戦うアトム日記 -3ページ目

通信セクター

通信セクターの株価の動きに大きな乖離が発生しています。

今年はi phone人気でソフトバンクが好調なパフォーマンスでした。証券会社のアナリストも皆好きな銘柄ですが、上がりすぎたので投資評価を下げている人も出てきました。

そして、10月22日に1000億円(~2011/3/31まで)の自社株買いを発表したKDDIも発表後は大きく上昇しています、この金額は発行済みの5%超です。

一方、11月9日に自己株の消却を発表したNTTは下がっています。

そして、冴えないのはNTTドコモ。i phone人気に負け、本業もあまり明るくない同社の株価はじり安です。

しかし、このコメントを書いていたときにドコモが200億円(2011/1/28まで)の自社株買いを発表しました。今回の金額は発行済みの0.38%程度ですが、既に5%程度自己株を保有しています。


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KDDIはキャタリスト(きっかけ)がないまま株価は長期低迷しているときの自社株買いでした。そしてそれは代表取締役社長が代わると発表した一ヵ月後のことでした。1000億円という金額は非常に大きいです、同社は9月末時点で約850億円の現金を持っていますが、9000億円のネットデットです。11月末までに430億円の自社株買いを終了しています、その後買収とかも発表しているので、残りどの程度行なう予定なのかが気になります。


NTTドコモは、過去に何度も自社株買いをしています。現金は5300億円ほど、ネットデットは800億円程度。

業績面ではまだ改善は見えていませんが、i phoneの1人勝ちだったスマートフォン業界にドコモ、KDDIが入ってくることで少し変化が起こると考えています。

バリュエーションは業績の改善が見えないと際立った割安感はないものの、チャート的にはセクター内の入れ替えが起こりやすいように見えます。

自社株買いが功を奏すかフォローしたいと思います。

今まで、これから

10月末から今日まで日本株は大きく上昇しました(日経225は+12%TOPIXは+11%、マザーズは+22%)。日本株以外の米株、一部欧州とアジア株は一桁台の上昇に留まっています。

11月に入ってから各証券会社が日本株投資に対して強気にスタンスを変更してきました。それも手伝って日本株に他市場へ投資していた資金が流れ込み他市場よりも良いパフォーマンスをあげています。

個人的には12月に入ってからは、欧州のデフォルトリスクから国債利回りは更に増加し、CDSは更にワイドニングし、ユーロも下落すると考えていました。そして、それにより欧州株式市場が調整し、世界株市場の調整につながると考えていました。しかし、リスクが高いと言われているギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアなどは11月末から今日までは少し落ち着いている状況です。その一方、安心感の高いフランスやドイツのCDSは11月末よりもワイドニングしています。それでも、欧州株式市場は先月の調整の反動からか、今月に入ってから日米株式よりも高い+58%程度上昇しています。

ここは注意深く見ておく必要があります、一旦調整が始まると日本株にも影響は出ます。

/ドルレートについては1129日に書いたとおり、米国長期金利の上昇で日米金利差が拡大している間はドル高、円安の傾向は続くでしょう。これは日本株を支える一つの要素です。

ここに112日に書いたブログ『日本株は買い時か?』で載せました10月末の上場銘柄のスクリーニング結果と1216日現在の比較をしました。

10月末 1216日現在

70%  65% 株価が1株純資産以下

31%  24% 株価が0.5株純資産以下 (PBR 0.5x以下)

10%  5.5% の企業の時価総額が貸借対照表のネットキャッシュよりも低い

25%  4.4% 配当利回りが3.5%以上

42% 34% 株価が1株利益10x以下

9%  5%  株価が1株利益5x以下

1.07 1.21 日経225PBR

全体としてはまだ割安ですが、企業の自社株買いもあり目をつぶっても買えるような超割安銘柄 (PBR 0.5x以下、PER 5x以下、時価総額がBS上のネットキャッシュより低い、配当利回り3.5%以上) は減っています。

私は日本株は他の株式市場を上回るパフォーマンスをあげると考えています。それは上記に書いた通り日本株はまだ割安、欧州は未だリスクを抱えている、米国は日本株と比較して指数は相対的に魅力に欠けているなどの理由から投資資金は日本株に入ってくると見ているからです。(でも、2004年~2005年のような上げではないと見ています)

