the Mix of Forging and Branding -3ページ目

「大前研一と考える『営業学』」(著:ビジネスブレークスルー大学大学院教授陣)を読んで

大前研一と考える 営業学/ダイヤモンド社

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どうしても「営業」という職種は医者や弁護士などに比べると専門性がないように思える。
会社内の技術者と比較しても専門性がなく、「便利屋」という枠に当てはめられる場合が多いかもしれない。しかし本書では営業マンこそ顧客に最も近い位置で活躍しており、専門職でいわれるプロフェッショナルを目指すべきだと書かれている。大前研一氏が編集ということもあり、営業をする上で持っておきたい知識がたくさん含まれている本だと個人的には思った。

~本の内容~
本書では営業こそが顧客に最も近い位置にいるため、プロフェッショナルを目指すべきと書かれている。私も会社にかれこれ6年目になるが、魅力的な営業マンには様々な知識や発想を持っており、顧客との商談の中で瞬時に対応できる処理能力なども持っている。魅力的な営業マンと平凡な営業マンの違いは?営業に本当に必要なスキルは?この本ではそのような疑問点を解決してくれる。

さて、具体的な内容ですが、営業のプロフェッショナルが先ず必要とする能力は下記2つである。

①マーケティング・リテラシー:マーケティングに関する体系的な知識
②ロジカル・コミュニケーション:論理的に考え、伝える力

営業をする上で最も基本となるのが「製品を売るのではなく、価値を売ること」である。ソリューション営業、問題解決型営業など言い方は色々とあると思いますが、言いたいことは一つである。
その価値を売ることの重要性をしっかりと分かるためや実行するためにマーケティングに関する知識が必要である。例えば、プロダクトアウトではなく、マーケットインの考えであるべきことや顧客のロイヤルティを考える上でマーケティング・リテラシーは重要である。但し、本書でも書かれているがマーケティングとセリングを混合して考えると間違えを招く可能性がある。

次に重要な能力としてロジカル・コミュニケーションがある。ロジカル・コミュニケーションを実施するために質問力や仮説をたて、検証する能力を向上することが重要だと書かれている。顧客の本当のニーズやウォンツを引き出すために、または顧客に信頼してもらえる人材になるためにもこの能力は必須である。

以上の内容がより細かく、分かりやすく書かれているのが本書である。目新しいことが特に書かれている訳ではなく、本当に営業として必要なコアな部分のみしかピックアップされておりませんが、自分自身が営業で悩みを抱えたときに手に取りたい一冊である。

~著書内で好きなフレーズ~
1. 数字の代わりに「行動を詰める」ことを求めました。
2. セリングとマーケティングを混同しています。
3. ストレス・マネジメントではストレスの原因(ストレッサー)に目を向けて解決しようという動きが多くの人に欠落しているのです。

「黒すぎる心理術」(著:マルコ社)を読んで

他人を支配する黒すぎる心理術/サンクチュアリ出版

¥1,404
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ジャケ買いという言葉がある。CDやDVDの内容を全く知らず、パッケージから好印象を受けて買ってしまうことである。この本は私にとってまさにジャケ買いであった。「黒すぎる」という言葉に惹かれ、本そのもののカバーも怪しい。そんな期待をもって読んでみたが意外とシンプルで心理学に基づいて分かりやすく書かれている。但し、黒すぎない!!!
普段の自分の行動を心理学の観点から振り返りたい方にオススメな本だと感じた。

~本の内容~
心理学のはじまりから他人に操られないための心構えまで本の構成としてはしっかりしている。歴史上の人物をを事例に、彼らの周りの人たちが受けた心理的影響が書かれており、この部分は面白かった。アメリカの大統領の服装が紺のスーツ、赤のネクタイ、白いシャツにも心理学的な意味があり、なるほどと感じた。
但し、この本のメインである第四章の「他人を支配する黒すぎる心理術」では物足りなさを感じた。繰り返し似たような内容が書かれていたり、目新しいことも少なかったりした。人間関係を円滑にすると書かれているが、人の善を欺くようなこともあり、自分の中では共感できない部分もあった。例えば、「二者択一の質問」という方法は二つの選択を与え、あたかもその二択しかないように回答者を思わせる心理術である。賢い人であれば第三の答えをいうのですが、なんとも小作な心理術だと思った。それが黒いといえば黒いのかもしれないが、

