が仕事の「成果」に連動して決まるようになるので、「成果主義」が強化される。

 また、働く人の時間が自由になるので、「副業」がより普及するだろう。

 そして、これら2つの変化は、長期的に、独立事業主的な個人が複数の会社と契約して働くような働き方の普及に繋がっていくはずだ。

 こうした「働き方」ばかりでなく、在宅勤務やテレワークによる自宅滞在時間の拡大は、日頃家庭に関わっていない働き手(男性が多いだろうか)が、家事や育児の重要性に気づくきっかけともなるだろう。

■インフレへの転換の可能性も

 最後に、一つ付け加えよう。

 今回、コロナ問題に対する世界各国の経済政策は、リーマン・ショック後までの、もっぱら金融緩和政策だけに頼ったものではなく、大きな財政支出を伴うものになる。金融と財政両方の拡大を続けた場合の経済理論的な帰結は「インフレ」だ。当面は、日本はもちろん、他の先進国各国も物価上昇率が低く、デフレが心配であったり、インフレ率が低すぎたりすることが課題なのだが、将来は、インフレ率が上昇し、預金にもそこそこにプラスの金利が付くような状態が訪れれるかも知れない。

 今現在は、世界が「日本化」してデフレ傾向を強めていることが問題なので、金融・財政両面で拡張的な政策が採られることは適切なのだが、後で振り返ると、コロナ問題が、デフレ経済からインフレ経済への転換の契機だったということになるのかも知れない。

 もっとも、こうしたことが仮に起こるとしても、かなり先の話だ。当面行うべきことは、感染症の予防と健康管理に気を付けることと、あわてずに淡々と基本通りにお金を扱うことだ。
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山崎 元(やまさき・はじめ)

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コロナショックによって、明らかにもたらされるのはサプライチェーンの寸断であり

人々の行き来の分断、それに伴う経済活動の停滞である。

 

既に日々の仕事が無くなり、収入不安に陥っている方々も少なくない

一方で医療崩壊寸前と言われ、感染拡大と共に医療ケアのキャパシティは

急激に減少する。欧米では、フライトキャンセルとなった航空機会社の

アテンダント、引退した医療関係者が医療現場への支援に向かっている。

 

日本も、失業したり契約打ち切りとなった方々を簡単な医療関係の後方支援に

活躍して頂き、それによって一定の収入を公的資金で支える事で医療現場の

マンパワーの補充になるのではないか。今、徹底的に後方支援策を考える時だ。

 

例えば、閑古鳥が鳴いている料理店であれば、美味しい料理や配膳に長けているので

直接的に感染している方でない高齢者や従来からの入院者への料理や栄養補給の

支援が出来るかもしれない。つまり医療活動のバックヤードへの支援力として

日々の収入に窮している方々の労働力を提供して頂き、これに報いるという姿

が作れないものか。

 

もし、そういう事が実現すればコロナ禍が過ぎ去った後でも、そうした支援

従事した経験は、その方の力量の幅を広げるし人生の選択肢も増えるだろう。

 

現在、未知の感染症と刻一刻と戦っている医師や看護師が雑用に足を引っ張られず

治療だけに専念できるように、今、余力となっている収入に困っている方々の力を

最大限に生かし将来に繋げられるチャンスとなる様に考えてもらいたいものだ。

コロナ経済対策が「ベーシックインカム的」であるべき理由

4/1(水) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 

コロナ経済対策が「ベーシックインカム的」であるべき理由

 

Photo:PIXTA 

 日本政府は、コロナ対策として現金給付や商品券の支給などを「かつてない規模で」検討しているようだ。コロナ経済対策として重要なのは、一時的生活保護の役割を果たし、同時に景気の下支えにもなる政策だろう。それは、ベーシックインカムそのものないし、「ベーシックインカム的」な政策であることが望ましいと筆者は考える。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

● ボリス・ジョンソン英国首相が ベーシックインカムを検討?

 ボリス・ジョンソン英首相が、新型コロナウイルス対策としてベーシックインカムについて「考慮すべきアイデアの一つだ」と述べたとのニュース(NHK「ベーシック・インカム検討 英首相 感染拡大の景気対策」〈3月19日〉)が伝わった。

 さすがに、英国でいきなりベーシックインカムが実現するとは思えない。けれども、「集団免疫の形成」を唱えた数日後に、図らずも(だと思うが)自らがコロナウイルスに感染して“人体実験”を行うことになったジョンソン氏の発言だ。本当にベーシックインカムに踏み込むかもしれないという期待が膨らむ。

 今回のコロナウイルスによる感染症は、観光業やサービス業、小売業、飲食業など、「日銭」で回っている業種に大きな打撃を与えた点で、金融危機が世界の景気後退につながって製造業にダメージを与えたリーマンショック時と異なる悪影響の現れ方になる。加えて、もちろん、需要が低迷すると真っ先に失業する非正規労働者やフリーランスが、経済的に弱い立場にあることは常に変わらない。

 「景気」への対策以前に、こうした「急に経済弱者になった人」へのいわば「一時的生活保護」的なサポートが必要だ。加えて、ただでさえ消費税の増税で後退に陥っていた景気への対策が必要だ。

 現在、政府をはじめとして各方面で景気対策が検討されており、「かつてない規模」の対策を打ち出すつもりだという方針が伝えられている。

 あらかじめ望ましい対策の条件をあげるなら、(1)迅速であること、(2)公平であること、(3)十分であること、の3点が重要だ。

 筆者が思うに、一時的生活保護の役割を果たし、同時に景気の下支えにもなる対策は、ベーシックインカムそのものないし、「ベーシックインカム的」な政策であることが望ましい。