だが、絶対的パフォーマンスで考えた場合は、最初に書いたリスクが存在していますので、日本株も調整する可能性を頭に入れておく必要があります。


上記が中長期的な見方です。

ここから少し短期的な投資の見方(年末まで)についてですが、個人的には上がった銘柄の売りもこれからは出てくると見ています。そのため、銘柄選択と自分の投資期間を見極めることが重要となります。


市場リスク

週末にアイルランドは850億ユーロ(9.4兆円)の緊急支援パッケージの承認を受けたようです。内訳は日経に書いてあった通りですが、EUから450億ユーロ、IMFから225億ユーロ、自国の国家年金積立金基金から175億ユーロの拠出をされる見通しです。

350億ユーロがアイルランド国内銀行に向けられます。

週末にS&Pはアイルランドの銀行の格付けを下げてました。2009年1月に国有化されたアングロ・アイリッシュ銀行BBB→Bへ、加えて国有化の噂が出ているバンク・オブ・アイルランド銀行A-→BBB+とアライド・アイリッシュ銀行BBB+→BBBへ。


アイルランドの対外債務の内訳および対外与信残高内訳比率
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アイルランドの対外債務は金額ではスペインやイタリアと同じくらいですが対GDP比で1044%と非常に大きいです。
ポルトガルやスペイン同様銀行の対外債務が大きい比率を占めています。

対外与信の残高では欧州銀行向けが70%、内訳としてドイツとイギリスが2割と高めです。

ここで気になるのは、6月のストレステストは本当に正確なのかです。

為替についてですが、日米金利差が拡大している間はドル高・円安は続くのは不思議ではありません。

ただし、頭に入れておくべき注意点としてFRBが長期金利を上昇させ続けるかということと、円は市場リスクが高まることきに買われる傾向があるということです。(円高にシフトした場合には、ここまで上昇をした日本株が調整に入る可能性がありえます。)

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今の欧州の状況を考えるとユーロが安定していることに驚きを感じます。

今年の春のギリシャ・クライシスのときは6月にユーロ/ドルで1.2をつけましたが、現在は1.33近辺です。

11月10日のブログで使った国債CDSのアップデートしたチャートを載せました。

現在は春のレベルを大きく上回って開いています。

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今後、欧州の為替、株式市場が下落するリスクを抱えていると考えています。

ギリシャ・クライシスが噂された3月末から見た世界主要指数のパフォーマンスは以下の通りです

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日本とリスクを抱えている欧州市場の指数は似たようなパフォーマンスとなっています。

日本が不当に下がっているという見方は最もですが、リスクを抱えている市場は本当にリスクを折り込んだと言えるのだろうかと疑問に思います。PBRで見て、来期ベースでイタリアが0.8xという以外は1.1-1.3xで推移しています。(日本は1.2x)

下方修正や増資リスクが想定される欧州金融機関の状況を考慮すると株価パフォーマンスの調整が予想されます。


そして、欧州リスクの再燃ということで株式市場全体の調整リスクがあると考えます。

テレビ局:空洞化

(両人差し指をケガし、しばらく指を休ませていました。。。少し復活したので今日は書きます)

私が就職をした頃も円高で製造業は海外展開に積極的で国内空洞化の傾向にあり、テレビ業界だけは空洞化が有り得ないので安泰と言われていました。


米国の全国ネットワーク局は80年代に入りケーブルテレビの進出で徐々にシェアを取られていきました。私は70年代後半~80年代半ばまでアメリカに住んでおりました。当時を思い返すと高視聴率を取る番組やテレビで有名になる俳優たちは沢山いましたし、テレビ番組ガイドにはぎっしりと番組名が並びヒット番組も沢山ありました。しかし、90年代からはケーブルテレビの普及率が60%を超え、テレビ局は制作費の集中と選択をし始めました。ヒット番組には映画並みの費用をかけ、その回収のためにテレビ番組ガイドには番組の再放送が増えました。それも新番組の再放送です。その後は、DVD販売と続きました。


昨今の日本のキー局を見ると20年前のアメリカを思い出します。プライムタイムに放映した最新番組の再放送を日中にやっています。これはテレビ局の制作費削減から来ている動きなのでしょう。インターネットでの有料視聴やDVD販売で収入を得るように収益形態も変わってきました。また、海外から番組を輸入し、放映するようになってきました。結果的に、需要が減った業界全体が厳しい環境に置かれています。


