#2のコントですが、独立しているので、

#1を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら

 


福井
「あれ?
 今日、奥さんは?」

石川
「カミさんは娘を連れて実家に帰ってる。」

福井
「え・・・、ケンカ?」

石川
「違う違う。
 久しぶりに向こうの家族とのんびりしたいんだって。」

福井
「そうなんだ。
 ・・・それで?」

石川
「ん?」

福井
「いや、相談があるっていうから来たんだけど。」

石川
「あぁ、ちょっと被害届を出そうと思って。」

福井
「なんか物騒な話だな。
 何の被害?窃盗?」

石川
「ストーカー。」

福井
「ストーカー・・・?」

石川
「結婚迫られてて、精神的苦痛を感じてる。」

福井
「マジか・・・。
 いつから?」

石川
「半年くらい前かな。
 家族で動物園に行ったんだよ。」

福井
「あぁ。」

石川
「そこでクジャクのコーナーがあって、そのクジャクが俺の顔を見るなり羽根を広げ出して・・・。」

福井
「あ、今その話いいや。
 ストーカーの話を。」

石川
「うん。
 だからそのストーカーの話。」

福井
「うん。お願い。」

石川
「半年前に家族で動物園に行って、
 そこにクジャクのコーナーがあって、
 そこに着くなりクジャクが羽根を広げだして・・・。」

福井
「ごめんごめん。
 クジャクのくだりはいいから、ストーカーの話をお願い。」

石川
「だから、ストーカーの話をしてるんだって。」

福井
「・・・ん?」

石川
「・・・ん?」

福井
「え、ストーカーって?」

石川
「そのクジャク。」

福井
「え、クジャクにストーキングされてるの?」

石川
「最初は羽根を広げて踊ってるからお客さんへのサービスなのかなって思ったんだけど、
 アレ、求愛のダンスだったみたいで。」

福井
「一目惚れ?」

石川
「そうみたい。
 それからだよ。うちの家の前に不定期にクジャクの羽根が落ちてることがあって。」

福井
「どういうこと?」

石川
「多分、飼育員の目を盗んでここまで来てるんだよ。
 住所特定されてる。」

福井
「どうやって特定したんだろ・・・。」

石川
「後をつけたんじゃない?」

福井
「じゃあ気づけよ。
 クジャクがついてきてるんだから。」

着信音
「ピロン。」

石川
「ん?
 (スマホを見て)・・・まただ。」

福井
「なに?」

石川
「例のクジャクからLINE。」

福井
「ID交換したの?」

石川
「最初にクジャクのコーナーに行った時にQRコードがあって
 それを読み込んだらそういうことになってた。」

福井
「で、なんだって?」

石川
「ダンス動画だ(スマホを見せる)。」

福井
「・・・求愛のダンスだな。
 これが『ダンス動画』ってカテゴリーなのかは微妙だけど。」

石川
「これも不定期に届くんだよ。」

福井
「で、どうするの?」

石川
「さっきも言ったけど被害届出すよ。
 俺には妻も娘もいるし、家庭をぐちゃぐちゃにされたくない。」

福井
「よかった。
 『ちょっと揺れ動いてる』とか言われたら何で声かけようかって思った。」

インターホン
「ピンポーン。」

福井
「ん?お客さん?」

石川
「今日誰か来る話あったっけ?(モニターを見る)んー?」

福井
「だれ?」

石川
「若い女の人だ。
 (インターホン越しに応対する)はい。」

若い女の人
「・・・あのときの・・・クジャクです。」

石川
「クジャク来た!
 クジャク来た!
 クジャク来た!」

福井
「どういうことよ。
 鶴の恩返しみたいに人間の格好になってきたってこと?」

石川
「(モニターを見て)見た目は若い女性だけど、自らクジャクって名乗ったし。」

福井
「どうするの?」

石川
「帰ってもらおう。
 中に入れたら何されるかわからない。」

福井
「(インターホン越しに)あの・・・これ見てください!!(ダンスを踊り出す)」

石川
「なんか、インターホン越しに求愛のダンス始めたんだけど!」

福井
「若手ダンサーの売り込みみたいな感じだな。」

石川
「(モニターを見ながら)人間の姿だと求愛のダンスってこんなにキレッキレなんだ。」

配送業者
「(クジャクの後ろで)あのー、すみませーん!
 そこいいですかー?」

石川
「(モニターを見ながら)あぁ、クジャクの後ろに配達業者の人たちが並び始めた。」

福井
「インターホン鳴らさないといけないからね。
 邪魔だよね。
 インターホンの前でキレッキレのダンス披露してる女性がいたら。」

銃声
「パーン!」

クジャク
「うっ・・・(倒れる)」

石川
「なんだ?」

男性
「(モニター越しに)お騒がせしました。
 私、動物園のものです。」

石川
「あ、どうも。」

男性
「うちの動物園からクジャクが1羽逃げ出しまして、
 今、踊ってるところを麻酔銃で仕留めましたので。」

石川
「あ、はい。
 なかなか衝撃的な映像でした。」

男性
「では失礼します(クジャクを連れて帰る)。」

クジャク
「(意識がもうろうとしながら)あ・・・あきらめないですよ・・・。
 あなたの家庭をクジャクじゃにしてやりますから・・・っ!!」

石川
「最後の最後にクジャクでダジャレぶっ込んできた!!」

福井
「一連の流れに精神的苦痛らしさを感じなかったんだけど、被害届は出すの?」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

人に対して求愛のダンスをするクジャクというアイディアから広げていきました。

ツルのおんがえしの「あのときのツルです」というワードは結構使えます。

 

【上演メモ】

人数:5人

石川

福井

クジャク

男性

配送業者

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★★☆☆
備考:女性役がキレキレのダンスを披露する設定があるので、ダンスができる人を舞台上に上げるか、

声だけの出演にして舞台上には上げないかの選択は状況&演出次第だと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】少女コミック
【コント】小人たちの同窓会
【コント】スナイパー
【コント】王様の耳はロバの耳
【コント】なまはげ

 

 

 

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今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

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