『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』を観てきました。
現代=2021年。復活した悪魔ディアブロは世界を支配し、50年後=2071年の未来では人間が悪魔に蹂躙されていた。そんな世界を変えるべく、百瀬龍之介は仮面ライダーセンチュリーとして2021年にやって来る。
2021年の世界ではディアブロが復活。仮面ライダーリバイ&バイス、仮面ライダーセイバーらが苦戦する中、センチュリーも参戦するが力を発揮できずに暴走。現代世界での龍之介は意識体でしかなく、センチュリーへの変身は息子の秀夫と一心同体になる事が条件であるが、二人の間には大きな溝があり……といったお話。
多くの個人ブログ等ではライダー側のお話ばかりだと思うので、当ブログではそちらは割愛。
いい歳こくと、仮面ライダーナントカのなんちゃらフォームがどうとか、オモチャ化を想定したキャラクターにはまるで興味が湧かなくなってくるな…。
…あ、ライダー側の話として、神山飛羽真=仮面ライダーセイバーを演じる内藤秀一郎くんは、ずいぶんカッコ良くなった事は外せません。
プライベートの素行がちょっと話題になり、未だにネチっこく言ってる連中もまだまだいますが、個人的にはまるで気にしてないし、むしろ主役ライダーを演じた俳優でも好きな方なのでね(特に声が良いんです)。
現行放送しているテレビ版→劇場版という流れが定着化している仮面ライダーシリーズですが、その見どころはどういう点にあるでしょう?
特に冬に公開する作品は、前代&現役ライダーの共闘が真っ先に挙げられると思います。劇場版オリジナルのライダーやらパワーアップ形態に注目する人も多いでしょうね。
ファン向けではない一般的なニュースとしては、かなり名の通っているベテラン俳優がゲストとして出演する事が話題になる事も多いです。
今回思うのはゲストに関してで、せっかく知名度の高い人を起用しているのに、所詮はゲスト=その場限りの使い捨てキャラだからと、おざなりに扱う事が多いように感じます。
出演してくれる方々は“ライダー作品に出演できて嬉しい”といった旨のコメントをしてくれますが、そういうリップサービスができるのはベテランならではの技術であって、実際に完成した作品を見た場合、少なからずの後悔や失望をした人って少なくないんじゃないかなぁ。
陣内孝則さんとか片岡愛之助さんとか、あんな程度の役回りでよく出演してくれたなと思うんですよ(笑)。
日本でこの手のジャンルが盛り上がらない一因にも感じます。
…つーのも、本作はゲストキャラがスゲー印象深かったと思えたんです。割と出ずっぱりな役というだけではなく、演じる中尾明慶さんや古田新太さんが実に良い。
“『仮面ライダーセンチュリー feat リバイス&セイバー』”なんてタイトルでも良かったんじゃないかな? 割と大マジで。
お二人は親子の役で、中尾さんが親で古田さんが息子で……と、ここで二度見する人は正解(笑)。
中尾さん(=龍之介)が親、古田さん(=秀夫)が息子で間違いないんです。この設定(もしくはキャスティング)からして意外性に富んでいますよね。
このおかげで否応なしに没入せざるを得なくなる上手い作戦ですが、この辺が説明されるのは中盤くらいなので、序盤における、2071年から来た青年が2021年のオジサンを息子と呼ぶ違和感を抱えたまま、容赦なく話が進むのはチトもどかしく感じました。
これから見る方は、龍之介が存在する時代である1971年・2021年・2071年の時間軸の位置関係は、しっかり把握するつもりで鑑賞に臨んで下さい。
龍之介と秀夫の、過去から生じた親子の確執が和解に至るのはネタバレするまでもなく分かりきった事ですが、その過程が良かったと思います。
見た目は自分の方が父親なのに、古田さんが中尾さんを親と捉えている芝居が、時間が進むにつれ自然になってくる。…もちろん、初めは違和感はありますよ(笑)?
けど終盤では、古田さんが中尾さんを“父さん”と呼んでも全く違和感がなくなっているんですよね。
二人の心が一つにならないと力を発揮できない仮面ライダーセンチュリーも、ドラマにリンクしている良い設定だと思います。
…と、個人的に抱えている、ショッカーが出てるライダー映画は駄作になるジンクス(←あながち間違いでもないと思う)を見事に払拭してくれました。
本郷猛の登場は公開前に報じられているから周知の通りですが、仮面ライダーになるまでの過程を描くのはちょっとした英断でしたね(龍之介は緑川博士の一助手に過ぎないと解釈)。
ガンダムのように、今後も後付け設定が増えて行くのかな…(笑)。
当ブログでは散々言っていますが、スーパー戦隊&仮面ライダーの映画を見に行った際には、劇場プログラムは必ず買うべきアイテムです。
値段(800円)の割に情報量が過剰に多く、ディープでありながら一見さんに向けた解説もある、最強の副読本です。
本作でレギュラーキャラ数人がクローンライダーという、自分以外の歴代ライダーに変身するシーンがあるんですが、一見するとチョイスが支離滅裂で、どーせ着ぐるみ調達の都合なんじゃないの?とか思いがちですが(笑)、実は何かしらの関連性があるという考察(もしくは推測)が載っています。
これがもう……バカなんじゃない?と感心するくらいに深くて、これを独力(←重要)で言い当てられるオタクもなかなかいないんじゃないかな…。