the Mix of Forging and Branding -2ページ目

「ハーバード流宴会術」(著:児玉教仁氏)を読んで

ハーバード流宴会術/大和書房

¥1,512
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「宴会術」この言葉を見て自分の得意分野の一つと考えているものの、本当に得意分野と思っていいのか?しかも「ハーバード流」と本のタイトルにつけていることで上品さ、知的さを感じ、より一層気になり、購入しました。
読み終わった後には、共感できる内容が非常に多かったと感じました。スケジュール調整の方法、店の下見、行きつけ、メディアの活用、さらにカラオケでの対応まで自分自身の過去と一致することが多かった。特に大学の研究室時代の自分と重なりあう部分が多かった。またこの本を読んでいて、面白かった点はハーバードの学生たちと著者との交流体験。私はアメリカ人の飲み会のノリが未だに分からない。彼らに「踊れ!!!」と依頼されても嫌そうな顔をする。「Why are you so SHY?」と彼らは聞くが、「恥ずかしいわけではない、おまえらのノリが分からん!」と言い返す。この本を読むことで少しアメリカ人との飲み会での対応方法を学べた気がした。そういう角度から読んでも面白い本だった。

~内容~
本書では宴会を開催する前段階から実施までの流れを丁寧に書いており、その内容を「イノベーションのジレンマ」「競争戦略」「ブルーオーシャン戦略」などのハーバードビジネス大学から出版している本や戦略を組み合わせており、ビジネス書の好きな人でも楽しめる内容である。メディア等の最大限の活用をリソース戦略などと例えたり、カラオケの選曲をマーケットインかプロダクトアウトか判断したり、宴会術とビジネス戦略との関連性を作る著者のうまさを感じる。
内容そのものは個人的には共感できる部分も多く、一言で言うなら「宴会のための準備」である。準備で80%決まるという私の考えと同様、宴会も準備で80%ほど決まると考えている。この宴会における日本人の準備力は世界的にみても私は高いものであると考えており、それが今後のアメリカ人との飲み会でするべきことだと考えている。
ピンポンパンや尻文字ゲームやグーグルゲームなどは使えると思った。

~好きなフレーズ~
最後の章「この最高の今日に心から乾杯しよう」という言葉はいいですね!
「創造的な対話の場だけでなく、体験共有や参加者間に相互信頼を築く媒体」を作る!

「取締役の心得」(著:柳楽仁史氏)を読んで

取締役の心得/総合法令出版

¥1,620
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昨年からDirectorに就任した私にとって「読むべき」本でした。組織論や法律論から見た取締役の役割と対応する際の心得や考え方が簡潔に、また論理的に書かれております。本書の「はじめに」では、経営者の右腕・左腕に読ませたい本を目指していると書かれているが、著者の志も納得できるほど内容がしっかりしている本です。本書では、取締役が会社経営に関するプロフェッショナルになるべきことを説明しており、一般管理職とは同じ心得では駄目だと強く訴えています。


~本の内容~
本書は部長と取締役の違いを契約という視点から切り崩すことでストーリーが始まる。部長は雇用契約に対して取締役は委任契約であり、労働法等による保護が一切適用されない契約となる。一般人では対処できない専門的な事柄を専門家に依頼するときに交わされる契約であり、いわば経営のプロフェッショナルとして会社との契約を結ぶことになる。
本書では取締役の重要な仕事はトップのビジョンや思いを実行に移す参謀役、次世代リーダーを育成する教育者、組織の体制を変える改革者など様々な表現を使っている。個人的には経営者のビジョンを実現するためにヒト・モノ・カネ・ジョウホウを活用し、人においては目標となる行動指針を示す参謀役だと思う。
また本書では「取締役病」という表現で、取締役が陥りやすい状況や思考が書かれている。例えば、「今は業績がいいからという過信」成長しているときこそ基礎や企業活動の本質的価値をしっかりと抑え、強化することが取締役の役割だと書かれている。そのような取締役病からの展開が非常に面白い。トップとの人間関係についても書かれており、最後にできる取締役の共通点でまとめている。

そのできる取締役の共通点は、
1. スピーチがうまく、数字に強い
2. 品位を身にまとっている
3. 身銭をきって他社の研究を行う
4. 時間の大切さをしっている
5. 自社株を買って経営センスを磨く
6. 歴史書や古典を愛読
7. 独自のジョウホウルートを持っている
8. 人脈拡大よりも自分自身を磨く
9. ストレスをエネルギーにかえる



~著書内で好きなフレーズ~
1. 人脈は数ではなく鮮度!
2. 重役とは、未知への探求をする役である(藤沢武夫氏)
3. 組織と戦略は互いに影響を及ぼし、また影響を受けることで相互作用を通じて形成される
4. リーダーシップはあくまでも率先垂範を伴うものだ
5. マネジメントとは社員の才能を仕事を通じて開花させることだ
6. 業績をあげる最大のカギは責任感である。権威や権限ではない(ドラッカー氏)
7. 責任>(大なり)権限

「日本企業の進化論」(著:ベイカレント・コンサルティング)を読んで

日本企業の進化論/翔泳社

¥2,700
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広島で時間が空いたので、新しい本を購入するために駅の近くにある福屋(百貨店)にいきました。営業学、経営学に関する本を購入しようと思ったのですが、目に入ったのが「日本企業の進化論」という本でした。アメリカで現在働く私にとって日系の優位性はあるのか?という疑問を常に持って行動しているので、さらなるグローバル化が進んでいく中、この本が私の目を惹きました。


~本の内容~
本書は株式会社ベイカレントコンサルティングの方々によって書かれた本です。ベイカレントコンサルティングは金融、通信、官庁など幅広い企業のコンサルティングを行っている優良企業です。従いまして、本書に書かれている内容も非常に深いものであると期待をしたのですが、各章が異なる著者によるものでしたので、書き方、章の構成、各章間での連携などに統一性が欠けており、内容自体の深さのバラツキもありました。従いまして、「一冊の本」として何を伝えたいのか若干分からない本であるイメージも受けました。
但し、やはり本書の内容で興味を惹いた部分もあります。特に「第13章 金融業界のグローバル化における進化論」の内容と章の構成は金融業界に属さない私も読んで勉強になりました。書かれていることが「別に日系だけの課題ではない」や「それは海外に展開する以前の課題」と思える内容も多かったのですが、この章はグローバル化や海外進出に伴いどのようなリスクが存在して、対策法として考えられるのか分かりやすく書かれていた気がします。
カントリーリスク、為替リスク、原材料リスクなどがある中、グローバル共有したルールを社内で作り上げ、顧客との取引・商談方法などは各地のルールに従う方が懸命という内容には納得しました。


~著書内で好きなフレーズ~
1. データに関しては「精度」と「鮮度」の2つの側面でハードルが存在しています。
2. 危機管理として何をどこまで行えばいいのか分からない。(実態の本質をついている。)
3. 21世紀のリーダー人材(リスクをとれるタフなマインドセット、スピーディーにPDCAをまわしていけること、、論理的な問題解決力、実行力、人間力)