白雪姫の心の声
(ど、どうしたの?!
 辺りが真っ暗なんだけど!)

小人の声
「白雪姫~!白雪姫~!!」

白雪姫の心の声
(この声は・・・小人さん?)

小人の声
「白雪姫~!目を覚ましてください!
 これも全て、あの魔女が渡してきたリンゴのせいなのか?」

白雪姫の心の声
(そうだ。
 あたし、魔女に渡されたリンゴをかじった途端、意識が遠くなって・・・。
 そのまま眠ってしまったのね。)

小人の声
「白雪姫~!目を覚ましてください~!」

白雪姫の心の声
(意識ははっきりしてるんだけどな。ヘンな感じ。
 王子さまとか助けに来てくれないかな。
 特にイケメンの王子さま。)

小人の声
「あ、あなたは?」

白雪姫の心の声
(イケメン王子来た?!)

王子の声
「自分、王子っス!
 姫を起こしに来たっス!」

白雪姫の心の声
(お、王子・・・?
 思ってたのと、だいぶ印象違うけど・・・)

小人の声
「姫を・・・姫を目覚めさせることができるんですか?!」

王子の声
「できるっス!」

小人の声
「どうやるんですか?」

王子の声
「キスっス!」

小人の声
「キス?」

王子の声
「そうっス!
 自分がキスっスをすれば、姫を目覚めさせることができるっス!」

白雪姫の心の声
(『キスっスをすれば』って何?)

小人の声
「かなり自信があるようですが、その根拠は・・・?」

王子の声
「過去に実績があるっス!」

白雪姫の心の声
(実績あるんだ。)

王子の声
「今年に入って10人にキスっスをしたっスが、
 3人目覚めたっス!」

白雪姫の心の声
(残りの7人はどうなったのよ!)

王子の声
「今、5連敗中っス!」

白雪姫の心の声
(大スランプじゃない!)

王子の声
「ちなみに、前にキスっスをしたお姫さまは無事目覚めたっスが、
 語尾が『~っス』になってしまったっス!」

白雪姫の心の声
(口癖、伝染してるじゃない!)

王子の声
「自分に厳しく、ここは引き分けにしたっス!」

白雪姫の心の声
(引き分けじゃないよ!
 むしろ負けだよ!)

小人の声
「では、お願いします。」

白雪姫の心の声
(お願いしちゃダメ!)

王子の声
「行くっス!」

白雪姫の心の声
(来ないで!
 ヘンな口癖になりたくない!)

???
「あの・・・。」

小人の声
「はい?」

白雪姫の心の声
(誰か来た?)

???
「そちらで眠っている女性は・・・?」

小人の声
「あ、はい。
 悪い魔女に毒リンゴを食べさせられて、目覚めなくなってしまったんです。」

王子の声
「で、自分がこれからキスっスするっス!」

白雪姫の心の声
(できればやめてほしいんですけど。)

???
「もし、よろしければ、私が代わりましょうか?」

白雪姫の心の声
(え?)

小人の声
「あなたは?」

???
「私は西の国の王子です。」

白雪姫の心の声
(王子さま来た!
 イケメン王子さま来たよ!)

王子1の声
「じゃあ、自分の後にキスっスするっス!」

白雪姫の心の声
(どういうシステムよ!
 お口直しにってこと?)

王子2の声
「あ、もうあなたがキスすることは決まってるんですか?」

王子1の声
「決定事項っス!」

白雪姫の心の声
(決まってない決まってない!)

王子2の声
「では、私はこれで・・・」

白雪姫の心の声
(帰らないで!
 あたし、ヘンな口癖になりたくない!)

小人の声
「ちょっとお待ちください!」

白雪姫の心の声
(小人さん!)

小人の声
「ここは勝負で勝った方が姫にキスするというのはいかがでしょうか?」

白雪姫の心の声
(その方がまだいいわ。
 負けないわよね、王子さま!)