● 社会保障と再分配の要素を兼ね備えた ベーシックインカム7つの長所

 ベーシックインカムとは、国民の一人一人に、無条件で定期的に一定額の現金を支給する政策だ。直感的に「変ではないか」と思う人が少なくないのだが、そうした人の多くが「よく考えてみると、合理的」だと思うような長所を備えた、社会保障と同時に再分配の要素も兼ね備えた政策だ。

 ベーシックインカムの長所を確認しよう。

 

【ベーシックインカムの長所】
(1)あらかじめ予想できる収入なので生活設計がしやすいこと
(2)使い道が自由であること
(3)公平に支給されること
(4)支給対象者を確認する手続きが要らないこと
(5)受給者が恥の感情を持たずにすむこと
(6)定額なので額が大きすぎなければ労働意欲を阻害しないこと
(7)他の社会保障制度よりも事務が簡素で低コストであること

 多くの人が誤解し、違和感を持つのは、お金持ちにも現金を支給することの当否だろう。この点については、ベーシックインカム単独で考えるのではなく、課税とセットで再分配効果を見るべきだ。

 「高所得者(高額の資産保有者もだが)に高負担を」を実現したいなら、所得制限などの条件を付けて給付対象を調整し、さらに高所得者にはより高額な税金を課すような二重の調整を行うのは避けた方がいい。それよりも、所得税や資産税などで調整する方が簡素で透明性が高いからだ。

 また、ついでに言うなら、「財源がないのではないか」という心配は杞憂だ。ベーシックインカムで国民に現金が配られているのだから、課税できる対象は拡大しており、税金の負担能力は心配に及ばない。税制を再分配制度としても公平に設計すればいいだけのことなのだ。給付と徴税と両方を複雑化させるのは愚策だ。

 また、上記の長所(7)に関連するが、生活保護や雇用保険、年金などは順次ベーシックインカムに置き換え可能である。

 例えば、国民年金(基礎年金)を全額国庫負担にすると考えてみよう。この措置には、年金加入者1人当たり1カ月に1万6000円強のベーシックインカムを受給するのと同様の効果がある。特に所得が低い場合が多い若い人には効果が大きいだろうし、第3号被保険者(サラリーマンの専業主婦の妻)の相対的優遇措置がなくなるので、女性の労働参加を促進する効果がある。老後の無年金者が減るし、国民年金保険料の徴収作業も要らなくなる。その代わり、高所得者や資産家はより多くの税金を払う。こうした政策は、コロナ問題がなくても実行していいと筆者は思う。

 

● コロナ対策として政府が検討している 現金給付をどう考えるか

 政府は、コロナ対策として現金給付や商品券の支給などを「かつてない規模で」検討しているようだ。

 一時的な現金給付は、継続的に計算できる所得ではない点でベーシックインカムと異なる。ただ、国民に一律に現金を配るならベーシックインカムと似た政策になる。

 この政策は、(1)迅速に行えること、(2)使途が自由であること、(3)事務が簡素であること、(4)必要があれば大きな金額で実行できること、などの点で望ましい。

 日本の政策がしばしば陥りやすい「戦力の逐次投入」的な愚を避けて、迅速かつ大規模に行うことが適切だ。

 例えば、5月の連休前に国民1人当たり10万円を給付して様子を見るといい。財源は約12兆5000億円だ。現在の政府の口ぶりだと、もっと使うつもりがあるようだから余裕がある。

 必要があれば、2~3カ月後にもう一度やってもいいし、景気回復期に消費を後押しするために、先に挙げた国民年金(基礎年金)保険料の無料化や消費税率の引き下げに使ってもいいだろう。

 当面は心配すべきではないが、将来インフレが問題になった場合に、分配の観点で妥当だと思われる対象に増税すればいい。コロナ対策は緊急を要するが、将来の増税については議論の時間がたっぷりある。政治家さんたちは、将来の税制について熟議してくれるといい。

 本人と扶養家族が受け取った給付は、所得に繰り入れて後で所得税や住民税の対象にするといい。現在の課税制度がまがりなりにも公平だというなら、税制の観点から問題はないだろう。サラリーマンは年末調整で課税額を調整すればいいし、フリーランサーなど確定申告をしている人も確定申告に反映させるといい。一律支給なので幾ら支給されたかは明確であり、ごまかしの余地はない。

 もちろん、不足する財源については国債を発行して、金融緩和政策の一環として日本銀行が国債の購入額を増やすことが重要だ。

 

● 時間を掛けようとする政治家は有害 「所得制限」「使途制限」はするな

 「対象者を絞って」、「ピンポイントで必要な人に」等と言って議論に時間を掛けようとする政治家は、与野党を問わず、自らが有害な役割を果たしていることに気づいてほしい。

 所得にせよ、業種や働き方にせよ、対象者の線引きは難しい。

 例えば、年収400万円未満の世帯を対象にした場合、年収400万円の世帯と、年収399万円の世帯で、実質的な所得に逆転が生じることが適切だとは思えない。また、小・中学校でクラスメート同士が、「お前の家は現金給付の対象なのか?」などと話し合うような給付金がいいとも思えない。

 飲食業者が困っているのは事実だろうが、飲食業者にさまざまな商品を納入している業者も売り上げが激減しているだろうから、業種で対象者を区分けするのも難しい。政治的な議論には、全くなじまない。

 また、景気対策としての商品券も、(1)無用に使途を制限する非効率性、(2)手続きに掛かるコストが非効率的、(3)現金給付よりも時間が掛かること、(4)対象商品の選定に生じる不公平性、といった問題がある。

