アインシュタイン
「・・・というわけで、私からの授業はここまでです。」

大江
「ありがとうございます。
 いやぁ、アインシュタイン先生から直々に相対性理論を教えてもらえるなんて。」

アインシュタイン
「私も光栄です。
 未来の人たちに私の研究の成果を直接教えることができるなんて。
 タイムマシンの発明のおかげですよ。」

大江
「ホントですね。
 今日はこの後、また別の方がタイムマシンでこの時代にやって来る予定なので、
 その方にも是非講義の方を・・・。」

アインシュタイン
「わかりました。」

大江
「ありがとうございます。
 それにしても意外です。」

アインシュタイン
「・・・何がですか?」

大江
「アインシュタイン先生、普通の顔もできるんですね。」

アインシュタイン
「・・・ん?
 どういうことですか?」

大江
「いや、私たちの時代では、
 アインシュタイン先生の写真は目を見開いて舌を出してるものが有名なんで・・・。」

アインシュタイン
「え、え、え、どういうこと?」

大江
「この写真ですね(スマホの画像を見せる)」

アインシュタイン
「わ、わ、わ、わ、わ!
 何この写真!」

大江
「アインシュタイン先生です。」

アインシュタイン
「いやいやいやいや、これアレだよ。
 飲み会か何かでみんなで変顔した時のやつじゃん!」

大江
「あ、酔った勢いの顔なんですね。」

アインシュタイン
「そうだよ、シラフでこんな顔しないよ!」

大江
「そうなんですね。
 みんなビックリしてましたよ。
 アインシュタイン先生って普通の顔はあんな顔なんですねって。」

アインシュタイン
「え、え、え?
 逆に普通の顔は出回ってないの?」

大江
「ないですね。」

アインシュタイン
「ないの?!
 飲み会の変顔だけ?!」

大江
「一部の人は素顔を知ってるかもしれませんが、
 世間一般には変顔で知れ渡ってます。」

アインシュタイン
「最悪じゃん。
 私、変なおじさんじゃん。」

大江
「そうです。
 あなたが変なおじさんです。」

アインシュタイン
「私、四六時中あんな顔じゃないからね。」

大江
「はい。
 だから、ご本人にお会いして安心しました。
 ずっとあんな顔だったらどうしようって思って・・・。」

アインシュタイン
「まず安心される偉人ってなんだよ!
 ホントやめて。一夜限りの変顔を晒すの。」

大江
「大丈夫です。
 アインシュタイン先生が頭の良さはちゃんと現代にも伝わってますから。」

アインシュタイン
「・・・そう?」

大江
「進学塾のポスターにもアインシュタイン先生の変顔が使われてます(画像を見せる)。」

アインシュタイン
「だからやめて!
 この塾に通わせると、みんなこんな子になるって思われるから!!」

大江
「でも、アインシュタイン先生といえば相対性理論ってみんな知ってますから。」

アインシュタイン
「あ、そう。
 そこはちゃんと伝わってるんだ。」

大江
「相対性理論はなんだかよくわからないけど、
 この顔は知ってるって人がほとんどです。」

アインシュタイン
「もう最悪のケースじゃん!
 知ってほしいことが知られてないで、恥部だけが広まるって。」

大江
「そんなにイヤですか?」

アインシュタイン
「イヤだよ!
 ・・・ちなみに他の偉人の顔はどんな感じで伝わってるの?」

大江
「例えばこんな感じですね(スマホの画像を見せる)。」

アインシュタイン
「めちゃくちゃカッコいいじゃん。
 うわ、エジソンとかキメ顔だし。」

大江
「カッコいいですね。
 隣の写真がアインシュタイン先生です。」

アインシュタイン
「・・・私、絶対どうかしちゃったヤツだよ。
 たった1回だけやった変顔が後世に残るって何。
 どういう仕打ち?
 これ末代まで言われるよ。」

大江
「そうですね。」

アインシュタイン
「世間一般の人は私の普通の顔知らないんでしょ?」

大江
「そうですね。
 タイムマシンから降りてこられた時、最初誰かと思いました。」

アインシュタイン
「え、そんなに知名度ないの?私の素顔。」

大江
「まぁ・・・、ないですね。」

アインシュタイン
「それは何?
 普通の顔だと誰も気づかないけど、野沢雅子の格好だとみんな気づくみたいなもの?」

大江
「そうですね。そんな感じです。
 お笑い詳しいんですね。」

アインシュタイン
「でぇ好き。」

大江
「なるほど。」

電子音
「ピピピピピ・・・」

大江
「(時計を見て)あ、新しい偉人の方がタイムマシンで現代にやって来られたみたいですよ。」


(光とともにタイムマシンが現れる)


大江
「おぉ、来た来た。」

???
(降りてくる)

大江
「お疲れ様です。」

???
「明治の俳人・正岡子規です。」

大江
「あぁ、あなたが。」

正岡子規
「相対性理論を学びに来ました。」

アインシュタイン
「ようこそ。
 いろいろ教えますよ。」

正岡子規
「よろしくお願いします。」

大江
「それにしても意外です。」

正岡子規
「何がですか?」

大江
「正岡子規さん、正面向けるんですね。」

正岡子規
「向けるよ!!」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

他の方のブログで普通の顔をしているアインシュタインの写真を見たときに、

あの顔が広まっていることをアインシュタイン本人が知ったらどう思うだろうと考え、作ってみました。

 

絶対、本意ではなかったと思うんですよね・・・

 

【上演メモ】

人数:3人

アインシュタイン

正岡子規

大江

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:アインシュタインっぽい格好、正岡子規っぽい格好をする準備が一番大変だと思います。

あと、タイムマシンの登場も。袖を光らせて、あとは「タイムマシンが来た」という演技でカバーするのが一番現実的かと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】ドッキリ
【お題コント】国民的キャラのコラボ
【お題コント】鍋奉行
【コント】赤ずきんちゃんが聞く
【コント】金の斧、銀の斧#3

 

 

 

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