(校長室の前)


堀部
「(やってくる)校長先生ー。
 ベルマークを持ってきまし・・・。」

校長
「(校長室の中から)まだだ!
 これだけではまだ足りぬ・・・!!」

堀部
「(校長室の前で立ち止まる)・・・何だ?」

校長
「(校長室の中から)これだけでは・・・!
 これだけではまだまだ足りぬのだ!」

堀部
「・・・校長先生?」

校長
「(校長室の中から)もっと・・・!もっとだ・・・!
 もっとベルマークを集めるのだ・・・!」

堀部
「・・・ベルマークを?」

校長
「(校長室の中から)もっともっとベルマークを集め・・・、初代校長を復活させるのだ・・・!!」

堀部
「しょ、初代校長を復活・・・?!」

校長
「(校長室の中から)むっ・・・!!
 誰だ、そこにいるのは・・・?!」

堀部
「マズい!!(その場から立ち去る)」


(生徒会室)


堀部
「(走りこんでくる)大変!大変だよ!!」

生徒会長
「おぉ、堀部。
 ベルマーク、校長先生に届けたか?」

堀部
「それどころじゃないよ、大変なんだよ!!」

生徒会長
「・・・なんだよ、どうした?」

堀部
「校長先生が・・・!
 校長先生が・・・!

 初代校長を復活させようとしてるんだよっ!!」

生徒会長
「・・・。」

堀部
「・・・。」

生徒会長
「・・・。」

堀部
「・・・。」

生徒会長
「・・・はぁ?」

堀部
「いや、だから、
 校長先生が初代校長を復活させようとしてるんだよ!」

生徒会長
「・・・。」

堀部
「・・・。」

生徒会長
「・・・わからないな。」

堀部
「なにがわからない?」

生徒会長
「初代校長が復活することのデメリット。」

堀部
「・・・言われてみれば、僕もわからないな。」

生徒会長
「だろ?」

堀部
「なんで危険だと思ったんだろ。
 校長先生の雰囲気補正かな。」

生徒会長
「雰囲気補正?」

堀部
「校長先生の『初代校長を復活させるのだ!』というセリフに
 意味もわからず『なんだって?!』って反応しちゃったけど、
 初代校長、会ったことないし、
 復活してもどうってことなさそうだな。」

生徒会長
「だろ。
 そもそも『初代校長復活』ってパワーワードの意味がわからない。
 また現役に復帰されるのかなって思うくらい。」

堀部
「・・・うん。
 大したことなさそうだ。」

生徒会長
「大丈夫?」

堀部
「うん。
 校長先生にベルマーク渡してくる。(校長室に向かう)」


(5分後)