 対策の迅速な決定と実行のために、そして何よりも受給者にとっての利便性の点で、特定業界への振興策をコロナ対策に持ち込ませないことが肝心だ。

 なお、給付金の受け取りを所得に算入して課税するといいというアイデアは優れていると思うが、これは筆者が思い付いたものではない。立憲民主党の海江田万里衆議院議員のメールマガジンに記されていた提言だ。

 野党第一党である立憲民主党は、党内に良いアイデアの持ち主がいるのだから、「給付金一律10万円の早期支給。その後に消費税率の5%への引き下げを求める」とでも方針を決めて、野党の中でリーダーシップを取り、与党に政策実行へのプレッシャーを掛けてはどうだろうか。

 もちろん、与党が迅速にこれ以上の政策を実行してくれるのでも構わない。お金は使うべき時に有効に使いたい。

山崎 元

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コロナショックが様々な時代の変革をもたらす機会になるかもしれない。

上記の記事にあるような「ベーシックインカム」の実現は、働く事への概念や

スタイルに大きく影響するだろう。もはや日本人お得意の「通勤至上主義」は

昔話になっていくべきではないか。感染リスクやストレス度の高い満員電車や

行きたくもない人混みに突っ込んでいくような事が必要な働き方は無くすべきだろう。

 

GW、お盆や年末年始の帰省ラッシュなど人の混雑を助長するような労働スタイルは

今後はもう古いライフスタイルになって欲しい。毎度混雑した交通機関でなく、心地よい

距離感を持って利便性・快適性の高い移動サービスなりインフラサービスを目指すべき。

 

世界各国が、コロナウイルスの感染拡大を防止するために、隔離や外出規制、自粛

年のロックダウン、空条封鎖、鎖国化となっているが、逆にこうした時こそ大局的に

今までの働き方や生き方が、果たしてよかったのか改めて振り返ってみる機会かと

考える。そして「個」を磨く時間にしていく事、それぞれの人生をより良くする為に

静かに思考・思索すべき時間ではないかと思う。

 

17世紀ニュートンの万有引力などの発見・理論化は、ペストの蔓延によって

ロンドンの大学での小間使いから、已む無く疎開し思索に没頭する時間から生まれた。

それは、現代に於ける人類の宇宙開発にも連なる大原則であった。

今を「個」を磨く時間とプラスに捉えて、次の時代に繋げていきたいものだ。

来夏までの開催延期が決まった東京五輪。その要因となった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は1年後に終息しているのか。ワクチンや治療薬の実用化には一定の時間がかかるとみられ、感染症の専門家の間では、流行の一時的な収束と再流行を繰り返しながらの長期戦との見方が高まっている。

 「新型コロナウイルスはインフルエンザのように暖かくなると消えてしまうウイルスではない。数カ月から半年、あるいは年を越えて闘い続けていかなければいけないと考えている」

 政府の専門家会議メンバーで日本感染症学会の舘田一博理事長は今月9日の会議後の会見でこう述べ、新型コロナウイルスの封じ込めの難しさを強調した。

 同会議の見解にも「国内での流行をいったん抑制できても、しばらくはいつ再流行してもおかしくない状況が続くと見込まれる。世界的な流行が進展していることから、国外から感染が持ち込まれる事例も繰り返されると予想される」との一文が盛り込まれた。

 同じコロナウイルスを原因とする感染症をめぐっては、重症急性呼吸器症候群(SARS)は2002年11月の発生確認から8カ月後に世界保健機関(WHO)が終息宣言。一方、12年9月以降に広まった中東呼吸器症候群(MERS)はいまだに世界的な終息宣言に至っていない。

 舘田氏によると、一般的に風邪の原因となるコロナウイルスは一年中存在する。仮に現在流行の中心である北半球の欧米やアジアなどでおさえ込むことに成功しても、遅れて感染が広がりつつある南半球のアフリカで流行しているものが再び北半球に持ち込まれれば、年間を通して広がり続ける恐れがあるという。

 感染予防のためのワクチンについては、米衛生当局などが臨床試験を始めたほか、国内でも国立感染症研究所や大学、民間共同での開発が進む。ただ、安全性や有効性の確認には通常1年から1年半、最短でも半年以上かかるとされ、来夏までの五輪開催に間に合うかどうかは不透明だ。

 既存薬を使った治療薬にも期待がかかるが、副作用などもあり、万能ではない。多くの人が感染して免疫を持つことで、感染の広がりを抑える「集団免疫」に対しては、科学的根拠がないなどの理由で懐疑的な声が少なくない。舘田氏は「新型コロナウイルスとの闘いは、年を越えて続く覚悟を持たなければいけない」と訴える。(伊藤真呂武、三宅陽子)

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ウイルスには、国境も人種も関係ない。寄生し増殖できる人体があれば取り憑くだけ。オリンピックだろうが、大統領選挙だろうが、人間の都合は関係なく蹂躙する。

ウイルスの感染は自覚できず、潜伏期間を経て発症する。その間、人間は

ウイルスの増殖戦略のキャリアと化す。人間が懸命にリンクで追えるクラスターを

発見しようとしても、潜伏期間を経たタイムラグがある状態しか把握出来ない。

つまり見えざるクラスター(Invisible cluster)を撒き散らし、人間の生存を脅かす脅威が、あなたの隣に居るのだ。

 

それは貴方や私の指先に既に付着しているかもしれない。その指は、口に運ぶものを

触るかも知れない。生活する上で、手指を使わない日は無い。手洗いをするのは勿論だが、感染経路が明瞭でないケースもあるのが恐怖だ。ペストは空気感染という

実に効率的な感染戦略で人間を殺してきたが、今回の新型コロナウイルスも変異によって、空気感染が可能になるリスクさえある。

 

