『眼下の敵』をまた観ました。
得てして戦争映画とは、ドンパチを繰り広げてスカッとさせる痛快な作風と、人間の命の尊さが云々といった重苦しいメッセージを込めた作風の作品が多いです(後者は正確には反戦映画ですね)。
本作は前者に該当するので、絵空事として能天気に鑑賞するのが醍醐味です。どんな気分のタイミングでも楽しめるのが良いんですよ。
本作の長所の一つは尺。
とりあえず戦争モノが見たいものの、多くの戦争映画は2時間越え~3時間近いものが多いので、よし観るぞという、ちょっとした一念発起が必要ですが、本作は98分程度なので、サクッと観るにはちょうどいい尺なのがいいですね。
尺が短いからって陳腐な小品というわけではなく、本物の駆逐艦どころか爆雷も本物を使っているので、ビジュアル的な見どころも少なくありません。まぁ、さすがに潜水艦やドラマチックな場面ではミニチュアを使ってますがね。
…何が言いたいのかっつーと、同じWWⅡ作品ながら、戦闘シーンは既存フィルムを拝借してばかりの『ミッドウェイ』よ、お前とは格が違うんだ!
ただのドンパチだけでなく、随所も光るセリフがあるのも好きです。
「悲惨と破壊に終わりはない。頭を切り落としてもまた生える蛇だ、殺すことはできない。敵は我々自身の中にあるのだ」
これを始め、どことなく厭戦ムードが漂っているのも本作の特徴です。
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