『ボルテスⅤレガシー 超電磁リスペクト版』を観終えました。
大まかな粗筋は、前に公開された映画版と同じなので割愛。
「フィリピンで放送されたオリジナル版は全90話もあるのに、日本でたった20話しか放送しないってナメてんのかよ、何がリスペクト版だ!」と思ったものですが、全20話を観終えて思うのは、長くても39話=3クールくらいで良かったかもねと(笑)。
これは人種やお国柄も関係しているのかな、どうも時間の流れが緩やかというか、スピード感に欠けているように感じるんです。
手っ取り早いところではアクションシーン(もちろんロボ戦も含む)での素早いカット割りなんか皆無で、ドラマ部分もゆっくりというかクドい感じすらあります。オリジナル版を見始めたら、10~80話くらいは眠くなりそう(笑)。
かと思えば、大した説明もなく新展開が繰り広げられたりして、チグハグした印象も否めません。
…そこで思うのは、日本で放送された“超電磁リスペクト版”というものは、本編自体も随所で編集されているんですかね?
ロボット戦のビジュアルは恐るべきレベルに思えるものの、今一つ熱くなれないのは音響関連の仕業なのかなと。
このところの日本のドラマは、効果音や劇伴が大きすぎて俳優の台詞が聞き取りにくいという悪癖がありますが、本作の場合はその逆で、セリフの音量だけが大きすぎるんですよ。
ロボットアクションなら、ガキィィン!とかドカーン!といった効果音って演出としても欠かせない要素だと思うんです。昭和ロボットアニメなら、そこに主題歌が流れてテンションが上がるじゃないですか?
あちらの製作者のインタビュー等を読む限り、ロボットアクションよりもストーリーに魅力を感じているような印象があるので、その辺はあまり気にならないのかな?
日本のテレビ版では、もちろん吹替版として放送していました。
その中でも、マリアンヌ博士を演じた堀江美都子さんの声の張りには驚けるところがあって、年寄り喋り特有のフガフガ感を全く感じさせないんですよ。
さらに、エンディング曲を聴いてもまだまだゆとりを持って戦えるレベルで、歌うま女性シンガーにランクインしてもおかしくない人だと思っています。
そのエンディング曲『父をもとめて ~LEGACY Ver.~』は、マリアンヌが亡くなる回から使われ始めました。
んなアホなと思われるかもしれませんが、そこで半泣きになってしまってね。
というのも、『父をもとめて』という歌は、女性が歌う事で母親観点の歌にもなるんだなと。
親にはぐれた ひなどりも
いつかはやさしい ふところに
かえるあしたも あるだろう
この辺の詞なんか特にね。自分はもういないけど、せめて息子たちは父=ネッドに会えて欲しいという希望や願いがこもっているように聞こえるんですよ。
最終回でザルドスのシーンにこれを使うのは絶妙だったな…!
海外作品だから許されるんでしょうね、着任早々のフック博士の強烈なパワハラが令和には新鮮です(笑)。
いいから黙って俺の言う事を聞けだの、戦士に趣味の品なんか要らんだの、脇目も振らずに目標ひと筋といったイヤな昭和オジサン感が最高です。ボルテスチームの聞き分けが良すぎたせいか、最初だけでしたが…。
日本の変身ヒーロー作品の敵幹部とは違い、ボアザン側の衣装が1着でないのは新鮮です。
ザルドスはさておき、ザンドラの衣装がやけに多いのは完全に趣味に走ってるだろ、グッジョブじゃねぇか!といってやりたいくらい(笑)。
ジェイミーにももっと私服を着せてあげて…!
ところで、本作の公式サイトは読みどころ満載ですね(もちろん自動翻訳で大助かり)。
まさかボルテスバズーカが登場する程度の話がニュース扱いされるあたり、割とマニアックだったりするのも面白い(笑)。
ニュースを読んでいる限り、スティーブとジェイミーを演じていた人は実際に付き合っているみたいですね。みんなの笑顔ももう近い!