『グレンダイザーU』を観終えました。
『グレンダイザーU』というタイトルの”U”って、確か“UNITE[ユナイト]”を表すってのを読んだ記憶があるんですよ。まぁ、Wikipediaを以てして何のこっちゃ分かんないとの事なので、俺ッチの幻覚なんでしょうが…。
そんな思い込みのまま最終回を観終えたんですが、UNITEとは“合わさる”とか“一体化”とかって意味(”合体”なんてのもそれっぽい)。
じゃ、何と何が合わさったの?と訊かれれば、『UFOロボ グレンダイザー』と『宇宙円盤大戦争』をUNITEしたものなんだろうと。そして、大局的に見ると後者の要素が色濃い事に気付きます。
それ故、本来なら“宇宙円盤大戦争U”というタイトルが正解なんですよ(笑)。
そんな『宇宙円盤大戦争』という作品に聞き覚えのない人は少なくないと思いますが、これを色々とブラッシュアップしたものが後の『UFOロボ グレンダイザー』となる、まぁ雛形とも呼べる作品です。
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これを見ておけば、『グレンダイザーU』でやりたかったであろう事が伝わるかもしれません。
ほぼ半世紀も前の作品(!)なので、色々と至らない要素は多々ありますが、個人的には好きな作品です。実際に古っちぃ作品とは言え、『もえる愛の星』の良さだけでも伝わって欲しいなぁ。
『~U』の終盤はデュークとテロンナの関係を深く描いていましたが、『宇宙円盤~』に近いと思わせるのはここなんですよ。ルビーナなんて知らん(笑)。
『宇宙円盤~』は、当時のUFOブームにロボット要素を組み合わせたお話に見えて、密かに男女の想いのすれ違いを描いた作品です。
『~U』のデュークとテロンナはライバルであり親友であり、男と女。
お話も佳境に入り、何を今さらテロンナは女を出してくるんだよとも思うんですが、『宇宙円盤~』を見ていれば、そうなるべきだろうなと寛容になれるんじゃないかな。
キャストに関しては、「また?」と言わずにはいられない、まぁいつもの人たちで新鮮味なんか1ミリもありません。
ベテランの安定した芝居はいいけど、とっくに飽き飽きなんだよ。関智一さん(ここにも…)とか子安武人さんの悪役とかさー。
バカの一つ覚えのごとく古い古いと非難するアニメファンは、こういう風潮をどう思っているんだろう?
やれやれと思いつつも新しい発見に思えたのはテロンナとルビーナの声を当てる戸松遥さんで、テロンナを演じる際の低い声がどことなく高山みなみさんを思い出してね。
見た目は子供で頭脳は大人な名探偵に代役を立てる事があれば、戸松さんは意外に良さげな気がします。
これは近代アニメの宿命として、オープニング&エンディングの歌が、ま~熱くなれないのなんの。
戦闘シーンのBGMに使われた事もありましたが、あれでゾクゾクした人ってそんなにいるのかね?
あと、エンディングのアパッチのおたけびみたいなヘンな歌とか、何だありゃ。お話の終わり際の余韻も台無しになるんだよ。
ささきいさおさんが歌うオリジナル版の主題歌を使ったり、もしくはセルフカバーしてもらうなんて寒い事をやらなかったのは潔いと思ったけどね、某宇宙戦艦と違って(笑)。
令和の最新アニメですから絵は緻密で綺麗です。
立体感のない顔は最後まで馴染めませんでしたが、総じてキャラやロボットも細やかに描かれています。
――と、ここで唐突にチト古い作品ながら、アニメ版の『MONSTER』を観ていた時に抱いた感想を思い出したんですよ。
日本のアニメ屋さんは人間とかロボットは上手&綺麗に描けるのに、どうして車は上手に描けないんだろうと。
というのも、
これですよ(笑)?
『MONSTER』もそうでしたが、アニメとして絵が上手い作品でありながら、車だけはヘタクソなのが勿体ないというか残念でね。
個人的に車を描く際の難しさはタイヤにあると思っていますが、↑は色や線が少ないとかじゃなく、デッサンとしての問題です。作画崩壊にも程があるだろ。
ところで、何だかんだでマジンガーシリーズも派生作品が濫造されまくるようになりましたね。
永井豪さんがああいうスタンスだからセーフとは言え、オモチャ屋主導でしか新作が作れないというのは、どうもね。ロボットアニメならロボットに力を入れたいのは分かるんだけどさ。
…という事で、完結した『グレンダイザーU』。
昨今の世の中の流れに逆らって、11とか12話じゃなく、本来の1クール=13話までやり遂げた(or作った)のは拍手ですね。
14話以降の可能性はゼロではなさそうですが、そこまでニーズはあるかな…。