王子1の声
「何で勝負するっスか?
 人生ゲームっスか?」

白雪姫の心の声
(あたし、どんな気持ちで経過を聞いてたらいいのよ。)

王子1の声
「学力で勝負でもいいっスよ!
 あんた、最終学歴は?」

王子2の声
「一応、国立大学出てます。
 あなたは?」

王子1の声
「小学校、中学校とキス部に在籍してたっス!」

白雪姫の心の声
(キス部?)

王子1の声
「あ、中学じゃなかった。チュー学っス。」

白雪姫の心の声
(徹底っぷりがムカつく。)

王子1の声
「私立キス専門高校を経て・・・。」

白雪姫の心の声
(キス専門高校?)

王子1の声
「国立キス大学 キス学部 接吻科に入学。」

白雪姫の心の声
(何を学ぶところ?)

王子1の声
「そして、中退。」

白雪姫の心の声
(ダメじゃん。)

王子1の声
「あ、違う。チュー退。」

白雪姫の心の声
(再度、ムカつく。)

王子2の声
「キス界のエリートですね。」

王子1の声
「キスに関してはオイラの方が何倍も博識っス。」

白雪姫の心の声
(でも、ムカつく。)

小人の声
「あ、ビーチフラッグとかどうですか?」

王子2の声
「ビーチフラッグですか?」

小人の声
「50m先から走って来て、
 ゴールには旗の代わりに姫がいますので、そのままキスしていただければ。」

白雪姫の心の声
(怖いからやめて!
 50mの助走をつけたキスって怖すぎるから!)

王子1の声
「やっぱり人生ゲームがいいっス!」

白雪姫の心の声
(好きだな、人生ゲーム!)

王子2の声
「他に案もないので、それで。」

王子1の声
「こんな事もあろうかと、持ち歩いてるっス!」

白雪姫の心の声
(『こんな事』とは?)

王子1の声
「じゃあ、始めるっスー!」


(1時間後)


王子2の声
「勝ったー!」

王子1の声
「負けたっスー!」

白雪姫の心の声
(長かった・・・。
 地獄のような時間だった・・・。)

王子1の声
「あのとき・・・、あのとき保険にさえ入っていれば・・・!」

白雪姫の心の声
(人生ゲームでこんなに悔やむ人、初めて見たわ。)

王子2の声
「では、姫にキスを・・・。」

小人の声
「お願いします。」


(ゆっくり辺りが明るくなる)


白雪姫
「あぁ。よかった!
 やっと目が覚めたのね!」

小人
「こちらの方が魔女の呪いを解いてくれたんです。」

白雪姫
「こちらの方・・・?」


(王子の格好をした男性と野球部のユニフォームを来た男が立っている)


白雪姫
「(王子の格好をした男性に)あなたのおかげで再び目覚めることができました!
 ありがとうございます!」

王子1
「礼にはおよばないっス!」

白雪姫
「お前がこっちか!」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

白雪姫の王子さまがスランプという設定から、この形にたどり着きました。

アイディア出しのときにはもっといろいろ案が出てきたんですけど、

いくつかの案は削ぎ落して、このようなコントになりました。

 

【上演メモ】

人数:4人

白雪姫

王子1

王子2

小人

 

所要時間:4分~5分
所要時間:★★★★☆
備考:基本、白雪姫が目覚めるまでは真っ暗で、目覚めとともに明るくなるイメージで作りました。

最後のオチを考えると、実演は難しいかもしれません。文字コントだからこそできる仕掛けなので。

できるとしたら、アニメかなぁ・・・。

チュー学の仕掛けも文字だからこそできる部分です。声で演じるとしたら、チューの部分を長めに発音すると、伝わるかと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【お題コント】誕生日
【コント】乙姫と浦島と玉手箱#2
【コント】貞子と井戸、あとテレビ
【お題コント】不思議の国のアリス
【コント】TSUYU

 

 

 

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