#2のコントですが、独立しているので、

#1を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら


 

毛利元就は子供たちの前で三本の矢にまつわる話をしていた。


元就
「いいか、お前たち。
 矢はこのように一本では折れてしまう(矢を折る)。」

隆元
「はい。」

元就
「しかし、このように三本束ねると・・・
 ふんっ!(力を込める)
 ・・・折ることはできない。」

隆元
「はい。」

足軽大将(声のみ)
「(窓の外から)よーし!お前たち、集合!!」

足軽たち(声のみ)
「(外から)はい!」

隆元
「(外を見る)・・・ん?訓練かな。」

足軽大将(声のみ)
「(外から)これから合戦がある!
 気を引き締めていくように!
 わかったか!」

足軽たち(声のみ)
「(外から)はい!!」

隆元
「(外を見ながら)足軽たちも大変だ。」

元就
「隆元、話を聞きなさい。」

隆元
「あぁ、すみません。」

元就
「どんなに力を入れても・・・ふんっ!!
 折ることはできない。
 ・・・わかるな。」

隆元
「はい。」

足軽大将(声のみ)
「(外から)一つお前たちに確認がある!」

足軽たち(声のみ)
「(外から)はい!」

隆元
「(外を見る)・・・ん?」

足軽大将(声のみ)
「(外から)先程、訓練場の矢の本数を確認したところ、数が減っていた!!
 誰だ!無断で訓練場の矢を持って行ったのは!!」

隆元
「(外を見ながら)・・・父上。」

元就
「なんだ?」

隆元
「・・・その矢はどこから持ってきたんですか?」

元就
「下の訓練場だが?」

隆元
「・・・勝手に持ってきたんですか?」

元就
「ここは私の城だ。
 この矢をどうしようとワシの勝手だ。」

隆元
「まぁ、そうですけど・・・。」

足軽大将(声のみ)
「(外から)誰も名乗り出ないのか!?
 ・・・わかった。いいだろう。
 では、今から1人ずつ、お前たちをしばく!」

隆元
「父上!」

元就
「なんだ?」

隆元
「これ返しに行きましょう!」

元就
「何故だ。
 矢がないと三本の矢の話は成立しない。
 この話をパントマイムでやらせる気か?」

隆元
「違います。
 ただ、早くこれを返しに行かないと、足軽たちがしばかれます。」

元就
「・・・しばかれる?」

隆元
「・・・わたしも言っててよくわかってないですけど。」

元就
「続けるぞ。(力を込める)ふんっ!!」

隆元
「聞いてください、父上!」

足軽(声のみ)
「(外から)うぎゃーーーっ!!」

隆元
「しばかれました!
 しばかれました、父上!」

元就
「うるさいなぁ!
 お前、しばかれたのか?」

隆元
「私じゃないです!
 外で足軽たちが理不尽にしばかれてるんです!」

足軽(声のみ)
「(外から)うぎゃーーーっ!!」

隆元
「ほら、しばかれてますって!」

元就
「見てなさい。
 今、3本の矢を折って見せるから。」

隆元
「そういう趣旨だったんですか?
 折ることが目的だったんですか?」

足軽(声のみ)
「(外から)うぎゃーーーっ!!」

隆元
「わかりました!
 それなら早く折ってください!
 早くしないと、足軽が全滅します!」

元就
「しかし硬いな。
 これ、3って数字が絶妙なんだと思う。」

隆元
「そうなんですか?」

元就
「まず1本だと・・・折れる(矢を折る)。」

隆元
「また1からやらなくていいですから!」

元就
「2本でも・・・折れる(矢を折る)。」

隆元
「そうですね!」

元就
「でも、3本だと・・・ふんっ!!・・・折れない。」

隆元
「もうわかりましたから!」

元就
「逆に4本だと・・・折れるんだよね(矢を折る)。」

隆元
「なんでですか!」

元就
「3って数字の魔力だよ。
 東京の市外局番が03なのはそういう理由なんだと思う。」

隆元
「残念ながら東京の市外局番が03なのはそういう理由ではないです。」

足軽(声のみ)
「(外から)うぎゃーーーっ!!」

足軽大将(声のみ)
「(外から)矢を持って行ったヤツ、早く出てこい!
 でないと、無駄な犠牲が増えることになるぞ!!」

隆元
「アイツは何なんですか?
 毛利軍にとって敵ですか?」

足軽(声のみ)
「(外から)わかりました!
 わたしがやりました!」

隆元
「ほら、とうとうやってもないのに名乗り出る足軽が出ちゃった!」

足軽大将(声のみ)
「(外から)お前がやったのかぁぁーーーーっっ!!」

足軽(声のみ)
「(外から)うぎゃーーーっ!!」

隆元
「結局しばくんじゃん!
 何アイツ。ただのあばれたがり?」

足軽大将(声のみ)
「(外から)そうだ、一つ思い出した。」

隆元
「なんだよ、今度は・・・。」

足軽大将(声のみ)
「(外から)さっき武器庫を確認した時、槍も本数が減っていた。」

隆元
「はぁ?」

元就
「(槍を取り出し)では、次に3本の槍の話をしよう。」

隆元
「槍もくすねてた!!」

足軽(声のみ)
「(外から)うぎゃーーーっ!!」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

「今からお前たちを一人ずつしばく!」という言葉から広げていったコントです。

「しばく」って表現がおバカでいいなぁと。

 

【上演メモ】

人数:3人~

元就

隆元

足軽大将(声のみ)

足軽(声のみ)

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:「この話をパントマイムでさせる気か?」というセリフがあるので、矢の小道具はあった方がいいです。

足軽大将と足軽は舞台上には上げず、声だけで演じればいいと思います。

足軽たちはエキストラであり、声だけのイメージなので、何人で演じてもOKです。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】わらしべ長者
【コント】勇者の冒険#2
【お題コント】シナの5人兄弟
【コント】クロスプレー
【コント】金八先生 エピソード1

 

 

 

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今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

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