今年の冬は寒い
いつかの天気予報で予報士の方が今年は夏から秋らしい秋がなく、突然寒い冬が来ると言っていました。
人は寒いと買い物をするようです。
小売の会社の取材に行くと、"寒かったので売れました”とかいう話を聞くのですが、実際一昨日発表になったユニクロの既存店売上が良かったのも10月にとても寒い日があったからというコメントがありました。一般的に単価も冬物は少し高めというのもあると思いますが。
今日、ユニクロの株は8%弱上がっています。
でも、夏が暑いから既存店売上がいいという話はあまり聞きませんよね。
寒い冬に既存店が良くなるのは、心理的なものが関係しているのか調べたくなりました。
日本株は買い時か?
10月末時点での世界の株式市場のパフォーマンスを見ると、年初来で日本が約10%下落、米国約10%上昇、英7%上昇、ドイツ約12%上昇、スペイン7%下落、フランスとんとん、香港約7%上昇、上海約6%下落(しかし香港上場中国株は4%上昇)、韓国約10%上昇。 円が12%上昇(円高)。
日本株の悪さが目立ちます。
全上場銘柄のスクリーニングをしました。
70% 株価が一株純資産以下
70% フリーキャッシュフロー(FCF)はプラス
40% がネットキャッシュ(現預金+有価証券-負債)
10% の企業の時価総額が貸借対照表のネットキャッシュよりも低い
25% 配当利回りが3.5%以上
日経225のPBRは1.07倍
自社株買いを発表する企業が増えている
機関投資家、個人投資家はさまざまなリスクを考えて投資をする必要があります。
しかし、これを見て思ったのが、日本の会社の技術、ブランド価値などがほしい会社からしたら、安くないか?
戦略的買収者の投資回収から見たら魅力的なレベルかもしれません。
実は、ある会社について個別に調べていたら、EV (Enterprise value=ネットデット+時価総額)がその会社が1年で生み出せる予定のFCFより小さかったです。PBRは0.7倍。
おそらくこのような会社はちゃんと調べればもっとあるはずです。
株式市場が評価しているより、戦略的買収者が企業価値を査定するほうが、このような会社の場合高く評価されるでしょう。
機関投資家として、このような状況をどう捉えたら良いかを精査する必要があります。
同時に上場企業側も、敵対的買収がしづらい日本だから安心せずに、再び持ち合い解消が進みつつある環境下、買収されるリスクを考慮し”市場”をある程度意識した経営をしてほしいです。
追伸:
私の考える株式市場の短期的なリスクは以下の通り、
最近は市場の流動性が少なくなっているので、株価が大きく上下する
日銀の緩和策の効果が市場には現れない
欧州のCDSの開き
カリスマ・リーダー
日本電産がGEとボッシュの電気モーター事業を買収したいという話がFTに出ています。
この円高を利用し企業価値を上げようとする永守社長はさすがです。
円高になって引け腰になっている企業にも見習っていただきたいです。
私は基本的に場中はあまり外出をしないようにしています。
しかし、日本電産の説明会だけはできる限り出席するようにしてます。
これは私自身いち経営者として永守さんの話はどうしても聞きたいからです。
『カリスマ経営者』
多くの投資家は彼からパワーをもらっていると思います。
第一四半期の決算説明会のときに、特にそう感じました。
電子部品業界に陰りが出てきて、同社の受注も少しスローダウンしていたときです。
円高が進行し、株式市場もあまり明るくなく、説明会開始前の会場は何となく沈んでいる雰囲気でした。
しかし、永守さんが話し出すと会場は笑いに包まれました。
不思議です。
この方が経営する会社であれば何があっても大丈夫と思わせるリーダーシップ。
このようなリーダーシップを日本の政治家も身につけていただきたいと思います。
インサイダー取引疑惑
日経が公募増資前の銘柄の株価の動きからインサイダー取引の可能性について東証とSESCが調査していると報じました。
これがいつどのようなタイミングで事実かどうかはっきりするのかが気になります。
今までのインサイダー取引事件では、ファンド等の不正があったことが証明されるまでに数年かかっていたような気がします。例えば、某PEファンドのインサイダー事件も2-3年前のものが今年発覚していました。
マスコミ報道者、企業関係者の不正取引は見分けがつきやすいと思いますが、ファンドのは不正の立証は難しいのでしょうか。海外の方がこのような事件が明るみになっているように思います。
この業界で働くものとしてはインサイダー取引は許しがたいことで、不正を働いている人たちは罰せられるべきと強く思います。
しかし、その一方で増資などに関しては、企業のバランスシートやキャッシュフロー等を分析していればどの会社が増資をする可能性があるかなどは想像つく場合もあります。
このように、分析した結果空売りをしていたファンドもインサイダーの疑いを掛けられてしまうようになったら、それこそ日本の株式市場にとって非常にネガティブです。
東証、SESCが厳密な調査をされることを願います。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_conewsstory&sid=aZ8Tt_WwRSkY&tkr=9501%3AJP
嫌な感じ
月末の今日は大きく株式市場が下がっています。
昨日に続いて欧州のCDSが更に開いています。
為替も再び80円台に上昇しました。
今月の世界の株式市場は上がっています、中国10%以上、欧米2-6%ですが、日本は2%以上下落。。。
さすがに乖離が開きすぎているような気がします。