飛沫感染、接触感染の予防は勿論の事、空気感染の可能性も考えておかなけれbならない。仮に1年の猶予、開催延長の時間を得た東京オリンピックまでに新型コロナウイルスに対する特効薬やワクチンが出来ていたとしても、ウイルスの変異で耐性がついてしまえば水泡に帰してしまう場合もあるだろう。更にウイルスに感染しても軽症で済んでも、必ずしも当該ウイルスに対する免疫を獲得したり生涯保持しきれる事はない。残された対抗手段は、極めて限定的だが「人間の行動」こそ重要であろう。

 

「アマビエ」という伝説の妖怪が、疫病退散に効果があるという事で話題になっているが、人間の力は、その程度に過ぎない。祈りや伝説頼りではダメな事は百も承知。

でも、そうした偶像なり妖怪を通じて自分の行動を客観視する、反省し正す、という

心や気持ちが感染症の影響を最小化していく起点なのだろう。

 

 

1.「ハーメルンの笛吹き男」の恐ろしさ

 13世紀末、ドイツ北部の町ハーメルンの住民達はネズミの大量発生に悩まされていた。そこに、ある男が現れ「ネズミを駆除しょう」と申し出る。住民達は喜んでその男にネズミ駆除を依頼した。男が持っていた笛を吹くと、不思議なことに町中のネズミが路上に現れ、行進を始めたのである。やがてネズミ達は近くの小川に次々と飛び込んでいった。これがグリム童話で有名な「ハーメルンの笛吹き男」である。
 
 実は、この童話には恐ろしい続編がある。ネズミを駆除してから、笛吹き男は町の住民に約束の報酬を要求した。ところが、住民達はその約束を反故にしてしまった。男は怒りに震えながら再び笛を吹き始める。すると今度は、町中の子供達が隊列を作り、行進をはじめたのである。そして子供達はどこか遠いところに消えていった。

 グリム童話はドイツの古い民話が土台になっているが、実際にハーメルンの町で、1284年に130名の子供が消えたとする記録が残っている。そこで、この民話は何らかの史実が語り継がれたものと推測されている。

 それでは、なぜ子供達は集団で失踪したのだろうか。

 その理由の一つに、ペストにより子供達が集団死したとの見方がある。ペストはネズミと密接に関連する病気である。ネズミを駆除したという最初のストーリーは、ペストを暗示させるものだ。

 また、この事件がおこってから60年後の1340年代に、ヨーロッパ全域は中世の黒死病流行と呼ばれる、空前のペスト大流行に見舞われている。その少し前からペストが燻っていても不思議はないのである。

 いずれにしても、ペストは人間社会が形成されてから大流行を繰り返してきた。その恐怖は人々の記憶に深く刻まれ、各地の民話や風俗にはペストの流行に関連するものが数多く残されている。

2.繰り返す悲劇

 有史以来、ペストの世界的な大流行は4回記録されている。

 最初の大流行は6世紀のことで、東ローマ帝国のユスチアヌス帝が大ローマ復活をかけて、侵略戦争を繰り広げている最中の出来事だった。流行の極期に首都のコンスタンチノーブル(現イスタンブール)では、日に1万人近い人々が死亡したと記録されている。

 そして2回目の大流行が、1340年代に始まる中世の黒死病の流行である。この時は全世界で7000万人の命が失われる大惨事となった。

 3回目はロンドン大疫病とよばれる17世紀の流行で、この模様はダニエル・デフォーの「ペスト年代記」の中で詳細に述べられている。

 このような未曾有の大惨事にあたり、当時の人々はペストの原因を色々と考えた。とくに中世の黒死病の流行に際しては、数々の原因論が浮上した。

 最も一般的な意見は瘴気説である。大地から沸き上がる有毒な気体が人体を害するとする説だが、黒死病流行の直前に各地で地震が多発したため、それによって生じた割れ目から瘴気が発生したと考えたのである。

 一方、パリ大学の医学部は、フランス国王の諮問に応じて、その原因を天体の異常な動きによるものと結論している。また、信心深い人々はこの試練を「神から下された罰である」と考え、自身の体を鞭打ちながら行進する団体が各地に出現した。

 さらに恐怖のため集団ヒステリー状態に陥ると、ユダヤ人原因説が各地で沸きおこる。ユダヤ人が井戸に毒を撒いたとする説だが、この影響により、ヨーロッパ全土で彼等の迫害が加速されるのだった。

 19世紀末から始まる4回目の大流行は、幸いにもヨーロッパに達することはなかった。しかし、アジア、アフリカだけでなくアメリカ大陸にも波及する文字通りの世界的流行となったのである。

3.ペストの素顔

 この流行の渦中にある香港に北里柴三郎が登場する。1894年のことである。彼はドイツの細菌学者コッホの下で研鑽を重ね、帰国後は福沢諭吉の援助で北里研究所を設立していた。

 同じ頃、フランスの軍医であるイエルサンも香港に到着した。二人はペストの病原体の発見を競い合い、結局、北里が最初にペスト菌の素顔を眺めるのである。

 しかし北里の発見したペスト菌には雑菌も混在していた。このため、それから暫くして純粋なペスト菌を分離したイエルサンが、歴史上はペスト菌の発見者として登録されている。

