今回のお題は桔梗さんれんちゃろっぷさんからいただきました。

 

桔梗さん、れんちゃろっぷさん、ありがとうございます。

 


 

(走るウサギをアリスが追いかけている)


アリス
「おかしいわね・・・。
 かれこれ、ウサギを追いかけ続けて1時間半になるけど、未だに不思議の国に行ける気配がないじゃない。」

ウサギ
(ひたすら森を走っている)

アリス
「不思議なウサギを見かけたから追いかけているけど、ずーっと森が続くばかりだし・・・。
 果たしてこれは不思議の国に連れて行ってもらえているの・・・?」


(アリスの靴ひもがほどける。)


アリス
「あっ!靴ひもが・・・!(結び始める)」

ウサギ
(待つ。)

アリス
「結びました。」

ウサギ
(再び走り出す。)

アリス
「今、ウサギは待っていたわね。
 と言うことは、やはり私をどこかに導いているということなの?」

ウサギ
(ひたすら森を走っている)

アリス
「にしても、長くない?
 1時間走ってるのよ?私が元長距離の選手じゃなかったら、完全に倒れてるわよ、この距離。」

ウサギ
(ひたすら森を走っている)

ウサギ2
(前方で待っている)

アリス
「あれ?前に何かいる。
 あれは・・・ウサギ?
 なんでもう一羽ウサギがいるの?」


(走っていたウサギ、待っていたウサギにタッチする。
 今度は待っていたウサギが走り出す。)


アリス
「リレー?!駅伝方式?!
 この先も何キロかおきにウサギが待ってて、分担してわたしを導いてくれるの?!
 ちょっと待って!私は一人なのよ?!
 ムリムリムリ!
 いくら私が長距離で県大会の選手に選ばれた経験があるからって、それは中学の話なんだから!」

ウサギ2
(ひたすら走り続けている)

アリス
「まだ・・・?いつまで走ればいいの?
 もうちょっと近場にないの?不思議の国の入り口・・・。」

ウサギ2
(ひたすら走り続けている)

アリス
「もしかして・・・。もしかしてだけど、あれ、普通のウサギってことないよね?
 ただの野うさぎを1時間半、追いかけ続けてたってことないわよね?
 ただの野うさぎだったとしたら、わたし最高の暇人じゃない。
 ちょっと止まってみましょう。(走るのをやめる。)」

ウサギ2
(振り返って止まる。)

アリス
「止まった。やっぱり、ただのウサギじゃないのかしら。(歩き出す)」

ウサギ2
(アリスが歩き出したのを見て、歩き出す。)

アリス
「うん。どうやら、やっぱりわたしをどこかに導いてくれているようね。
 よかった。『アリス、最高の暇人説』はただの仮説だったようね。(走り出す)」

ウサギ2
(アリスが走り出したのを見て、走り出す。)

アリス
「だとしてもよ。長すぎるのよ。
 このシーン要る?
 このシーンだけで、本でいうところの上巻終わっちゃうんじゃない?」

ウサギ2
(駐輪場にたどり着く。)

アリス
「ここは何?
 駐輪場?」

ウサギ2
(自分の自転車に乗って漕ぎ出す)

アリス
「待って!自転車って卑怯じゃない!
 あなたたちリレーしてるじゃない!
 わたし、一人で走り続けてるのよ!?」

ウサギ2
(アリスの声を無視して走り続ける)

アリス
「(『アリス様用』と書かれた自転車を見つける)これ、わたしの?
 これに乗って・・・(自転車に乗る)」

ウサギ2
(自転車に乗って走る)

アリス
(自転車に乗って追いかける)


(土手を自転車で走り続けるウサギとアリス。)


アリス
「なにこれ。
 わたしが思ってた不思議の国への行き方じゃない。
 なにこの登下校みたいな感じ。」

ウサギ2
(駐輪場にたどり着く。)

アリス
「ここ?ここが目的地?」

ウサギ2
(自転車を停め、バスに乗る)

アリス
「何?!今度はバス?!
 乗り物に乗るなら、もうちょっと早く乗ってよ!
 何、一時間半も走らせてるのよ。(バスに乗る)」

ウサギ2
(席に座る)

アリス
「(ウサギの隣の席に座る)これ、不思議の国に向かってるのよね。
 ずっと、その疑問が晴れないんだけど。」

アナウンス
「次は成田空港。成田空港です。
 成田空港でお降りの方はブザーでお知らせください。」

ウサギ2
(ブザーを押す)

アリス
「降りるの?!成田空港?!
 え、飛行機?!
 わたし、パスポート持ってないわよ?!」

ウサギ2
(ふところからパスポートを取り出し、アリスに渡す)