日本225のPBRは1.07倍くらいです、このレベルはグローバル先進国市場で一番安いです。
キャッシュリッチの日本企業はこの円高のときをチャンスとしてROEを改善するような積極的な海外買収とかに動いていただきたいです。
気になる
クレディーセゾンの子会社のセゾン情報システムズが最近気になります。
5年ほど前に某ヘッジファンドにいた頃、セゾンによる完全子会社化があるかなと思い取材したことがあります。
それが、この2ヶ月ほどで株価がこんなに上がっています。
株主構成を見れば分かりますが、某M上ファンドの方々が作ったEキャピタルが2番目の株主として名が上がっています。08年9月に大量保有で初めて出ましたが、最近また増やしてるようですのでそろそろ何らかのイベントがあるのかな?とわくわくしてます。
記憶に新しいかもしれませんが、昨年ダイワボウ情報が親会社だったダイワボウに完全子会社化されました。
当時の大株主はEキャピタルでした。今回のセゾン情報も名前が似ててなんとなく験担ぎか?!と思ってしまいましたが、成功するをお祈りします。
日本株式市場を活発化するためにも多くのファンドに成功してほしいです。
ただ、個人的には同社株を買うのはリスクがあると思います。
過去に保有していた学研に対して当時の代表取締役の再任に反対する株主提案をしたが(09年6月)通らず、Eキャピタルが持っていた株(発行済みの約20%)の買い取り請求権を行使しました(09年9月)。買取価格は230円で決定しました(10年6月)。Eキャピタルが初めて大量保有で名が出たのは07年7月、08年1月には20%弱保有していました。
下のチャートを見る限り、買取請求をしたときから1ヶ月ほどで株価はピークアウト下落してます。これで儲かった人はいったい誰なのでしょうか。。。
Buy on the rumor, sell on the news
株価は需給で動くので買い手がいれば上がり、いなくなれば当然下がります。
ご参考までにEキャピタルの保有株リストは以下の通り:
日産車体 18.93% (発行済みの)
立飛企業 17.48%
新立川航空機 21.68%
セゾン情報 22.78%
鳥居薬局 7.57%
TOC 7.45%
三井金属エンジニアリング 13.12%
ナイガイ 16.21%
ダウンサイドが限定的な株を買いましょう。
買う前に、この会社の株価が上がる確率がどのくらいあるか、下がる確率がどのくらいあるかを考えてください。
加えて、企業の有価証券報告書や決算短信に目を通して、収益率や貸借対照表の分析をし、自分が考える正当な株価水準を頭に入れて置いてください。
最後にどういうキャタリスト(きっかけ)があって自分の想定する正当な株価に辿り着くかをイメージしてください。
円高に
再び今朝から円が強くなっています。
二日前の介入(といわれた)ものもむなしいです。
欧州のソブリンCDSがまた開き始めました
今日はまた日本企業の決算が沢山発表されます。それと、金融政策決定会合も午後にあります。
どういうイベントがあるか楽しみです
今夜はアメリカの雇用関連の発表があるので、ちょっと様子見な市場になる可能性があるかと思います。
思うこと
株式市場の出来高が減少しています
今年は全体的に少ないが、8月に入ってから少しづつ減少して、円売り介入のときには一旦はにぎわいましたが、ここ最近は取引先の証券会社も非常に少ないと嘆いています。
私が見る日本株式市場の最大のリスクポイントはこの流動性の減少です。
そもそも、投資家は日本に興味がないように思えます。
非常に冷めた目で日本を見ているのではないでしょうか。
* ミクロは良くてもマクロがだめ
- 特に欧米の弱さは日本企業に影響を及ぼします
* だめな政治
- 欠如したリーダーシップ
* 中国問題
- それでいいのか?!と思わせる中国の暴走に対する日本の対応
* 円売り介入
- 日銀と政府の連携が取れていない。個人的には円売り介入が7月や8月にパフォーマンス程度ででもやっていたらファンドの換金売買、つまり円売り・ドル買いを促せたかもと思います。今更ちょこちょこ介入をしても残念ながら市場は大きな反応をしません。
一方、商品市況が元気です
金、銀、銅、大豆、小麦、砂糖などきれいに右肩上がりです。
最近、テレビCMでも金の購入とか宣伝していますよね。実物を買うのも良いかもしれませんが、手軽に少ない手数料で投資できるものとしてはETFがあります (http://www.tse.or.jp/rules/etf/esquare.html
)。
ただし、注意が必要なのは下のチャートが示すとおり単純に1326のETFを買っても実際の金価格のパフォーマンスに負けます。しかし、同時に同額の円買い、ドル売りを行なっていればほぼ同等のパフォーマンスが取れたことになります。これは他の商品に関しても同じことが言えます。
こんなときは、何に投資するべきか?
やはり基本に戻ってファンダメンタルスの良い会社ということになります。
実際、ここ数ヶ月の上位パフォーマーは良い業績を出してきている会社です。
ちょっと語弊があるので、正確に言い直すと、「期待よりも良い業績を出した会社」です。逆に期待より下の会社は失望視されています。
今は丁度決算期なので、タイミングとしてはいいですね。
これを分析するのが心理ゲームのようで投資の楽しさであります。
『投資は連想ゲーム』
『投資は連想ゲーム』
円高傾向だったらその恩恵を受ける会社はどこか?
デフレだったらその恩恵を受ける会社はどこか?
商品市況が上がってるのであればその恩恵を受ける会社はどこか?
身近にある情報から面白い投資先を見つけましょう


