『マトリックス レザレクション』が消化不良気味だったので、お口直しとして(?)『マトリックス リローデッド』を観ました。
トリニティが死んでしまう夢を見たネオは、それが不吉な予兆であると不安を覚える。
一方、人間の殲滅に乗り出した機械の大群が、人間が集う最後の砦ザイオンに向かっているという。ロック司令は機械への反撃作戦を開始。しかしモーフィアスは命令に背き、ネオを予言者に会わせようとする。
予言者はネオの行くべき道を指し、キー・メーカーという人物を探せと告げる。キー・メーカーを捕らえているメロビンジアンの妨害、そして以前より強大なプログラムに進化したエージェント・スミスがネオの前に立ち塞がり……といったお話。
コンピューターの中身で行われている事をイメージしたストーリーが斬新とされた本作ですが(このアイデアは日本の『電光超人グリッドマン』が先駆けています)、ずいぶん複雑化して、チトやりすぎ感が否めませんね。コアな専門用語(しかも現実のそれとは意味が違うし)はかなり噛み砕いて説明しないと、万人が分かりにくい=エンターテインメントに相応しくないとされてしまいます。
目新しいと言えば、スタイリッシュだった映像に関しては、決してパワーダウンはしていないものの、前作で得た衝撃度はやや低め。前作のインパクトが強烈すぎて目が肥えてしまったせいですね。
あっちの世界=劇中での現実世界の大半を描くCGがスゲー描き込んであるのは分かるけど、どこか味気ないんだよね。
CGと言えば、ネオとスミスの100人組手(?)のシーンで、ネオがポールを引っこ抜いてからのCGがショボめなのが気になります。服の質感とかもう少しどうにかならなかったかなぁ。
終盤、マトリックスの設計者=アーキテクトが登場し、ネオにマトリックスの真実を告げます。
…が、アノマリーやらソースやらコードやら、正直、ちょっと何を言ってるのかサッパリ分かりません(笑)。全世界でヒットした実績を持つ本シリーズですが、この辺の、元来の言葉を知っている人がそんなに多いんかいな?と。
仮に言葉と意味は知っていても、本シリーズの世界観での使われ方は現実のそれが指すものとは全く違いますし、本シリーズが面白いと感じる皆さんは、どこまで理解しているんだろう?と思うんですよね。一歩違えば、キャラの行動原理が分からなくて感情移入できなくなりますし。
…って事で、「ソースとコードって同じようなモンじゃないの?」という程度の知識量しかない俺ッチなりに訳してみたのは、
・プログラム→マトリックス内での人間の姿
・コード→プログラム(人間)を構築するもの
・ソース→マトリックス=世界全体(のプログラム)を構築するもの
…って感じでしょうか?
この辺の明確な回答は描かれませんが、むしろ抽象的にしておく方が、観る人なりに解釈できて想像の余地がある→映画的な感じがしますがね。
余談ながら、本作が公開された当時には普及していなかった“アバター”という言葉を使えば、もう少し理解度が高まりそうですね。
そんな小難しいディテールに反し、人間ドラマの根幹が“愛”というチープさはいいんですが……ネオとトリニティのイチャつきすぎ問題がチト目に余ります。二人きりにさせると、ソッコー始めちゃうんだから困ったものですよ(笑)。
こういう作品に濃厚&長いラブシーンって邪魔じゃないですか? 匂わせ程度にサラッと描いて終わりってのが何故できないんだよと思わせる作品、少なくないからねぇ。
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Blu-ray版は映像特典が多めです。
ただ、それら全てがSD画質なのはガッカリですね。