 元来、ペスト菌はネズミの病原体である。この体長僅か2μmの悪魔は、ノミの吸血によりネズミの体内に注入され、この動物を葬り去ることを生業としていた。ところがネズミと人間が共存する環境では、その魔力が人間にも向けられ、流行が急速に拡大するのである。

 ノミの吸血で人体内にペスト菌が注入されると、まず手足や頚部のリンパ節が腫脹してくる。これはペスト菌の拡大を抑える人間の抵抗力によるものだが、このリンパ節の腫脹が激痛をおこす。それとともに高熱を発し、精神の錯乱状態に陥ることも少なくない。この状態が腺ペストと呼ばれるものである。

 フランスの文豪カミューの名著「ペスト」にも多くのペスト患者が登場する。この小説は1941年にアルジェリアの町で、フランス人医師が出会ったペスト流行の模様を詳細に綴ったものである。その流行で最初の患者となる門番の様子は、臨場感たっぷりに描かれている。

 「しばらく苦しみ続けたあげく、あえぎながら門番はまた床についた。熱は39度5分で、頚部のリンパ節と四肢が腫張し、脇腹に黒っぽい斑点が二つ広がりかけていた。彼は今では内部の痛みを訴えていた」

 この哀れな門番のように人間の抵抗力が菌に敗北すると、ペスト菌はリンパ節から堰を切ったように全身に散布され、皮膚に黒い斑点を生じさせながら患者を死へと導く。この黒い斑点こそ、ペストが黒死病と呼ばれる所以であり、現代ではこれが敗血症により出血傾向をおこすためと解明されている。

 近年は抗菌剤が数多く開発され、とくにストレプトマイシンはペストの特効薬である。腺ペストの患者であれば、その投与によりほとんど治癒するが、敗血症の状態になると致命率は70%以上にも達する。これが抗菌剤のない時代には、腺ペストで半分以上、敗血症では100%近くが死んでしまったのである。それだけペストは殺傷力の強いの病だった。

4.視線を合わせるな!

 人間社会が出会ったペストの中でも、とりわけ中世の黒死病の流行は人々に強い恐怖感を植え付けた。それは病気の強力な殺傷力だけではない。その感染力の凄まじさ故なのである。通常はノミの吸血で感染する病が、空気により感染する病へと変化してしまったのだ。

 中世の流行の発端は中央アジアのバルハシ湖周辺と考えられている。1338年頃に、この地方を治めていたモンゴル人の集団が最初の犠牲者となった。

 それからというもの、流行の波は草原の道を一路西に向かい、その終着点の黒海沿岸のカッファに到着したのである。これが1347年のことだった。カッファは当時の海運を担っていたジェノバ人の拠点であり、この町からペストはジェノバの船に紛れて、ヨーロッパ各地へと散布されていった。

 ヨーロッパ内でのペストの流行は、それまでと様相を異にして急速に拡大の速度をあげる。これは本来のノミの吸血で感染する方法ではなく、空気感染する状態に変化したことを意味した。

 腺ペスト患者の一部には、末期になると肺炎をおこす者がいる。これが肺ペストで、現代でもこのような患者は、発病後18時間以内に抗菌剤を投与しないと100%死亡する。この当時は、肺ペストになれば間違いなく死亡していたはずだ。

 しかも肺ペストの患者は、咳やクシャミの際に大量のペスト菌を排泄する。これを吸い込んだ者は直ちに肺ペストを発病し、死に至るまでの数日間、強力な感染源となるのである。このように空気感染は極めて効率のよい感染方法だった。

 当時の人々にとって、患者に近づくだけで感染し、瞬く間に死んでてしまう様は恐怖そのものだった。感染の原因を「患者の視線による」と考える者も多かった。このため、患者を看護する際には、視線を合わせないことが鉄則とされていた。

 やがて、死者が多くなるに従い人々の心は荒廃し、信じられない程のモラルの低下を招くのである。

5.早すぎた埋葬

 イタリアの諸都市に悪魔が到達したのは1348年のことである。

 当時のナポリには、ルネッサンスの幕引き役となる作家のボッカチオが滞在していた。彼は周囲の人々が次々と死んでゆく事態に恐怖し、故郷のフィレンツエに帰着する。しかし、そこも地獄の様相を呈していた。当時、12万人程の人口があったこの町で、1348年7月までに生存できたのは僅かに2万人だったのである。

 この死臭が充満する町で、ボッカチオは代表作の「デカメロン」を執筆する。それは、ペストに脅えて郊外に逃避した男女10人が語る好色艶笑譚であった。この男女のように、極限の恐怖状態のため、快楽と官能的な喜びに溺れる者も少なくなかった。

 ボッカチオはこの物語の冒頭で、人々が動揺し道徳が崩壊していく様をルポタージュ式に述べている。

 「姉妹は兄弟をすて、またしばしば妻は夫をすてるにいたり、また父や母は子供たちを、まるで自分のものではないように、訪問したり面倒をみたりすることをさけました」

 患者に近づくと感染するという経験から、家族は看病をやめて患者を放置するようになったのである。放置された患者は孤独の中で悶え苦しみ、そして息をひきとる。死体は門前に棄てられ、それを死体運搬人が回収するのであった。葬式が行われても、それは笑い声に満ちた馬鹿騒ぎの場と化していた。

 さらに恐ろしいことには、瀕死の患者も死体として処理されたのである。死者が膨大な数になると従来の墓場では足りなくなり、町の郊外に大きな穴を堀り、そこに死体を投げ込んでいた。この穴の中に、まだ息をしている瀕死の患者も数多く埋められていたのである。患者に近づきたくないために、死を判断することすら躊躇われたのだろう。墓場に生き埋めにされた患者は、多くの死体に囲まれながら昇天するのだった。