最近は、韓国のアイドルがテレビに頻繁に出ています。遂にここまで来てしまったかと思いました。番組だけでなく、芸能人までも。。。これぞまさに空洞化。

イベント戦略

イベント戦略は今後半年から一年間は面白い局面を向えると考えています。

1)持合解消

2)上場子会社の減少

というイベントが期待できるからです

IFRSの影響で持ち合いの解消が予想されます。既に銀行などは保有株を売っているという話も聞きます。この売り出し株に対して企業はどう対応するかが興味深いです。

キャッシュリッチな会社は自社株買いをし、それを償却またはMAに利用することも想定できます。自社株の購入でなくとも、戦略的な買い手が株を取得する可能性もあります。

親子上場の減少とは、昨年民主党が親子上場の禁止を制度化すると言ってから実際に起こっています。親会社による完全子会社などで上場子会社の数は減少しているものの、まだ400社近く存在します。私はいずれこの上場子会社の整理が進むと見ています。それは、親会社による完全子会社化かもしれないし、親会社による売却かもしれないですが、投資環境としては非常に面白いと思います。欧米にはほとんどない親子上場を無くすことはガバナンス面からしても健全です。

その後、日本株はグローバル比較できるようなバリュエーションに変化すると考えています。今までの日本株は世界の株式市場と比べて、高PER、低PBRと言われてきました。

それは、持ち合いや流動性の少ない企業の株価が正当に評価されていなかったことが一因です。それが変わることで日本市場の活性化につながることを期待します。

残念ながら

私の予想が当たってしまいました。

欧州リスクが遂にマーケットに折り込まれはじめした。

為替は当初はユーロ安だけかと思いましたが、『一国では円高は止められない』というようなコメントの影響もあり、再び円高になって来ました。

短期的な調整は予想されますが、ギリシャのときほどの影響はないと市場関係者は言っています。


調整後には再び日本株を買えるタイミングが来ると考えています。

その時にはリスクは全て折り込まれ、思いっきり買えると良いのですが。



インサイダー取引疑惑2

http://mainichi.jp/select/biz/news/20101111k0000m020140000c.html

毎日新聞の記事です。増資発表後から価格決定までの一定期間の空売りを制限する方針と書かれています。


市場はディールがあっても開いていますので、株価は上下するのは当然です。

増資や売出しの場合の価格決定までに時間があるので空売りをする『機会』を投機家たちに与えてしまっています。


数年前、分割をした会社の株は急騰し、その後急落する傾向がありました。

これは当時の仕組みにバグがあったからです(*後に説明)。それを変えたことで分割をした会社の株価が不自然な動きをしなくなりました。

増資の場合も価格決定までの期間を短くする、または価格を増資発表時に決定する方針を取ると株価の下落はある程度防げると思います。


『投機家』ではなく『投資家』が安心して投資をできる環境づくりも制度を作る人たちの責任だと考えます。



* 分割について

分割をする会社は成長性があるからと考えられています。

例えばある会社の利益が毎年倍(1億円→2億円→4億円)に増えているとしましょう。

1株利益で考えると、保有している1株の利益価値が2倍に増えていることになります。

それで、会社は1株を2分割することにしました。

今後も2倍に利益が増えるかもという期待から分割した会社の株を買いたいと思う人たちが多かったのです。


昔の分割におけるの受け渡し

ある会社が1株を100株に分割した場合(ライブドアの100分割は有名な話ですよね。。。)

親株1株+子株99株となります

親株の1株は取引できますが、子株の99株は株の受け渡しが終わってからでないと取引できませんでした。

この受渡し期間が昔は2ヶ月くらいで、その間親株のみが取引されていました。

株を買いたいと思う人たちが少ない親株を取引することで株価が急騰しました。

子株の受渡しが終了すると市場に流動性が出て、需給が落ち着くことで株価は一旦は下がる傾向がありました。

今は、そのような不合理を無くすために受渡期間を大幅に短縮しましたので、不自然な株価の動きもなくなりました。



欲張らない

11月に入ってから珍しく日本株が他市場をアウトパフォームしています。平均で6%上昇していますので、個別株ではかなり利益が出ているのではないでしょうか。

年初来で少しづつ追いついているという感じです

日本株は割安感があるので当然です。


しかし、私が伝えたいことは、時には投資を抑えて現金で持っておいた方が良いときもあるということです。


私は今がその時と考えています。

短期的かもしれませんが、上がった株は利益を確定し、そろそろリスク資産を減らしたほうがいいと考えています。

理由は欧州国債がワイドニングしているからです。

先週も書いたとおりギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランドなどは今年の4-5月のレベルにあります。