~著書内で好きなフレーズ~
特に好きなフレーズはなかった。
「ランチョン・テクニック」のような好印象の話を引き出すような心理術は共感をした。

「『人の上に立つ』ために本当に大切なこと」(著:John Maxwell 訳:弓場隆氏)を読んで

「人の上に立つ」ために本当に大切なこと/ダイヤモンド社

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人の上に立つというシチュエーションは誰にでもあると思う。会社の経営者、飲食店の店長、体育祭の応援団長など人生においていろいろなリーダーが存在する。そのような状況に立たされたとき、そのリーダーの手腕は人格的資質によって決まるというのが本書の大きなストーリーです。どうすべき、どう考えるべきなど細かく書かれており、自分自身がリーダーとなったとき、又はリーダーに適しているのか迷ったときに読んでみるべき本だと感じました。

~本の内容~
本書では優れたリーダーになるための21の人格的資質について丁寧に説明している。著者が外国人であるため、本書のたとえの多くが米国で実績を残した方であったり、翻訳が若干難しかったと予測される部分が多少なりとある。
21の人格的資質には、「カリスマ性」、「コミュニケーション能力」、「洞察力」、「独創性』などあるが特に私自身に響いたのは「勇気」と「ビジョン」である。

「勇気」
本書では勇気は自分の恐れていることをすることであり、恐怖心がないと勇気を持つこともありえないと書かれている。勇気という感情にそれほど考えたことがなかったのでこのように勇気を表す書き方は自分自身には新しかった。「怖いもの知らず」という言葉があるが、そのような人はけして勇気を持っているわけではないと感じ、だいたいの方々は恐怖を感じながら、でも勇気を持って行動しているのだと改めて感じた。より強い恐怖心を経験することで「今まであのようなことがあった」と感じれる。だからといって恐い経験をするわけではないが、安全な道だけでは企業や組織の発展を妨げる場合もあれば、仲間や同僚のモチベーションを低下させる要因になり得る。


「ビジョン」
リーダーに取ってビジョンを持つことは最も重要である。そのことは本書にも記載されており、私自身も同じ考えを持っている。ビジョンこそ、その人のリーダーとしての器を形成するのだと私は感じており、より明確にビジョンを描けることによって目標を達成できることが可能だと思う。例えば、私自身小さい頃はNBAの選手を目指しました。小さいことは自分自身NBAでプレーできると思っていたが、年齢を増すごとにそのようなビジョンが透明になっていき、描けなくなった。おそらく小さい頃の方がNBAへの活路が見えていたが、年を増すごとに現実との差を痛感し、心の中で諦めが生じたのだと思う。そのことからも分かるように人にはできないと思ったことはビジョンにできないし、できると思ったことはビジョンはできるものだと思う。本書ではそのビジョンの重要性を示している。


~著書内で好きなフレーズ~
1. 他人に対してできる最も偉大な善行は、自分は持っている富を分かち合うだけではなく、他人が持っている富を本人に発見させることだ
2. 自分は何に対してなら命をかけられるか
3. 勇気とは、恐怖心を抱いていないということではなく、恐れていることをすることであり、慣れ親しんだ世界を離れて新しい領域へと突き進む力を持つことである
4. 行動計画にはコストとリスクがつき物だが、それは快適な場所に安住することに伴う長期的なコストとリスクに比べれば、はるかに小さい
5. 「人から認められたい」という気持ちを捨てる
6. 「失敗を犯さない人は進歩しない」と主張した。これは真理である。しかし、同じ失敗を繰り返すリーダーもまた進歩しない。