監督
「よし、綱引き部全国大会のスタメン発表する！」
選手たち
「お願いします！」
監督
「綱島！」
綱島
「はい！」
監督
「・・・以外全員だ！」
選手たち
「はい！」
綱島
「え？え？え？」
監督
「綱島！」
綱島
「あ、はい！」
監督
「・・・以外準備に入れ！」
選手たち
「はい（練習のためにランニングに向かう）！」
綱島
「あの・・・、あの・・・、え？」
監督
「綱島！」
綱島
「え、あ、はい！」
監督
「お疲れ！」
綱島
「いや、監督！監督！」
監督
「ん？」
綱島
「えーと・・・、監督。
僕だけスタメン落ちですか？」
監督
「そうだ！」
綱島
「そんなキッパリと・・・。
なんでですか？！」
監督
「これまでの成績が全てを物語ってる！」
綱島
「でも、いままでずっと頑張ってきました！
誰よりも早く練習を始め、誰よりも遅く練習を終えました！
青春の全てを綱引きに捧げたんです！
・・・なのになぜ！？」
監督
「わかるだろ！」
綱島
「わかりません！
理由を教えてください！」
監督
「見ろ！
これ、今までの全試合の結果（ファイルを見せる）！」
綱島
「はい。」
監督
「今年のチームの成績。
５８戦４２勝１６敗。」
綱島
「勝率７割越え。
すごいですね。」
監督
「そしてこれ、綱島の戦績。」
綱島
「はい。」
監督
「１６戦０勝１６敗。」
綱島
「はい！」
監督
「うちのチームの１６敗は全部お前が参加した時だ。」
綱島
「確かに僕が参加した時に必ず負けてますが、
因果関係はないでしょう！」
監督
「確かにこの事実を伝えた時、お前は因果関係はないと言ったな。
だから、その後何度も練習試合をした！」
綱島
「はい。」
監督
「うちの部員５人対５人の対戦。
お前のいるチームが負けた。」
綱島
「因果関係はないです！」
監督
「お前を抜いたら４人のチームが勝った。」
綱島
「因果関係はないです！」
監督
「５人対２人のハンデ戦。
お前を５人のチームに入れたら５人チームが負けた。」
綱島
「因果関係はないです！」
監督
「ちなみに、お前を抜いて４人対２人にしたら４人チームが勝った。」
綱島
「因果関係はないです！」
監督
「重機＋お前対うちの部員５人。
重機＋お前が負けた。」
綱島
「因果関係はないです！」
監督
「お前を抜いたら重機が勝った。」
綱島
「因果関係はないです！」
監督
「ちなみに、重機に負けた５人は病院送りになった。」
綱島
「重機に負けたんですから、そりゃそうです。」
監督
「結果は明白だろ！
勝てるはずの試合がお前が参加すると負けるんだ！」
綱島
「それは僕のせいではなく、
僕が参加することでチームの士気が下がるとか・・・そういう理由です！」
監督
「じゃあお前のせいだよ！
お前がチームの士気を下げてんだから、お前のせいだよ！」
綱島
「確かに僕は生まれてから一度も綱引きで買ったことはありません！」
監督
「誇らしげにいうこと？」
綱島
「でもやる気だけはあります！」
監督
「やる気だけしかないから困るんだよ！」
綱島
「僕も参加させてください！」
監督
「お願いだから参加しないで！
キミさえ参加しなければ、うち勝率１００パーなんだ。」
綱島
「その数字、僕が塗り替えて見せます！」
監督
「無理だよ！
キミが参加しない試合の勝率なんだから！」
綱島
「とりあえず、僕もランニングに行ってきます！」
監督
「士気が下がるからやめ・・・あ！」
綱島
「どうしました？」
監督
「よし、綱島！
お前もスタメンで入れ！」
綱島
「え、どうしたんですか突然？
参加していいんですか？」
監督
「相手のチームに入れ！」
綱島
「はぁ？！」
監督
「お前が相手のチームに入れば勝てる！
で、試合が終わったら戻って来い！」
綱島
「鬼のようなセリフを当然のように言いますね。」
監督
「では、お前先頭で試合に出ろ。
で、ピストルの合図で逆向きに引っ張れ。
で、こっちが勝ったらチームメンバーと普通にハイタッチすればいい。」
綱島
「ものすごく不思議なヤツじゃないですか！」
監督
「首をかしげたりするなよ。」
綱島
「かしげると思うなぁ。」
試合が終わって
監督
「（ロッカールームに戻ってくる）何とか勝てたな。」
綱島
「（一緒に戻ってくる）はい。でも、まさか相手チームも同じ作戦で来るとは思いませんでした。」
久々ですね。
ボケとツッコミがコントの間にころころ入れ替わるコント。
どちらも主役であり、２人で世界観を作っていきます。
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【コント】クロスプレー
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