 ポーの怪奇小説「早すぎた埋葬」を彷彿とさせる情景である。

6.覆面をした医師たちの饗宴

 家族にも見放されたペスト患者にとって、医者の治療を受けることなど、まず期待できなかった。病気を恐れて郊外に避難してしまう医者もいたが、多くの医者が死んでしまったためである。もっとも、この当時のペストの治療は、無意味な冩血か、腫大したリンパ節を切開する程度のことしか出来なかった。

 中世の大流行の後に、巷にはペスト医と呼ばれる医者が出現する。患者からの感染を防ぐために、彼等が纏う服装は大変に奇抜なものだった。全身を皮の衣服で包み、顔には覆面をかぶる。それは、鼻と口に鳥の嘴のような突起をもつ恐ろしい覆面だった。この嘴の部分には、空気を洗浄する目的で香の強い薬草を入れていた。もちろん目の部分には、視線を合わせないように覆いがされていた。その姿は巨大なヒヨコを彷彿させるもので、カミューはこのような医者が診察する光景を「覆面をした医師たちの饗宴」と描写している。

 そんなペスト医の一人として16世紀のフランスで名声を博したのが、予言者として著名なノストラダムスである。

 彼の母方の家系は医術を業としており、彼自身も1529年に大学の医学部を卒業した。卒後は南フランスのアジャンで幸せな結婚生活を送っていたが、間もなく妻と二人の子供がペストにより死亡してしまう。この試練を経て、彼はペスト医としての仕事に没頭するのである。ペストの予防に関しても、土葬をやめて火葬を推奨するなど、数々の画期的な提言を行っている。

 晩年になり、ノストラダムスは予言者としての地位も獲得するが、あの壮大な予言はペストとの格闘の中で閃いたものかもしれない。

7.周期的な大流行の秘密

 ペストの大流行は凡そ300年の周期で発生している。これは、その時期にネズミとノミの間のペストサイクルが過剰に回転し、さらに人間がそのサイクルに接触するためにおこる出来事なのである。

 古来から世界には3箇所のペストの巣窟があった。

 ペストサイクルが常に回転している地域であるが、一つはアフリカ中部の大湖地帯で、ここを震源地としたのが6世紀の大流行である。

 二つめは中央アジアの草原地帯で、ここから中世の黒死病の流行が勃発した。

 三つめは中国とミャンマーの国境にある山岳地帯で、19世紀末の大流行の震源地である。この巣窟に人間が侵入したり、あるいはネズミがそこから大量に移動することで、流行は世界各地へと拡大した。

 中世の黒死病流行の際も、モンゴル帝国により中央アジアに草原の道が築かれ、人間が巣窟へ容易に侵入できる状況になっていた。さらに、この時代はネズミ自体も巣窟からヨーロッパ方面へ大量に移動していたらしい。ペストの主な標的となるネズミはクマネズミと呼ばれる種類で、このネズミはヨーロッパに元来棲息していなかった。

 ところが13世紀頃から、徐々に中央アジアより移動を始めたのである。冒頭で述べた「ハーメルンの笛吹き男」の話でも、当時の人々がネズミの増加に悩まされていた件があるが、これこそクマネズミの西方への移動なのだろう。

 それでは、なぜクマネズミは西方へ移動したのだろうか。

 これは元々の棲息地域である中央アジアで、飢饉などにより食料が不足したためと考えられる。生態系の中で食料不足や個体数の過剰などがおこり、ある生物種の存続が困難になると、その生物種は別の生態系に移動する現象をおこす。さらに、それでも存続できなくなると、集団自殺行動をとることもある。ネズミであれば、次々と川に飛び込んで自殺するわけだが、これは「ハーメルンの笛吹き男」に出てくる状況と極似している。

 私は、ペスト菌の本来の意義が、ネズミの個体数を調整する生態系のメカニズムではないかと考えている。

 個体数が増えすぎたり食料不足になると、ネズミという生物種を存続させるために、ペスト菌がネズミの殺戮を開始する。すなわちペストサイクルが過剰に回転を始めるのである。こうして、人間がサイクルに接触する機会も増加する。それとともに、ネズミは移動という方法をとるため、巣窟の外にある人間社会にも流行が拡大する。

 こんな状況が300年周期で繰り返されていたのではないだろうか。

8.人間社会への警告

 人間の文明は古代、中世、近世、近代と進化を遂げてきた。そしてペストの大流行はその節目毎に出現している。この病気が本来は、ネズミという生物種を維持するメカニズムであったとしても、同時に人間の文明を進化させる魔力として機能しているのかもしれない。

 現在、世界に存在するペストの巣窟は3つにとどまらない。4回目の世界流行の果てに、それは北米の砂漠地帯にも新たな拠点を築いたのである。これら巣窟の周囲では、最近でも年間2000人前後のペスト患者が発生している。抗菌剤が発達した現代、その死亡率は10%以下に低下しているが、近年は抗菌剤に抵抗性のペスト菌も少しづつ出現しているのである。

 最後の世界流行が発生したのは19世紀末のことで、300年周期とすれば次の流行は22世紀あたりになるだろう。しかし油断は禁物である。ペストは文明の停滞や堕落を常に監視しているのだ。

 カミューは「ペスト」の最終章を次のような文章で結んでいる。

 「人間に不幸と教訓をもたらすため、いつかペストは鼠どもを呼び覚し、何処かの幸福な都市に彼等を死なせにやってくる」

参考資料
ペスト大流行 村上陽一郎著 岩波新書 1983年
ペストは今も生きている C.T.グレグ著(和気朗訳) 講談社 1980年
ペストの文化誌 蔵持不三也著 朝日選書 1995年
ヨーロッパの黒死病 クラウス・ベルクドルト著(宮原啓子、渡辺芳子訳)国文社 1997年