個人的にはこの市場は少しばかりあの時の市場に似ているような気がします。

企業業績が良いことが確認できつつあり、少しづつ為替も円安に動いています。

当時は国債のCDSスプレッドが開いていく過程でありながら、それほどリスクとして市場は認識していませんでした。

しかし、ゴールデンウィークにかけて欧米市場が暴落、スプレッドも一気に開き、ユーロは大暴落。


↓に2010年3月1日~5月31日までと、2010年10月25日~を比較するチャートを載せました。

ちょうど61~71日目が5月3日~10までの間の動きとなります。

4月を指す31~61日目にギリシャ始めスプレッドが開いているのが分かります。しかし、2、3番目のチャート(期間は2010年3月1日~5月31日までと2010年11月1日~)にあるように、株式市場および為替市場はそれをまだ完全に織り込んでいませんでした。市場が反転したのは61日目(つまり5月に入ってから)以降でした。


今回のスプレッドのワイドニングが5月のようなものを物語っているかは不明です。

しかし、自分の資産を守るためにこのようなものにも目を向けてほしいと思います。

(これはあくまでも私個人の考えなので、最終的な投資に対する判断はご自身の責任ですが)


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メガネ

あなたにとって、『メガネ』とはどういう存在ですか?

みんながみんなメガネを持っているわけではないので少し変な質問ですが、何となく位置づけが変わってきたのかなって思う今日この頃です。


現代人は目が悪い人が多いです。

メガネの販売本数が伸びてもおかしくないが、コンタクトを使用している人やレーシックなど視力矯正をする人も増えているのでメガネ業界は伸びていません。


私は中学の頃から目が悪くなり、メガネを買ってもらった記憶があります。

当時、眼鏡屋さんに行くと係りの方が付っきりで世話をしてくれて、とても高価な買い物をしている印象がありました。実際、当時はメガネは今と比べて高価なものだったと思います。


昨今、メガネの価格破壊が起こっています。

消費者にとっては非常に良いことです。

今の価格を見ると、昔は何故あんなに高かったのかが不思議ですが、これも企業努力によるものでしょう。


最近、メガネのCMをよくテレビで見ますよね。

ベッキーを起用したメガネ市場、オダギリジョー、栗山千明のJins、関根勉のメガネスーパーなど。

これほどCM効果のある業態って他にあるのだろうかと思うほど各社の既存店売上に数字として現れています。

でも、伸びていない業界が何故ここまで既存店が良いのかがちょっと不思議です。

ある調査会社のメガネ業界の調査結果(2010年)では、5000円から2万円弱が買う人の平均予算だそうです。

層が一番多いのが1万~2万ですが、次いで5000円~1万円でした。

1万円未満のメガネを買った人の比率は30%ちょっと、広げて2万円未満は70%弱です。

メガネの所有本数が2本以上という人が60%でした。

これだけ見ても、10年前とは違う感じがします。


ここまで値段が下がってくるとちょっとした洋服を買う感覚でメガネを買う人が増えているのでしょうか。

少なくとも昔、持たれていたような医療器具のような効果なものという感覚は薄れている気がします。

時計やバッグほどは値ははらず、しかしTPOに合わせて変えたり、個性を出せるワンポイントになる存在なのでしょうか・・・



日本株反発

(左人差し指をケガしてしまい、普通にタイプできないため、少し時間が空きました。。。)


自分が考えていたよりも早く、そして強く日本株が反発していて少し驚いています。

個人的には日経が9000円くらいになってからゆっくりと反転すると思っていたのですが、不確定要素が明るみになったからでしょうか、急反発です。

しかし、一方ですごくポジティブな話が出ているわけではなく、想定通りのことが発表になっただけで二日間の強い反発は、どれだけの人たちが株を買わずに待っていたかが想像できます。

ここから日経が一直線に一万円に行くことは想像しづらいのですが、上がるときには数日上がり続けるので、正直分かりませんが、個人的にはグロスを下げたい気分です。


私は悲観的なのでしょうか。。。

しかし気になるのはやはりこの円高です。何をしても止められません。

政府は口先介入で株と為替市場を支えるコメントをしていますが、日銀は極めて保守的な発言です。

欧州の国債CDSが今年の4月末から5月頭のレベルに近づいています。