ヒーローだって人間 | Joon's blog

Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

※ビジネスいいねを押す方々へ

今回の記事に関しては、無差別的な“いいね”ボタンは押さないで下さい。しょーもねぇ宣伝目的で来るようなあなた方には興味を持って欲しくない内容なので。

当ブログは“いいね”返しどころか、あからさまなタイトルの宣伝ブログへの来訪は一切しておりません。

 

 

――って事で、本題。

先日、仮面ライダー50周年で盛り上がる中、かつて仮面ライダーBLACK&RX=南光太郎を演じた倉田てつをさんが、ライダーは好きじゃないとボヤいた事に批判が殺到したようですが……まぁ子供が多いね、と。

 

ここで非難の声を上げる連中とは、“仮面ライダーのファン”、かつ“仮面ライダーを演じていた倉田さんのファン”であって、“倉田さんのファン”ではないと断言します。

まぁ、世の中が50周年を祝っている最中に水を差す内容だったのは間が悪かったと思いますが、むしろ倉田さんの心中の一部を聞けたという意味では、貴重な機会だったと思うんです。

 

俳優を生業としていた上で、かつて自分に大恩のある作品が嫌いと豪語する神経が許せないとする人もいるでしょう(もっと幼稚に、自分の好きなものを否定されて悔しいという方が正しいかな?)。

確かにそうだけど、それは遠い過去の話です。

一度ヒーローを演じたからって、一生をヒーローとして見られはするけど、それだけで現実に生きる人間として残りの一生を過ごす事はできません

 

佐藤健さんとか菅田将暉さんとか松坂桃李さんなんてのはレア中のレアであって、その何十倍も存在するヒーローを演じてきた数多の俳優は、自分が当時の役柄のイメージとしてしか見られていない事に苦悩し、(俳優としては)フェードアウトする人生を送る人がほとんどです。

これを自分の実力不足だからだと言えてしまう人もいますが、芸能界とは完璧な実力社会ではなく、権力=パワーバランスが複雑に入り組んだ、そこそこの実力と運とコネの世界です。そもそも、安っぽくそんな事を言ってる連中に芝居の巧拙なんか分かんねーから(笑)。

 

そんな俳優がヒーロー作品の終了後に他の作品に出演すれば、全くの別作品にもかかわらず、「○○ライダーが出てる!」「○○ライダーと○○ブルーが共演してる!」なんて意見(もしくはイジり)を見聞きする事、よくあるでしょ? 

挙げ句には、起用したはいいけど、その俳優が演じたヒーロー役を彷彿とさせるようなパロディをやらせてしまうような、ミーハーな作り手が増えてきているのも問題です。

こういう連中こそ、ファンとして応援しているように見えて、実は次のステップに進もうとしている俳優の足枷になっているんです。

 

今回の倉田さんのボヤキもこれらと似たようなもので、それ以外の事をやっているのに、常に自分に仮面ライダーの影が付きまとう事を疎ましく感じ、たまたまウンザリしていたタイミングだったんじゃないかと考えます。一般人で言えば、前にいた会社の仕事を押し付けられているようなものですよ(笑)。

俳優として演じる役と、役を演じる俳優を同一視してしまうファン――虚構と現実の境が付かないような、年齢だけは一丁前な大人になった子供が多いんです。

この手の番組はジャリ向けの番組=ジャリ番と蔑まれていた時代があったようですが、なるほど、こういう出来事を知ってしまえば、今でもジャリ番のままなんだなと思わざるを得ません

 

ついでながら、最近だと『仮面ライダーセイバー』で、仮面ライダーセイバー=神山飛羽真を演じる内藤秀一郎さんが夜遊びをしている光景がパパラッチされて、ここでもブーイングが起こっていました。

これをきっかけに「『~セイバー』はもう見ない!」とムダに宣言する連中が多いようですが、メンド臭ぇ客が減ってくれれば、むしろ有り難いです(笑)。シレッと見続けてるだろうけど。

個人的に、内藤くんは声が好きなんだよね。

 

どんな役であっても所詮は劇の中の人間(=キャラクター)であり、役を演じるのは現実に生きる人間。

そして、人間であれば誰だってドジも踏めば、魔が差す時もある。

ヒーローという聖人視されるような役を、たった一度でも演じたからって、客に過ぎない我々が、たまたま俳優を生業にしているにすぎない人間の私生活を束縛しようとするなんて、おこがましくないですか?

逮捕されない程度なら、少しくらい羽目を外した生活を送っていても構わないんですよ。

むしろ、それをガス抜きにして、明日のやる気に繋げて欲しいくらい。その上で作品に活気が湧くなら最高じゃないですか?

 

余談ながら、「ヒーローを演じていた○○さんは、子供の手本にならなきゃいけないからと、真面目な私生活を送っていた」と、素行の悪いヒーロー俳優を引き合いに出してこういう豆知識を吹聴する人間もいますが、“俺はこういう事を知っているんだぞ”という知識をひけらかしたい→承認欲求を満たす事が目的の半分以上なので、流してオッケーです。

むしろ、そんな隙もなくクソ真面目に生きられるものかね?と勘繰っちゃうのは、いい大人になった証拠ですかね(笑)?

 

…って事で、ライダーを切り離した、倉田さんという人間のファンであれば、今回の件は特に気にするような騒動ではないと思います。

それどころか、倉田さんの“本音”というより、“苦悩”を垣間見れたと理解できる人こそ、真の倉田さんファンだと思います

 

ここでいう世の中の意見とは、上から目線のコメントで断罪してハシャいじゃうようなヤフコメ民を指すんですがね(笑)。

俺ッチも昔はたまに書き込んでいましたが、偏向&扇動を意図するような記事やコメントが多すぎる事がおぞましいと確信するようになったので、全消し→もう止めました。

あんなのを世の中の総意と思ってる人もいるんだろうな、やれやれ。