 

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周期的に流行したペストと同様に「ウイルス」もまた人間に対し

「人間が如何に無力で、脆弱な存在なのか」知らしめに訪れる。

ハーメルンの伝説は、13世紀も21世紀も人間の本質は変化していない

寧ろ、大事な教訓を世代交代と共に風化させてはいけないことを伝える。

 

今日、感染したかどうか、症状も表さずに多くの人間をウイルスのキャリア

とする「新型コロナウイルス」の戦術は、非常に巧緻というか狡猾というか

まるで、透明な軍隊の攻撃を受け続けているようなものである。

 

彼らの姿は、見えないがあっという間に人間と共に移動し、あちこちに

潜み、そして命を奪っていく。上記のペストと変わらない恐ろしさである。

 

仮に特効薬やワクチンが開発されても、ペスト同様に耐性を持つように

変異し、また人間に牙を向け続けるのだろう。

 

残念ながら、そうした戦いの末に我々現代人は、生き残りそのDNAを

繋げて進化してきた。進化には多くの犠牲を伴ってきたと言える。

 

免疫を得た個体、或いは抵抗力が強い個体が生き残っていくという

非常に厳しい自然の摂理を改めて思い起こし、今を生きる私達は

ペストに苦しんだ人々よりも進化し幸せにならなければならない。

 

私達に続く子孫に「21世紀、現代の”ハーメルン”の伝説」として

より役立つ教訓やノウハウ、技術に昇華させていく事が重要だ。

 

何よりも「あなたが、私が、この時代に一生懸命に生きる」事こそ

大切であろう。

■頻繁な異動で「社員のプロ化」を阻む日本企業

 どうして日本企業はそんな「無駄な人事異動」をするのか。理由は簡単、人件費を安く抑えるためです。担当者が「プロレベル」になると、給与は高くなっていきます。その前に異動させて、コストを抑えるのです。

 日本の企業では製造業文化に起因するゼネラリスト志向の人材育成が長く続いています。社員は頻繁な異動や年功的な給与を受け入れており、一定の時期まで同期とは横並びで処遇されます。

 2016年に経済産業省が行った『IT人材に関する各国比較調査』によると、日本ではIT人材の平均年収が国内全産業のそれに比べても、さほど高くありません。2倍以下の水準です。一方で、インドやインドネシア、中国では7倍から10倍になっています。

 プロフェッショナルのエンジニアなど給与が高騰していることがわかります。アメリカでも2倍以上の水準で、IT人材の平均年収は1000万円以上。日本のIT人材の倍近くを稼いでいます。これは裏を返せば、日本ではIT人材の人件費を抑える仕組みが「成功している」と考えられます。

 日本企業が人件費抑制に「成功している」となれば、働き手は年収が上がりにくいということになります。2018年に国税庁が行った『民間給与実態統計調査』によると、日本の平均給与は441万円。世界3位の経済大国とは思えない金額です。アメリカのように、20代や30代で年収1000万円を稼ぐのは至難といえます。

 

大企業で長く働いていても、異動を繰り返した揚げ句、何の専門性もない立派なゼネラリスト人材となり、1000万円はおろか、社外では通用しない残念な人材になってしまいます。むしろ無意識に偉そうな態度や言動を平気で撒き散らす老害廃棄物だ。

 日本企業では「役割に見合った能力」で人材の配属を決めることは少なく、単なる「ジョブローテーション」によって人を動かしています。企業は人材に「このポジションについたら、必ず〇〇の結果を出す」といったことを明確に求めません。個人でなくチームで結果を達成させる仕組みになっており、個人は専門性が身に付かないのはもちろん、1人では何の結果も出せないのです。

 外資系企業ではポジション採用が行われており、新卒であっても入社時から専門分野・役割・達成すべき目標などが決まっています。そこで5年働けば、その専門分野でのプロフェッショナルになるだけでなく、自分を「ブランド」として捉えるようにもなります。5年でプロフェッショナルになっているわけですから、1000万円の給与を目指すことに現実味が出てきますし、すでに達成していることもあります。

 

会社間での会議でも日本企業からは、ゾロゾロと複数名が来る。大人数でやって来て「会社の層の厚さ」を見せつける。しかし、会議には権限と責任を持っている人が出席すればいいのです。日本企業を代表して誰か1人、こちらと話し合ってくれるほうが断然効率がいい。それぞれ個人のスキルを伸ばすことにもつながりますし、当然、商談がうまくいったあかつきには自らの給与に反映されることにもなります。

 

 外資系企業で年収1000万円超えの社員は、キャリアのセルフプロデュースをつねに行っている人ばかりです。「法人営業に特化していることを自らの強みにしていく」「若輩者に見られると損するから、服装は地味にしている」「売り上げにつながらないと見極めたら、その顧客は切る。限られた時間で売り上げを上げる」といったことを日々、実践しています。

 徹底したセルフプロデュースが可能なのも、仕事で求められることが明確なうえに、自分がそれをどう達成するかに対して裁量も与えられているからです。「メールには必ず上司をCCに入れていて、上司も逐一確認している」というような仕事のやり方は、1000万円超えの外資系社員には無縁。仕事に関わる人が多くなるほど、人件費などムダなコストが増えると考えるのです。

 

