松田
「はい、5万ね。」

藤堂
「ホントごめん。
 いつもごめん。
 必ず返すから。」

松田
「返すアテあるの?」

藤堂
「来週には。」

松田
「ホントに?」

藤堂
「うん。
 週末にまとまった金が入るんで。」

松田
「まとまった金?」

藤堂
「うん。」

松田
「いくら?」

藤堂
「いくらかはわからない。」

松田
「は?」

藤堂
「『まとまった金』とだけ聞いてる。」

松田
「いや、いくらか聞けよ。」

藤堂
「大丈夫。
 まとまった金だから。」

松田
「違う違う。
 まとまってるかもしれないけど、
 金額足りないかもしれないだろ?」

藤堂
「でも、まとまってるよ?」

松田
「いいから額を聞けよ。」

藤堂
「(スマホを操作しながら)まとまってるんだけどな・・・。」

松田
「お前のまとまった金への信頼感なんなんだよ。」

藤堂
「よし、メール出した。」

バイブ音
「ウィーン。」

藤堂
「早いな。もう返事来た。」

松田
「いくらだって?」

藤堂
「向こうも『まとまった金』としか聞いてないって。」

松田
「なんでだよ!
 額は気にならないのかよ!」

藤堂
「え、気になる?」

松田
「普通は!」

藤堂
「でも、今度受け取るまとまった金について、新しい情報が届いたよ。」

松田
「新しい情報?」

藤堂
「なんと、昨日まとまった金なんだって!」

松田
「いいよ、いつまとまったかなんて!」

藤堂
「しかも、随分キレイにまとまった金らしいよ。」

松田
「まとまり具合もどうでもいいよ!」

藤堂
「さらに言うと、青森でまとまった金なんだって。」

松田
「まとめた場所もどうだっていい!
 額だよ、額!気になるのは!」

藤堂
「額はわからない。」

松田
「なんで額に興味ないんだよ!」

藤堂
「まとまってるんだから、額なんてどうでもいいだろ!」

松田
「そんなことないよ!
 目の前にまとまった金があったら聞くよ!
 『これいくらですか?』って!」

藤堂
「『誰がまとめたんですか?』とか聞かない?」

松田
「聞かない!」

藤堂
「『まとめるときに使った道具は?』とか。」

松田
「聞かない!」

藤堂
「『まとめてるときの面白エピソード』とか。」

松田
「聞かない!」

藤堂
「せっかく目の前にまとまった金があるんだから、
 バックボーンとかいろいろ掘り下げろよ!」

松田
「バックボーン掘り下げる前に、使い道考えるわ!」

藤堂
「使い道か・・・。
 考えたことなかったな・・・。」

松田
「ウソだろ?!
 お金の使い道を考えたことないヤツに、オレは金を貸したのか?!」

藤堂
「そうかそうか・・・。
 うん。なんか新しい世界の扉を開いた気がする!」

松田
「逆に、今までどんな世界で暮らしてきたんだよ。」

藤堂
「お金の使い道を考える生き方か。悪くないな!」

松田
「なんかよくわからないけど、
 ようやく話がまとまった・・・。」

藤堂
「(身を乗り出して)まとまった話?!」

松田
「まとまったものへの食いつき!!」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

「まとまった金」の1ワードだけで広げていったコント。

 

ドラマではよく聞くけど、現実では聞かない言葉ですよね、まとまった金。

そして、絶対健全なお金ではないですよね、まとまった金。

 

誰が最初に書いた言葉なんでしょうか・・・。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】ドッペルゲンガー
【コント】街の異変
【コント】訪問者#2
【コント】テレビショッピング#3
【コント】夫婦ゲンカ

 

 

 

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