おばあさんを食べてしまったオオカミは
おばあさんになりすまし、
赤ずきんがやってくるのを待ちました。



ドアをノックする音
「トントン」


オオカミ
「誰だい?」



「私よ。赤ずきんよ。」


オオカミ

「おお、お入り。」


赤ずきん
「(小屋に入ってくる)こんにちは、おばあさん。」


オオカミ
「元気そうだね、赤ずきんや。」


赤ずきん

「ええ。
 あら?おばあさん。」


オオカミ

「どうしたんだい?」


赤ずきん
「おばあさんの耳はどうしてそんなに大きいの?」


オオカミ
「それはね、お前の声をよく聞くためだよ。」


赤ずきん
「じゃあ、おばあさんの目はどうしてそんなに大きいの?」


オオカミ
「それはね、お前の顔をよく見るためだよ。」


赤ずきん
「ふーん。じゃあ、おばあさんの鼻はどうしてそんなに大きいの?」


オオカミ
「鼻かい?
 それは、お前の摘んできた花の香りをかぐためだよ。」


赤ずきん
「おばあさんの顔はどうして毛が多いの?」


オオカミ
「体質だよ。」


赤ずきん
「おばあさんのまゆ毛はどうしてそんなに濃いの?」


オオカミ
「汗が目に入らないようにするためだよ。」
 
赤ずきん
「おばあさんの・・・」


オオカミ
「赤ずきんや。」


赤ずきん
「何?」


オオカミ
「そろそろ口について質問してくれないかい?」


赤ずきん
「うん。あとでね。」


オオカミ
「あとなんだね。」


赤ずきん
「おばあさんの肌はどうしてそんなにツルツルなの?」


オオカミ
「メンズエステに通ってるからだよ。
 口の質問も忘れないでね。」


赤ずきん
「うん。
 おばあさんの手はどうして毛が多いの?」


オオカミ
「それも体質だよ。
 赤ずきん、そろそろ口の質問を・・・。」


赤ずきん
「おばあさんの鼻の横のホクロはどうしてそんなに大きいの?」


オオカミ
「うん。コンプレックスだから、そこには触れないで。
 口の質問はだいぶ後の方なのかな。」


赤ずきん
「髪切った?」


オオカミ
「タモさんみたいな質問出たね。
 髪の話はいいから、早く口の質問して。」


赤ずきん
「Sですか?Mですか?」


オオカミ
「その質問なんなの?
 聞いてどうするの?
 まぁ、Sだけどね。」


赤ずきん
「おばあさんの鼻の横のホクロはどうしてそんなに大きいの?」


オオカミ

「うん。2回目だよね、その質問。
 人のコンプレックスをえぐるね、キミは。
 キミもSなのかな。」


赤ずきん
「なんか面白い話をしてください。」


オオカミ
「最悪のフリをするね、キミは。
 もうちょっと話のフリ方を勉強した方がいいと思うよ。」


赤ずきん
「(ポケットから紙を取り出す)
 それではここで、事前にツイッターで募集したおばあさんへの質問を紹介したいと思います。」


オオカミ
「おばあさんは何者なのかな。
 人生相談の仕事でもしてるのかな。」


赤ずきん
「(紙を読む)
 『きのこの山派ですか?たけのこの里派ですか?』」


オオカミ
「人生相談でもなかったね。
 たけのこの里派だけどね。
 クッキーおいしいよね。」


赤ずきん
「『目玉焼きにはソース派ですか?しょう油派ですか?』」


オオカミ
「何もかけない派だね。
 ちなみに父はソース派、母はしょう油派だね。
 1回それで大ケンカになったことあるね。
 ・・・どうでもいいね。」


赤ずきん
「『ブリーフ派ですか?トランクス派ですか?』」


オオカミ

「それ、おばあさんに聞く質問かな?
 まぁ、トランクス派だけどね。」


赤ずきん
「『おばあさんの鼻の横のホクロはどうしてそんなに大きいのですか?』」


オオカミ

「ツイッターでもその質問来た?
 今度、レーザーでホクロ消すね。
 そしたら、この質問来なくなるかな。」


赤ずきん
「『だ~れだ?』」


オオカミ
「誰だろうね?
 その質問、質問者がこの場にいないと成立しないよね。」


赤ずきん
「ツイッターからの質問は以上になります。
 なお、おばあさんへの質問、引き続き募集しています。
 ハッシュタグ『#akazukin_ohkami』をつけて投稿してください。」


オオカミ
「ハッシュタグに『ohkami』って入ってるけど、
 ひょっとして、バレてるのかな?」


赤ずきん
「さて、それでは最後の質問です。」


オオカミ
「いよいよ口の質問かな!?
 ・・・どうぞ。」


赤ずきん
「『あなたにとって、おばあさんとは?』」


オオカミ
「その質問、おばあさんにしてどうするつもりなのかな?!」


赤ずきん
「おばあさん、質問に答えてくれてありがとう。
 また来るわね。」


オオカミ
「帰るんだね。」


赤ずきん
「バイバイ!(小屋を出ていく)」


オオカミ
「うん。バイバイ。
 赤ずきん、とうとう口の質問しなかったね。」


ドアをノックする音
「トントン。」


オオカミ
「誰だい?」



「狩人です。」


オオカミ
「ヤバイ!(ふとんに隠れる。)」


狩人
「(小屋に入ってくる)失礼しますよ。」


オオカミ
「・・・ど、どうかしましたか?」


狩人
「この辺りにオオカミが出たそうです。
 おばあさんも気をつけてください。」


オオカミ
「は、はい・・・。
 ご心配、ありがとうございます。」


狩人
「(オオカミの顔をのぞき込む)
 おや?おばあさん・・・?」


オオカミ
「は、はい?」


狩人
「おばあさんの鼻の横のホクロはどうしてそんなに大きいんですか?」


オオカミ
「人のコンプレックスをえぐるね、キミたちは!!」








【セルフ・コント・ライナーノーツ】

赤ずきんが一向に口の質問をしなかったら・・・?というところをしつこく続けたコントです。

昔話、童話シリーズが続いてますが、まぁ、作りやすいので・・・

なんか、ツッコミがザ・ゴールデンゴールデンっぽくなってしまった・・・

わかる人います?




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