観た、『サボテン・ブラザース』 | Joon's blog

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『サボテン・ブラザース』を観ました。

 

1916年、メキシコ。

エル・ワポ率いる盗賊団の度重なる来襲に悩むサント・ポコの村。カルメンは村を救ってくれる用心棒を探すが、全くに相手にされず困り果てていた。

そんな時、3人のガンマンが悪党を懲らしめる映画を観たカルメンは、映画会社を通じて彼らを用心棒に迎えようとする。

その3人であるラッキー、ダスティ、ネッド=スリー・アミーゴは、映画会社との折衝が上手く行かない挙げ句に解雇を言い渡される。そのタイミングでカルメンからの電報を受け取った3人は、さっそくメキシコへ飛ぶ。

カルメンの案内で村に着いた3人。カルメンからの電報は村で開催する寸劇のシナリオにしか思っていなかった彼らだったが、エル・ワポと遭遇するも村の窮地が事実である事を知り……といったお話。

 

『サボテン・ブラザース』の思い出と言えば、レンタルビデオ屋でとっくに色褪せたジャケットをチラ見する程度で、内容については全く知りませんでした。

…じゃ、どうして観たの?と聞かれれば、“死ぬまでにこれは観ろ!2023”キャンペーンのタイトルを3枚買ったものの、欲しい商品がなかったから苦し紛れに選んだだけです(笑)。

とは言え、先行知識が皆無の状態で観たおかげか、意外に楽しめました。さすが俺ッチ、見る目あるじゃん!と自己満足に浸っています(笑)。

 

西部劇のヒーローが本物であると勘違いした事から始まる喜劇です。映画と現実といった、虚実の境が付かない人はこの時代から存在したんですね(笑)。

勘違いされる側としても、別に無視を決め込んでもいいけど、村の惨状や村人に情が移っただけでなく、もう失うものがないからこそ一念発起する姿は今でこそ使い古されたパターンだけど、少なからずのヒーロー性を感じさせます。

スリー・アミーゴはそこまでダメ男でもないけど、非力な人間の打算なき人助けは美しいんです!

そこで嫌らしくお涙頂戴もなければ残虐な暴力もなく、何よりスリー・アミーゴがビシッとカッコ付けたりしないのがいい。

まさに万人が楽しめるエンターテインメントのお手本のような作風が好きです。

 

悪党に目を付けられた村に雇われた男たちが戦い抜いて、最後には村を守り抜いて去っていく……西部劇の定番というか、まぁ『荒野の七人』ですが、こちらは勘違いから始まっているというトボけっぷりが面白い。

あちらよりシリアス度も低く(笑)、リラックスして楽しめるのが本作の長所です。

 

ジャンル的にはコメディ寄りの作品と知ってビクビク(?)していたんですが、それほどベタベタでもなかったのは良かったです。

どうもコメディ洋画って苦手なんですよ。手っ取り早い例えでは『裸の銃を持つ男』とか『Mr.ビーンズ』とか(食わず嫌いかもですが、別に食べたい気持ちも起こらない)。わざとらしいノリがどうもね。

 

スリー・アミーゴは映画スターでありながら、どっちかというと歌って踊る芸人に近く、いわゆるスタンダップコメディアンとでもいうのかな?

歌と言えば、エル・ワポのアジトへ向かう途中で野宿をする際に3人が歌っていると、方々から動物がやって来てこれに参加するシーンはいいですね。ミュージカル風味もあり、本作の名シーンです。

 

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配信版はないようですね。某ドラマでスリー・アミーゴスなんてのが出ていたようですが、十中八九、その元ネタなのになぁ。

 

Blu-ray版の映像特典は予告編のみというショボ仕様ながら、吹替版は収録されています。

主演のスティーヴ・マーティンさんを演じているのが羽佐間道夫さんなので、次は吹替版で観ようかな。