アリス
「(パスポートを受け取る)持ってるのね?!
 準備がいいのはわかるんだけど、不思議の国ってパスポート要るの?!
 あ、でも、不思議の『国』っていうくらいだから、パスポート要るか・・・。」


(飛行機飛び立つ)


(9時間後)


(飛行機降り立つ)


(再び走っているウサギとアリス)


アリス
「もう後には引けないところまで来ちゃったわよ!
 飛行機乗ってんだから!
 海外なんだから!」

沿道の声援
「がんばれ!」

アリス
「ありがとうございます!」

沿道の声援
「あと少しだよ!」

アリス
「はいっ!」

ウサギ2
(給水ポイントのペットボトルを取る)

アリス
(給水ポイントのペットボトルを取る)

ウサギ2
(ドリンクを飲みながら走る)

アリス
「(ドリンクを飲みながら)沿道のみなさんも応援してくれているわ!
 声援に応えないと!」


(前方にカラーコーンが置いてある。)


ウサギ2
(カラーコーンを折り返す。)

アリス
(カラーコーンを折り返す。)

沿道の声援
「がんばれー!」

アリス
「がんばります!」

沿道の声援
「もうすぐだよー!」

アリス
「ありがとうございます!」

ウサギ2
(スタジアムに入っていく)

アリス
「ここ?!
 ここが目的地?!(スタジアムに入る)」


(客席にはものすごい数のギャラリーがいる。)


アリス
「すごい人・・・!みんな待っててくれたのね!」

ウサギ2
(トラックを一周する)

アリス
(ウサギを追いかけて、トラックを一周する)

ウサギ2
(ゴールテープをくぐり抜ける)

アリス
「あ!ゴールテープ・・・!」


(アリス、ゴールテープを切る)


アリス
「やった!ゴールよ!」

記者1
「(アリスの元にやってくる)おめでとうございます!」

記者2
「(アリスの元にやってくる)おめでとうございます!」

アリス
「あ、ありがとうございます。」

記者1
「今の気持ち、いかがですか?」

アリス
「はい。
 やっとゴールできたんだなぁって気持ちでいっぱいです。」

記者2
「ここまで来れた秘訣はなんでしょう?」

アリス
「そうですね。
 やっぱり沿道に詰めかけてくれたギャラリーのみなさんの声援が大きかったと思います。」

記者1
「このゴールを誰に伝えたいですか?」

アリス
「家でわたしの帰りを待っている家族に伝えたいです。」

記者2
「最後にファンの皆さんに一言お願いします。」

アリス
「はい!
 みなさんのおかげでゴールできました!
 ありがとうございました!」

歓声
「わー!」

アリス
(表彰台の真ん中で表彰状を掲げる。)

記者たち
(アリスの写真をたくさん撮る)

アリス
(金メダルを噛んだポーズでカメラ目線をする。)

記者たち
(アリスの写真をたくさん撮る)

アリス
(国旗掲揚台に掲げられていく国旗を眺める)

記者たち
(アリスの写真をたくさん撮る)

アリス
「(国旗を眺めながら)・・・で、不思議の国は?」

 

 

 

 


【今回のコントについて】

さて、今回、新しい試みとして、

アメブロコント仲間のゴトウクン

同じ「不思議の国のアリス」でコントを書いていただきました。

 

同じお題でも、書く人によってこんなにもできる作品が変わるんだというところをお楽しみください。

 

本劇場、初の「客演」です。

 

↓こちらからどうぞ!

「ゴトウクン×不思議の国のアリス」

 

(ゴトウクンのコントの感想はゴトウクンのブログにどうぞ。)

 


【コント・セルフ・ライナーノーツ】

実は「不思議の国のアリス」のお題は

2013年10月にれんちゃろっぷさんからいただいていました。

 

当時、不思議の国のアリスの知識が何もなかったので、見送らせていただいていたのですが、

あれからいろいろノウハウができ、桔梗さんから改めてお題をいただいたので、今回公開という形になりました。

 

 

【上演メモ】

人数:3人以上

アリス

ウサギ

ウサギ2

記者1(影マイクでもいいかと)

記者2(影マイクでもいいかと)

 

所要時間:4分~5分
難易度:★★★★☆
備考:ほぼずっと走り続けている状況、また場面転換が多いので、舞台上で演じるのは困難です。

演るとしたら、音声コントやアニメーションが妥当でしょうね。

 


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(もふもふって名前ですが、僕です。

コントのこともつぶやきますが、コント以外のこともゆるくつぶやいています。)
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