その日、毛利元就は3人の子供、隆元、元春、隆景を集めて、
重要な話をしていた。

 

 

元就
「いいか。隆元、元春、隆景。
今から大事な話をするぞ。」


隆元
「なんですか、父上。」


元就
「ワシももう長くない。
これからはお前たちの時代だ。
お前たちが世の中を動かしていくんだ。」


元春
「私たちが・・・?」


元就
「そうだ。
そのためにはお前たちがバラバラでは意味がない。
3人力を合わせて、事に当たるのだ。」


隆景
「3人力を合わせて・・・?」


元就
「その通り。
そうだな。例えば、ここに1本の矢がある。
この1本の矢は力を加えると・・・(元就、矢を折る)
このように折れてしまう。」


隆元
「確かに。」


元就
「だが、このように3本の矢を束ねて、力を加えると・・・
(元就、3本の矢を折る)」


元春
「おー・・・」


隆景
「すごーい。折れたー。」


隆元元春隆景
(拍手)


元就
「・・・いや、違う。

 ・・・ここで矢を折って見せることが話の本筋ではないんだ。」


隆元元春隆景
「もう1本!もう1本!もう1本!」


元就
「違う違う!主旨が違うから!」


隆元元春隆景
「もう1本!もう1本!もう1本!」


元就
「わかった。わかったよ。折るから。
こうして4本矢を束ねて、力を加えると・・・
(元就、4本の矢を折る)」


隆元元春隆景
「おー・・・」


元就
「いや、違うからね。感心するところじゃないからね。
要するに、ワシが言いたいのは・・・」


隆元
「俺は力持ち。」


元就
「違う!」


元春
「かかってこい。」


元就
「違う!」


隆景
「俺より強いヤツはいねぇか。」


元就
「違う!強さを求めているわけじゃないの!」


隆元元春隆景
「鉄!鉄!鉄!」


元就
「何?鉄って?」


隆元
「鉄の矢で1つ、さっきのやつをお願いします。」


元就
「だから違うって!今際の際に君たちを呼んで、
力自慢がしたかったわけじゃないの!」


隆元元春隆景
「鉄!鉄!鉄!」


元就
「わかったよ!わかったから・・・」


隆元元春隆景
「わーい!」


元就
「いいか。こうやって鉄の矢に力を加えると・・・
(元就、鉄の矢を折る)」


隆元元春隆景
「おー・・・」


元就
「で、ワシが言いたいのは・・・」


隆元
「俺は超人だ。」


元就
「違う!」


元春
「束になってかかってこい。」


元就
「違う!」


隆景
「プロテインをよこせ。」


元就
「違うってば!」


隆元
(スマホを構える)


元就
「何?」


隆元
「youtubeにアップするので、もう一度矢を折ってください。」


元就
「違う!矢を折ることが話の主旨じゃないの!!」


元春
「動画のタイトルはどうする?」


隆景
「『毛利元就、今日も矢を折る』とか。」


隆元元春
「いいねぇ!」


元就
「よくない!!」


隆元
「じゃあ、お願いします。」


元就
「いやだから、私はね・・・」


隆元
「はい、撮りまーす。」


元就
「違う。矢を折りたいわけじゃなくて・・・」


電子音
「ピピッ!」


元就
「はい、どうもこんにちは。毛利元就です。
今日はね、矢を折りたいと思います。
この鉄の矢、固いですよ。これ、ちょっと硬さを見てもらいましょう。
元春、この矢の硬さを調べて。」


元春
「うん。硬いです。」


元就
「はい。ではね、この矢を折りたいと思います。
こうやって力を加えると・・・
(元就、矢を折る)
はい。折れました。
私に折ってほしいもののリクエスト、募集しています。
あと、よろしければね、チャンネル登録の方、よろしくおねがいします。
毛利元就でした!」


電子音
「ピピッ!」


隆元
「バッチリでーす。」


元就
「だから、矢を折ることが話の本質じゃなくて・・・」


隆元元春隆景
「カブト!カブト!カブト!」


元就
「何、カブトって?」


隆元
「今の父上なら、カブトを曲げられると思います。」


元就
「無理無理無理無理!!」


元春
「プロテイン足りませんか。」


元就
「そういう問題じゃない!」


隆景
「ギャラリーもっと呼びますか。」


元就
「別にギャラリーのつもりで君たちを呼んだわけじゃないし!」


隆元
「父上、カブトです。」


元就
「・・・じゃあ曲げるよ?」


隆元
「お願いします。」


元就
「こうやって力を加えると・・・
(元就、カブトを曲げる)」


隆元元春隆景
「おー・・・」


元就
「満足した?
で、ワシが言いたいのは・・・」


隆元元春隆景
「地球!地球!地球!」


元就
「何?今度は。」


隆元
「今の父上なら、地球を殴れば2つに割れるんじゃないかと・・・」


元就
「ワシ別に、鳥山明原作の漫画のキャラクターじゃないから・・・」


元春
「プロテイン足りませんか。」


元就
「プロテインの問題じゃないから!」


隆景
「ギャラリーもっと呼びますか。」


元就
「ギャラリーの問題でもない!」


隆元
「父上。準備OKです!」


元春
「お願いします!」


元就
「えー・・・じゃあいくよ・・・?」


家老
「おや、どうしました、元就さま。
地面に拳を当てて。」


隆元
「今から父上が自慢の怪力で地球を割ります。」


家老
「なんですと!元就さま!!なりません!
地球を割ってはなりません!!」


元就
「大丈夫。今のワシならいけると思う。」


家老
「ご乱心だー!
皆の者!元就さまを止めてくれ!!」


元就
「何をする!やめろ!割らせろ!地球を割らせろ!!」

 

 


このやりとりが一部改変されて、
あの3本の矢のエピソードが生まれた。

 

 

 

 

 


【コント・セルフ・ライナーノーツ】

三ツ矢サイダーのペットボトルを眺めていて、なんとなく思いついた設定。

どんどん話の主旨がずれていくコントの典型的な形です。

 

 

【実際にコントを演じたい方のためのメモ】

人数:5人

元就

隆元

元春

隆景

家老


所要時間:3分~4分

難易度:★★☆☆☆

備考:折れやすい矢やカブトの小道具の準備が大変かもしれません。マイムでもいいかもしれませんが、その場合は効果音と一緒に曲げるマイムをした方がいいと思います。

 

※コメントをいただいた方のブログには、近日中に伺います。(だいたい土曜日か日曜日)

 

【コメントを書きたいけど、感想がない方のためのコメントテーマ】

・このコント、演じるとしたら、誰が適任?

・こんなお題でコント書いてほしい

・このセリフ、いいね!(気に入ったセリフをコピペしていただければOK)


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