『U・ボート TVシリーズ リマスター完全版』を観終えました。
前に観た『U・ボート ディレクターズ・カット』のテレビシリーズです。
映画版の未公開映像を繋げてテレビシリーズにしたんじゃないの?と思いがちですが、この逆で、元々は全6話のテレビシリーズだったものを編集した上で映画版として公開されたようです(その後にテレビで放送したとか)。
それ故、『~(劇場公開版)』や『~ディレクターズ・カット』といった短縮された映画版より、本作を100%堪能するにはこのテレビ版を観ればいいのです。
ちなみに、全6話=308分です。
映画版ではカットされたシーンを含んでいるのが本作の売りですが、あればあったで良いけど、なくてもお話は伝わるシーンばかりだと思います(それら全てを覚えてもいないし)。
映画版で分かりにくかった点が、テレビ版を見れば分かりやすくなるという事もありません。
個人的に、本作で一番分かりにくいのはキャラクターですかね。
映画を観るからにはキャラの顔と名前を覚えたいものですが、“艦長”とか”先任士官”とかばかりで、人名で呼んでくれないんですよね。ついでに言えば、中盤にも差し掛かるとクルーの顔は髭で真っ黒になっているので、どれが誰だかの判別も付きにくい(笑)。
ジャケットの裏には、
といった宣伝文句を謳っていますが、本作には“重厚な人間ドラマ”も“深い感動”もありません。
視点は主観的で一人称的にお話が進行するものの、各キャラ間でドラマチックなやり取りは皆無に等しく客観的という意味で、映画っぽいドキュメント映像と言った方が正しいかな?
地味ながらも、本作は立派に戦争映画してると思います。
戦争映画と言えば敵軍との交戦→命の奪い合いを連想しますが、本作の場合は“戦う”というより“働く”と言った方が的確に思えます(笑)。
けど、極限状態に追い込まれた兵士個人の奮闘も、ある種の戦闘です。
ジブラルタル海峡突破を目論むが失敗し、海底深くに沈んでしまったUボート。被害はあちこちに及び、クルー全員が率先して破損個所を大忙しで修理する姿は、まさに戦争です。
その戦争に勝つか負けるか、いつまで続くのか……そんなクライマックスは否応なしに息苦しくなります。
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DVDもリリースされていますが、DVD全盛の時代であっても画質は最悪だったので、オススメするのはもちろんBlu-ray版。
チト値段は高めですが(最近は割引率が高いようです)、画質がDVD以上なのは当たり前ですが、Blu-rayとして見てもスゲー綺麗で驚けます。
惜しむらくは、吹き替え音声がない点かな?
吹替版の利点の一つとして、日本人に馴染みのある声でキャラの判別が付きやすくなる事もありますからね。