実際、社名にこだわったところで、その会社が10年後に存続しているか、わかりません。役職にこだわったところで、転職して同じ肩書で通用するかは別の話です。より現実的に、より客観的に自らの市場価値を測ろうとすれば、社名や役職や肩書ではなく、報酬ベースを物差しにするほうが論理的な思考といえる

 

■「石の上にも3年」の辛抱は、日本企業で役に立たない

 日本企業にも結果を出している優秀な若手がいますが、30代のうちに年収1000万円を目指すなら、外資系企業への転職もおすすめします。

 転職に否定的な人ほど「石の上にも3年だ」などど、辛抱を推奨する言葉をよく使うように思いますが、自分の実力を上げて給料を上げるためには、同じ会社でなく同じ職種で「石の上にも3年」を目指すべきです。実際、同じ職種を3年続けてもプロフェッショナルにはほど遠いと思いますが、日本企業にいる限りは3年で次の職場への異動になってしまいます。

 外資系企業で働けばプロフェッショナルなキャリアを必ず築けるというわけではありません。結果を出せなければクビになります。一方で、クビになる人はすぐになるので、結果がわかるのも早く、短期に軌道修正が可能です。

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もう既にコテコテの日本企業に30年以上勤めた経験者としては、

この記事の内容に全く納得する。日本で世界でも展開するグローバルな一部上場企業に勤め、2〜3年おきに異動・転勤を繰り返しても単に年功序列の年功だけとなり

異動先での状況・都合だけの対応や仕組みに右往左往させられ、およそ積み上げてきたキャリアなり専門性は、活かされない、というか資格取得などの専門性を多少出すと「出る杭は打たれる」とか、「丸投げ」されるだけで評価はされない。

 

それだけ苦労してキャリアと経験を積み重ねてきたんだから、さぞ市場価値も高いだろうと思いと唖然とするほど、価値は無い。何故なら若くてこき使える若年労働力の方が、安い給料でスタミナもあるから「燃費がいい」からだ。

 

優秀な大学を卒業して、有名上場企業に入社したらスキルを磨いてプロになる事よりも、如何に逃げ回って責任回避して定年までしがみつくことの方が大事になってしまう。もし資格取得するなら専門的な分野で複数保有しないと意味がない。

 

加えて、勤めている会社だけでなく国内外どこに行ってもプロとしてのパフォーマンスを発揮できるかどうか、これだけが自分の価値を決めるメジャーとなる。

この記事を書いている2020年2月25日現在、中国・武漢に端を発した

新型コロナウイルス(COVIT-19)による死亡者は世界で3,000人に迫り

顕在化している感染者数は、80,000人に届く急増拡大が続いている。

 

既に日本に於ける水際対策は失敗し、検疫は機能せず疫学的な罹患ルート

のトレーサビリティは失われた。つまり市中に極めて感染力の高いウイルスが

ばら撒かれた状況となっている。

 

この為、今夏に予定されている東京オリンピックへの影響も懸念されており

「いつ、この新型コロナウイルス感染が収束するのか?」が最大の関心事だ。

 

翻って人類が経験したパンデミックの歴史から、今後を予測してみる。

まだ、WHOは新型コロナウイルスの感染拡大をパンデミックと宣言していない

が、日々一刻一刻と事実上のパンデミックになりつつある。

 

明確な記録があるパンデミックは、1918年3月にアメリカから発生した通称

「スペイン風邪」(A型インフルエンザ)であり、1919年もしくは1920年まで

1年以上の世界的な感染拡大感染者5億人、死者5,000万~1億人と言われ

爆発的に流行した結果くの死者が出て、徴兵できる成人男性が減ったため、

第一次世界大戦の終結が早まったといわれている。

 

尚、近年の研究で当時のインフルエンザウイルスの前駆体となるウイルスは

既に1907年に発生していたとされ、10年近い時間をかけて非常に強力な

感染力と致死率を備えたウイルスとなって蔓延したと分析される。

 

このスペイン風邪による肺炎、呼吸機能の不全によって当時の皇族・大臣も死亡

世代的にウイルスに対する免疫を持たない人類が戦死者よりも激甚に死に瀕した。

勿論、このスペイン風邪以前にも中世ヨーロッパでのペストや平安時代の天然痘

の流行などで大規模なパンデミックの歴史が存在するが、まずはこの歴史や経験を

改めてキチンと紐解く必要があるのではないか。

 

仮に今回の新型コロナウイルスが、当初言われていたように接触・飛沫感染に

限定されず、エアロゾル感染もしくは空気感染もあり得るとすればスペイン風邪

と同程度か、それ以上のインパクトが想定される。

 

その場合、スペイン風邪流行当時に第一次世界大戦下であった事を差し引いても

現在のグローバル化やLCCの発達、大型のクルーズ船や大型の商業施設の増加

といった要素を加味すると、余程早期に特効薬が開発されない限りスペイン風邪

同様の感染拡大期間となるだろう。

 

つまりウイルス感染による医療崩壊、サプライチェーンの分断、経済活動の低下

というダメージを織り込むと感染前の状態に完全復旧するには、少なくとも

1〜2年以上掛かる見込みである。

 

免疫・抗体が得られて体調回復しても、ウイルスを保有し感染源になる人も

多くなる可能性がある。しかも風邪やインフルエンザとの区別する検査体制も

整わず、特効薬やワクチンも無い状態が続けば、更に長い期間ウイルス禍は

ダラダラと続く可能性が高い。

 

人々の外出、移動、集合といった活動が制約され、当然直接的及ぶ間接的な

経済活動が停滞し、まさに第一次世界大戦・スペイン風邪の後に訪れた恐慌

が世界を覆う危険性も増している。それは「分断の時代」の再来になる。