堀部
「(生徒会室に走りこんでくる)やっぱりヤバイよ!!」

生徒会長
「なんだよ、血相変えて。」

堀部
「校長先生は初代校長を復活させるため、
 ベルマークに秘められた力を解放しようとしてるんだ!」

生徒会長
「・・・。」

堀部
「・・・。」

生徒会長
「・・・はぁ?」

堀部
「初代校長は30年前に
 当時の教育委員会によって封印されたらしいんだ!」

生徒会長
「待て待て待て!」

堀部
「それを今の校長が
 ベルマークの力で封印から目覚めさせようとしてるんだよ!」

生徒会長
「待て待て!
 一旦待て!」

堀部
「ベルマークに込められた力は相当なもので・・・。」

生徒会長
「待てってば!!」

堀部
「何?」

生徒会長
「パワーワードが多すぎてついていけない。
 1つずつ整理して話して。」

堀部
「まず、校長先生がベルマークで初代校長を復活させようとしてて・・・。」

生徒会長
「ベルマークにそんな力はない。」

堀部
「初代校長は30年前に当時の教育委員会に封印されたんだけど・・・。」

生徒会長
「教育委員会はそんな機関じゃない。」

堀部
「ベルマークを大量に集めることで初代校長の封印が・・・。」

生徒会長
「そもそも、初代校長の封印って何?」

堀部
「なんだろ、めちゃくちゃ危機が迫ってるように感じてしまうのは、

 やっぱり雰囲気補正なのかな。」

生徒会長
「雰囲気補正じゃない?」

堀部
「改めて情報を整理しながらお前と話をしてたら、大したことないって気がしてきた。」

生徒会長
「とりあえず、校長室にベルマーク届けてきて。」

堀部
「あ、でも、校長室から

 『初代校長の封印を解くには、あとベルマークが10万点必要だ』

 って声が聞こえた。」

生徒会長
「だったらあと数十年かかるから大丈夫。
 歯磨き粉の箱についてるベルマークが1点だから。」

堀部
「確かに。
 2桁集めてる人すら見たことないや。」

生徒会長
「大丈夫?」

堀部
「うん。行ってきまーす。(校長室に向かう)」


(5分後)


堀部
「(駆け込んでくる)絶対ヤバイよ!絶対マズいよ!」

生徒会長
「なんだよ、また血相変えて。」

堀部
「校長先生の手元には既にベルマークが990万点溜まってるらしいんだよ。」

生徒会長
「校長、ベルマークまみれじゃねぇか。
 ベルマーク集めてる団体よりベルマーク持ってるよ。」

堀部
「だからあと10万点ってもう時間の問題だよ。」

生徒会長
「だから何度も言うけど、初代校長が復活してもいいじゃん、別に。」

堀部
「うなり声が聞こえたんだよ!」

生徒会長
「うなり声?」

堀部
「校長室の中から『グォォォォォ・・・』って声が。
 絶対見た目も怖いよ。」

生徒会長
「見た目?」

堀部
「トランプのジョーカーみたいな見た目してるよ。」

生徒会長
「じゃあそんなに怖くないよ。」

堀部
「あと、校長先生、二宮金次郎像や理科室の人体模型にベルマークを集めさせてるらしいんだよ。」

生徒会長
「校長、友達いねぇのかよ。
 逆に面白いよ、その画。」

堀部
「それと、毎週全校朝会で校長先生が話してる内容、
 あれ、初代校長を復活させるための呪文だったらしいんだよ。」

生徒会長
「なんかまた出てきたな、パワーワード。」

堀部
「全校朝会の校長先生の話、頭に入ってこないだろ?
 それもそのはず。
 校長先生は20分間朝礼台の上で復活の呪文を唱えてたんだよ!」

生徒会長
「確かに数週間前の全校朝会で、
 校長がずっと『ぺぺぺぺぺ・・・』って言ってた時があったけど。」

堀部
「もう確信した。
 これは雰囲気補正なんかじゃない。
 初代校長が復活したら、世界が滅亡する。」

生徒会長
「うちの学校大丈夫?
 そんな人たちがトップで。」

堀部
「教育委員会に連絡する!(スマホを取り出す)」

生徒会長
「なんて言うつもり?」

堀部
「『30年前のあの時と同じように現校長を封印してください!』って!(電話をかける)」



その日、教育委員会で緊急会議が開かれた。


議題は『今、子供たちの間で何が起きているのか』だった。

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

ベルマークは何に使われるのか大喜利を頭の中で開催した結果

『初代校長を復活させるため』

という答えが浮かび、それをそのままコントにしてみました。

 

【上演メモ】

人数:3人

堀部

生徒会長

校長

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★☆☆☆☆
備考:校長先生役は舞台上に上げず声だけの出演にした方が想像力が膨らむと思います。

演じやすい現代劇で難しいセリフもないので、上演難易度は低めです。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】スペースシャトル
【コント】ドッキリ#2
【コント】断捨離
【コント】マーメイド#2
【コント】恋人たちの別れ

 

 

 

【コメント募集中】

今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

【実演したい方へ】

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アレンジや改変も自由です。

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