観た、『カサブランカ』~その2~ | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

休日には映画を観る事を課しながら今年も終わりが近付いていますが、大晦日には名作で1年を締めくくろう!という事で、『カサブランカ』を観ました。

どうだい、我ながら良いチョイスだろう?

 

前回に観た感想はコチラ

 

どんな背景があったにせよ、そして別れたとしても、一度愛した女の幸せを願い最後まで愛し通す――カッコ良い男の条件は色々ありますが、どんなに辛く&惨めな思いをしたとしても、これができる男は見習うべきところがあるし、畏敬の念すら抱けます。

女々しくもそれができない俺ッチにとって、本作のリックは男が憧れる男です。

近頃ではナヨッとした男が“多様性”なんてもっともらしい言葉を盾にオカマみたいな真似をして、したり顔をするような歪んだ世の中になりつつありますが、そんな連中にゃ本作の良さが、リックのカッコ良さなんて1ミリも通じないでしょうね。

ええ、ええ、古っちぃ映画の、石化寸前のようなセンチメンタルだと小馬鹿にしてくれて結構だよ。

 

そんなリックの、イルザとの関係の決着には毎回泣けてしまいますが、今回の鑑賞では人情家としてのリックに注目しました。

リックのイルザに対する思いやりは、かつて自分が愛した女性だからというのもありますが、元々が人情に篤いという根っこがあるからこそです。ルーレットで負けが込んでしまった夫婦の手助けをしてやるくだりとかもね。

シニカルでドライ、日和見主義者のような素振りを見せておきながら、困っている人は見逃せないという、実は熱い男なんですよね。素直に人が好いところを見せないのも、優しさを安売りしないカッコ良さがあります。

本作の時代背景は第2次世界大戦の只中。エンディングの後、おそらくリックは戦争に参加するでしょう。

拗ねたように世の中を斜に構えて見るのではなく、現実を直視しつつ堂々と戦っていると思います。

 

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80年も前の、しかもモノクロの化石のごとき古っちぃ作品ですが、特に恋に破れた男に観て欲しい作品です。

ボギーのダンディズムが時代遅れになる事はありませんから…。