1. 呼び名は自分で決めるもの

皆さんは小中高時代、何と呼ばれていただろうか。名字?あだ名?そしてそれは誰が決めたものだろうか?娘は幼少期過ごしたアメリカでは、下の名前を短くした〇〇と呼ばれ、帰国後も数年〇〇でとおっていた。しかし転校先の小学校では「□□さん」と名字で呼ばれることになった。「あだ名がいじめにつながらないように」という方針らしいが、ユルい規則なのか実際はあだ名なども飛び交っていたので、娘は「それならみんなに〇〇って呼んでほしい」と言っていた。娘の中では「自分は〇〇」というアイデンティティがあるからだ。

これに対し、英語圏では「呼び名は自分で決めて主張する」のが一般的だ。例えば本名がDebraと言う人が ‘Call me Debbie.’ と言ったら、その後はその人をDebbieと呼ぶことになる。仕事上で上司を ‘Mr. Tobias’と「Mr./Ms.+名字」と呼んだとしても、相手が ‘I’m Simon’ と言ってくればその瞬間からその人はMr. TobiasではなくSimonになる。「敬意を示して ‘Mr.〇〇’ と呼んだ方がいいんじゃ…」と余計な気づかいは不要だ。娘の学校の先生とメールのやり取りをすることが多いが、初回は ‘Mrs. Gordon’ 等、まずは敬称付きで書いても、返事の最後に ‘Emily’ 等、下の名前のみが書かれていたら、(子供達はMr./Mrs.〇〇等で呼んでいても)私に対しては「下の名前で呼んでね」と伝えたいのだと分かる。ママ同士でもひとたび名前を知ったなら ‘Natalie’s mom’ ではなく ‘Debbie’と呼ぶし、ご主人のことも ‘Your husband’ ではなく ‘John’ で会話を進めるし、名前の分かる先生に ‘Teacher’ と呼びかけることもない。

このように英語圏では「関係性」より「個」を重視するため「自分がどう呼ばれたいか」が大切になってくる。アメリカでも南アでも、学校関係等の書類には子供の本名記載欄以外に「Preferred Name」と言う「なんて呼んで欲しいか」を書く欄がある。これで「自分が主張するあだ名」がイジメに繋がったり不快な思いをしたりすることもないだろう。そして、自分が何家の人なのか、どんな役職かであるかよりも ‘Debbie’ であることが最重要なのだ。


2. 名前は一発で覚えよう

ここで重要なのが「自己紹介された瞬間に名前を覚える」ことなのだが「名前を覚えるのが苦手で…」と言う相談を時々される。そう言う人たちには共通点がある。

①英語のやり取りで精一杯
②英語名に馴染みがない
③そもそも聞いていない

まずは①。前回の記事でお伝えした「挨拶はワンパターンを貫いていい」「持ち駒はスッと出せるように」がまず基本だが、そこに最大要素の「名前」が入り、さらに「握手やハグ」が同時進行で起こると、全てがギクシャクに…と言う人が結構いる。できるフリや格好つける必要は全くない。ただ、しどろもどろでも、この瞬間に集中することが大事なので、自己紹介のやり取りには最低限慣れておく必要がある。相手の名前が聞き取れない上、自分の名前もなかなか分かってもらえない…なんてことにならないように、自分の「呼び名は言いやすいものに」するといい。この話はPart2で。

次に②。外国人同士なのでこれはお互い様と言えるだろう。単純な私の名前でも「その場で繰り返して言ってみる」人が多い。つまり、覚える気があるなら「すぐ声に出して」「頭の中でも繰り返す」ことが大事なのだ。分からないまま終わる方がむしろ失礼…「確認」すれば再度言ってくれるはず。「スペルを聞く」のもいい。「1回の会話で2~3回は相手の名前を呼ぶ」のもオススメだ。 ‘Nice to meet you, Stella.’ ‘So, what do you do, Stella?’ など、相手の名前を繰り返すことにより、自分も覚えられるし相手にも好印象。

③は後日「文字と音」に関係したトピックでお届けするので今回はおいておく。

Part2に続く🍀𓂃◌𓈒𓐍
テーブルマウンテンから望むライオンヘッドとロベン島(Cape Town, South Africa)

英語コミュニケーション講座
講師 Candy (現在・南アフリカ在住)

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