観てきた、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を観てきました。

 

相棒のバズと共にナチスに捕まったインディは、運良く脱出に成功。その際、ナチスの物理学者フォラーからアンティキティラのダイヤルを奪い取る。

それから長い年月が経ち、大学で教鞭を取っていたインディも引退の時を迎えようとしていた。

そんな時、学生たちの中に紛れていたヘレナがインディを訪ねてくる。ヘレナはインディが名を付けたバズの娘だった。ヘレナはアンティキティラのダイヤルに興味を示し、これを売り飛ばそうと画策していた。

そこへやってきた謎の一味がヘレナとダイヤルを狙う。一味の正体はナチスの残党であり、生きていたフォラーの手下だった。

しかしダイヤルは半割れの状態で、時空の裂け目を導き出せるというダイヤルの力を使おうとするフォラーの計画を阻止するため、インディはヘレナと共にもう半分のダイヤルを探す旅に出る……といったお話。

 

インディ・ジョーンズ最新作、かつ最終作です。

最終作と決め付けていいのかよ?と突っ込まれそうですが、インディを演じたハリソン・フォードさんは撮影当時79歳(これを綴っている3日後には81歳に!)。本作を観る限り、登場シーンの半分くらいは別人に思えるし(笑)、さすがにもうないでしょ…。

ジャック・ライアンよろしく、インディの若い頃を描く新シリーズとか(もう)やらなくていいから。

 

本作でのインディもハリソンさんと同様に歳を取っています。もう完全にジイさんです。

それを如実に表しているがヌードシーン(?)で、老けているのは顔だけでなく、身体までもお爺ちゃんになっているのを表す良い演出だと思います。早い段階で見せるのが上手い。

そして老けたのは外見だけではなく、内面も同様。

大学では教授として、やる気のない学生を相手に授業をしているだけでなく、考古学に関しての知識はまだあるもののモチベーションは低く、ただ惰性で続けているような感じ。

自分のテンションを駆り立てるような出来事もない、退屈な老後を過ごすインディにはガッカリするというより、悲哀が漂います。

 

悲哀と言えば、モチベーションが低いのは老齢のせいではなく、人生において辛い経験を味わっている事も語られます。なので、前作=『~クリスタル・スカルの王国』を見ておくと、ちょっとだけ感慨深いものがありますよ。

まぁ、多くは語らないけど、『トップガン マーヴェリック』とメグ・ライアンさんの関係を思い出しました。

 

そんな平穏な日々も中盤あたりでひとまずは終わり、いよいよ冒険が始まります。

ここからの活き活きしている姿を見ると、やはりインディは根っからの冒険野郎なんですよね。ヨレヨレなジイさんという設定なんかどこへやら(笑)。

やっぱり人間、自分が打ち込める趣味の一つもなければ寒い老後しか待っていないんだよという、初老に向けたメッセージにも思えます。

“インディシリーズはオジサン向け”とかいう冷やかし記事とか見てしまえば、特にね。

 

インディシリーズの隠れた名物シーン(?)と言えば、虫やらヘビやらネズミやらといった大量の小動物。

人によってはホラー映画よりも破壊力を感じる、背筋が凍るシーンです(笑)。集合体恐怖症な人も同様かな?

地下やら洞窟やらにそいつらは現れましたが、今回は海中で遭遇するので、まぁ僅かにご注意を…。

 

今回のキーアイテムとなるアンティキティラのダイヤルとは、地中海のアンティキティラ島沖の沈没船内にあった歯車に着想があるようです。

古代ギリシャに作られた天球儀で精度が高く、世界最初のコンピューターとも呼ばれているんだとか。

――という予備知識を身に着けてから本作を観たので、ダイヤルがどんな使い方をするのかにも興味を持って鑑賞に臨めました。

何で調べたのかと言えば、

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という、世界各地で発見された古代遺産がたくさん載っている本です。

インディシリーズに限って言えば、このアンティキティラの歯車だけでなく、アークやクリスタルスカルといった現存する古代遺産について勉強できると思います。

しかしながら、本作の冒頭に登場する偽物の槍に関する記述はありませんでした…。「アダムをブッ刺している槍が本物なんだ!」とかイタい事は言わないように!

 

そんなダイヤルを使って時空の裂け目が云々なんて、ずいぶん現実味のない大きな事を言ってるなーと思いきや……まぁ、前作のオチが嫌いな人には向いていない作品です(笑)。

けど、現実味がないと感じるのは、あくまで現代においての話。

遥か大昔、紀元前の人には数千年後には実現できないようなもの、今で言うオーパーツが作れたんだし、語り継ぐ人がいないのであれば、あながち全てが大ウソだとも言い切れないのが古代ロマンというものです。

それ故、インディシリーズはSFにしてSFにあらず(笑)!