家庭教師
「はい。この問題はまずxを消すところから始めようか。
 下の式を2倍して。」

ジュリエット
「はい。」

家庭教師
「すると、上の式と下の式が両方とも2xになるよね。
 じゃあ、上の式から下の式を引いて。」

ジュリエット
「はい。」

家庭教師
「よし、yだけになったね。じゃあyはいくつ?」

ジュリエット
「5です。」

家庭教師
「そうだ。じゃあ、xは?」

ジュリエット
「3です。」

家庭教師
「よし。だいぶ理解してきたね。」

ジュリエット
「ありがとうございます!」


「(窓の外から)ジュリエット!」

家庭教師
「じゃあ、次の問題いってみようか。」

ジュリエット
「はい。」


「(窓の外から)ジュリエット!」

家庭教師
「この問題もまずはxを消すところから始めるよ。」

ジュリエット
「はい。」


「(窓の外から)ジュリエット!」

家庭教師
「・・・なんか外が騒がしいな。」


「(窓の外から)ジュリエット!」

ジュリエット
「その声は・・・!」

家庭教師
「この声は・・・何?」


「(窓の外から)ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!(バルコニーに走っていく)」

家庭教師
「え、なに?なに?(ジュリエットについていく)」

ロミオ
「(バルコニーの下から)ジュリエット!やはり家にいたんだね!」

ジュリエット
「(バルコニーの上から)ロミオ!ロミオなのね!」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!」

家庭教師
「え、何なに?
 こんな時間に大声で何?」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「キミたち、何絶叫してるの?
 (バルコニーの下を見て)あと、キミは誰?」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「うん。取り込み中のところ悪いけど、一旦、中に入ろうか。
 まだ勉強中だし。(ジュリエットを連れて部屋に入る)」

ジュリエット
「ロミオー!」

ロミオ
「ジュリエットー!」

家庭教師
「そんな永遠の別れでもないから。
 勉強終わったら、いくらでも会えるから。」

ジュリエット
「ロミオ・・・。」

家庭教師
「えーと・・・。とりあえず、次の問題いくよ。
 じゃあ、さっきの問題解いてみようか。」

ジュリエット
「・・・。」

家庭教師
「ほら。まずはどうするの?」

ジュリエット
「・・・。」

家庭教師
「下の式を3倍するんでしょ?
 ほら。4×3は?」

ジュリエット
「・・・ロミオ。」

家庭教師
「どうしちゃったの?
 さっきまで連立方程式解けてたじゃん!
 何でかけ算できなくなっちゃったの?!」

ジュリエット
「・・・ロミオ。」

家庭教師
「ほら、下の式を3倍。」

ロミオ
「(外から)ジュリエット!」

ジュリエット
「その声は・・・!」

家庭教師
「もしもし・・・?」

ロミオ
「(外から)ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!!(バルコニーに走っていく)」

家庭教師
「え、何?またやるの?(ジュリエットについていく)」

ロミオ
「(バルコニーの下から)ジュリエット!」

ジュリエット
「(バルコニーの上から)ロミオ!」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「とりあえず、今勉強中だからさ。
 このやりとり、後にしてくれないかな。」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「今、試験期間中だからさ。
 (バルコニーの下を見て)キミも試験勉強した方がいいんじゃない?」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「うん。
 さっきからずっとそのやりとりだけど、
 他に会話のレパートリーないのかな?」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!」

家庭教師
「・・・気が済んだ?
 じゃあ、勉強の続きするよ。(ジュリエットを連れて部屋に入る)」

ジュリエット
「ロミオー!」

ロミオ
「ジュリエットー!」

家庭教師
「僕、悪人に見えてるのかな。
 そんなことないよね。
 はい、続きするよ。この問題解いて。」

ジュリエット
「・・・。」

家庭教師
「また手が止まってる。
 xを消すために下の式を何倍すればいいの?」

ジュリエット
「・・・。」

家庭教師
「ほら。4×3は?」

ジュリエット
「・・・630。」

家庭教師
「どうした?何が起きた?!
 どこから出てきた、630?!」

ジュリエット
「ロミオ・・・。」

家庭教師
「完全に毒されてるね。
 630、確かにロミオだけど。」

スマホのバイブ音
「ウィーンウィーンウィーン。」

家庭教師
「あ、スマホ鳴ってるよ。」

ジュリエット
「(スマホに出る)・・・もしもし。」

家庭教師
「勉強中だから、端的にね。」

ジュリエット
「(立ち上がり)その声は・・・ロミオ!!」

家庭教師
「またアイツか!!」

ジュリエット
「どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「その会話、今じゃなきゃダメ?!」

ジュリエット
「どうしてあなたは・・・!」

家庭教師
「(スマホを奪い取る)もうダメ!
 そのくだり、終わらないから!」

ジュリエット
「ロミオー!」

家庭教師
「(電話の相手に)お前もかけてくるんじゃない!(電話を切る)」

ジュリエット
「ロミオ・・・。」

家庭教師
「一旦、ロミオのことを忘れて。」

ジュリエット
「忘れる・・・?」

家庭教師
「そう。
 あと1時間集中するために。」

ジュリエット
「忘れる。」

家庭教師
「ちゃんと忘れた?」

ジュリエット
「忘れた。」

家庭教師
「ロミオのこと忘れた?」

ジュリエット
「・・・。」

家庭教師
「・・・。」

ジュリエット
「・・・。」

家庭教師
「・・・。」

ジュリエット
「・・・ロミオ?」

家庭教師
「よし、OK!」

ジュリエット
「OK。」

家庭教師
「じゃあ、この問題解いてみて。」

ジュリエット
「えーと・・・。」

ロミオ
「(部屋の外から)ジュリエットー!」

家庭教師
「(ジュリエットの耳を塞いで)はい、聞こえなーい!聞こえなーい!」

ロミオ
「(部屋の外から)ジュリエットー!」

家庭教師
「(ジュリエットの耳を塞いで)何も聞こえないよ。
 今は連立方程式解くんだよ。」

ロミオ
「(部屋の外から)ジュリエットー!」

ジュリエット
「その声は・・・!」

家庭教師
「ダメだよ!

 聞く耳を持っちゃダメ!」

ロミオ
「(部屋の外から)ジュリエットー!」

ジュリエット
「ロミオー!!(バルコニーに走っていく)」

家庭教師
「あぁ、もう!!
 ロミオのこと、忘れたんじゃないの?!(ジュリエットについていく)」

ロミオ
「(バルコニーの下から)ジュリエットー!」

ジュリエット
「(バルコニーの上から)ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「(ロミオに向かって)もう声かけないでくれる?
 よくわからないけど、君が来ると、この子の学力落ちるんだ。」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「あとキミたち、会話のレパートリー増やした方がいいよ。」

ロミオ
「ジュリエット!」

家庭教師
「(ロミオに向かって)なんなら、君も一緒に勉強するかい?
 勉強が必要だと判断したけど。」

ジュリエット
「ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?!」

家庭教師
「君たちには僕が見えてないのかな。」

ロミオ
「家庭教師の先生!」

家庭教師
「ん?」

ジュリエット
「どうしてあなたは家庭教師の先生なの?!」

家庭教師
「キミの親に雇われたからだよ!」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「先生!あれはロミオなの?!」

家庭教師
「ロミオなんじゃないの!」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!」

ロミオ
「ジュリエット!」

ジュリエット
「ロミオ!」

家庭教師
「もう好きなだけやりなさい。
 先生、もうあきらめた。(部屋に戻る)」

ロミオ
「ジュリエットー!」

ジュリエット
「ロミオー!」

家庭教師
「じゃあ先生、帰るから。(帰る)」

ロミオ
「ジュリエットー!」

ジュリエット
「ロミオー!どうしてあなたはロミオなの?」

ロミオ
「ジュリエットー!」

ジュリエット
「ロミオー!イギリスの国技を1つ教えて!」

ロミオ
「クリケットー!」

ジュリエット
「ロミオー!首の後ろの部分って何ていうの?!」

ロミオ
「首根っこー!」

ジュリエット
「ロミオー!今、どんな家に住んでいるの?!」

ロミオ
「メゾネットー!」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

ロミオとジュリエットと○○という設定を思いつき、何がいいかなぁと考えた結果、家庭教師に落ち着きました。

周りが見えていないロミオとジュリエット。冷静にツッコむ家庭教師。

対比が面白いかと。

 

【上演メモ】

人数:3人

ロミオ

ジュリエット

家庭教師

 

所要時間:5分~6分
所要時間:★★★☆☆
備考:ロミオとジュリエットはセリフのレパートリーが少ないので楽ですが、

都度ツッコミを変えていく家庭教師役はちょっと大変です。

似た展開が続くので、セリフを間違えないように。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】王様の耳はロバの耳
【コント】お主もワルよのぉ#2
【コント】不動産屋
【コント】神様との別れ
【コント】三者面談

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

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