課長
「おはよう。」
部下
「おはようございます。」
課長
「（自席に置いてあるハガキを見て）このハガキは何？」
部下
「なんか課長宛に届いてました。」
課長
「ふーん。なんだろ。
『こんにちは。いつも楽しく聞かせていただいています。
いよいよ梅雨入りしてジメジメする季節になりましたね。
早く梅雨明けしてもらって、海で目一杯泳ぎたいです。
ところで、夏と冬どっちが好きですか？理由も合わせてお聞かせください。』
・・・なにこれ。」
部下
「なんでしょう。」
課長
「これはアレ？
いわゆる『ふつおた』ってヤツ？」
部下
「そうですね、ふつおたですね。」
課長
「え、何でふつおた来てるの？私宛に。」
部下
「募集かけたからじゃないですか？」
課長
「いや、ふつおた募集しないよ。
なんで、一介の課長がおもむろに、ふつおた募集するんだよ。」
部下
「確かにそうですね。」
課長
「これ、どう対処すればいい？」
部下
「とりあえず、記念品送りますか？
ストラップとか。」
課長
「ないよ、ノベルティグッズ。」
部下
「ないんですか？
課長特製手ぬぐいとか。」
課長
「ないよ。」
部下
「耳かき。」
課長
「ない。」
部下
「Ｔシャツ。」
課長
「なんでラインナップが空耳アワーなんだよ。
とりあえず、これから外出するから。
今日は一日中外出で、こっちには戻りません。」
部下
「ふつおたどうします？」
課長
「移動中に考える。」
部下
「了解しました。」
（翌日）
課長
「おはよう。」
部下
「おはようございます。
昨日のふつおた、どうしました？」
課長
「とりあえず、ストラップ送った。」
部下
「送ったんですね。」
課長
「さてと・・・。仕事するか・・・。」
部下
「あ、課長。」
課長
「ん？」
部下
「課長宛にこれだけふつおたが。（１０枚くらいのハガキを渡す）」
課長
「増えてんじゃん。
ふつおた増えてんじゃん。
なんでふつおた来るの？募集かけてないのに。」
部下
「ストラップほしいんじゃないですか？」
課長
「ストラップ代、経費で落ちないかな。」
部下
「どんなふつおたが来てますか？」
課長
「『こんにちは。いつも楽しく聞いています。』」
部下
「この入り方で『あぁ、ふつおただな』ってわかりますね。」
課長
「『先日、私の娘の運動会がありました。
一生懸命走る我が子に、大きくなったんだな、と涙腺が熱くなりました。
最近、泣いたエピソードってありますか？』。」
部下
「あー。ふつおただ。」
課長
「んー。最近、映画を見たんですけど・・・。」
部下
「答えなくていいです。
最近、泣いたエピソードについて、答えなくていいです。」
課長
「質問があったから・・・。」
部下
「課長は答えなくていいです。」
課長
「あ、そう。
続いて、ハンドルネーム・チョコクッキーさんからいただきました。」
部下
「完全に流れがラジオになってきましたね。」
課長
「『こんにちは。』こんにちは。
『いつも楽しく聞いています。』ありがとうございます。」
部下
「何ですか。そのまんざらでもない感じ。」
課長
「『先日、実家に帰省したのですが、
前に帰ったときは小さかったペットの仔犬が、かなり大きくなっていて、涙腺が熱くなりました。
最近、泣いたエピソードってありますか？』」
部下
「まさかの質問かぶり！」
課長
「最近、映画を見たんですけど・・・。」
部下
「だから、答えなくていいです！」
課長
「続いてのおハガキです。
ハンドルネーム・はと麦・玄米・月見草さんからいただきました。」
部下
「爽健美茶！」
課長
「『こんにちは。いつも、勉強しながら聞いています。』
コラ。ながら勉強はダメだぞ。」
部下
「さりげなく、リスナーにツッコむようになった！」
課長
「『私には４才の頃から一緒に遊んでいる幼馴染がいるのですが、
来月引っ越すことになったそうです。
とても寂しいですが、ＳＮＳで繋がってるし、また会いに行けると前向きに考えています。
では、リクエストです。
いきものがかりで『じょいふる』』」
部下
「リクエスト来ちゃった！」
課長
「（ハガキを見ながら）・・・。」
部下
「・・・？」
課長
「・・・。」
部下
「・・・？」
課長
「・・・。（スマホをいじり始める）」
部下
「・・・？」
（スマホからいきものがかりが流れ始める）
部下
「かけなくていいです！
律儀にリクエストに応えなくていいです！」
課長
「（曲を止める）いや、リクエストされちゃったからね。」
部下
「あと、職場で『じょいふる』はやめてください。」
課長
「『♪遊びたい』って言ってる場合じゃないか。」
部下
「何でしょうね、このふつおたは。」
課長
「アレかな。
どこかのラジオ局がふつおたを募集し始めたんだけど、
間違えて宛先を私のところにしちゃったとか。」
部下
「そんなことあります？」
課長
「ちょっと、最近ふつおたを募集し始めた番組調べてみて。
改編期じゃないから、このタイミングでふつおたを募集し始めた番組ってそうそうないと思う。」
部下
「了解です。
あ、今の仕事は？」
課長
「こっち優先で。
これ以上ふつおたが増えても対処できないから。」
部下
「わかりました。」
（２時間後）
部下
「課長、さっきの件、わかりました。」
課長
「（両手にふつおたを持ちながら）わかった？」
部下
「葛飾のコミュニティラジオ局なんですが、
３日前からふつおたを募集してますね。」
課長
「なるほど。ホームページは・・・と。」
部下
「さっきＵＲＬを転送しました。」
課長
「ありがとう。
（パソコンを見ながら）あ、確かにあるね、『ふつおた募集中』。」
部下
「左下に宛先が。」
課長
「あ、宛先、私宛になってる！」
部下
「あぁ、ここですね。」
課長
「こういうタイプのミスあるんだ・・・。」
部下
「連絡しましょう。」
課長
「連絡先は・・・。」
部下
「contactのページが。」
課長
「あ、電話番号ある。
かけてみよう（スマホを取り出す）。」
部下
「割と早めに見つかってよかった・・・。」
課長
「あ、もしもし。
今、そちらの番組のホームページを見ているのですが、
そちらの番組にふつおたって届いてますでしょうか？
・・・一通も届いてない。」
部下
「やっぱり。」
課長
「あのですね、実はふつおたの宛先が私宛になっているんです。
はい。はい、お願いします。
電話は切らずにこのまま待ちます。」
部下
「何ですって？」
課長
「すぐ調べるって。」
部下
「割とすんなり話が伝わりましたね。」
課長
「そうだな。
あ、もしもし。いかがでした？
ミス？」
部下
「どういう類のミスなんだろ。」
課長
「ホームページはすぐに訂正して、番組内でも訂正する。
わかりました。よろしくお願いします。（電話を切る）」
部下
「よかったですね。」
課長
「番組、インターネットでも聴けるみたいだから、
ちょっと聴いてみよう。（再生ボタンをクリック）」
パーソナリティ
「さて、ここで１つ訂正です。
番組ホームページ内でふつおたを募集していましたが、宛先が間違っておりました。
関係者にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。」
部下
「訂正されましたね。」
課長
「よかった。」
パーソナリティ
「さて、本日のＦＡＸテーマは『私のストレス解消法』ですが・・・。」
課長
「（停止ボタンを押す）昨日今日とふつおたの整理に追われていたんで、これでホッとした・・・。」
バイブ音
「ウィーンウィーンウィーン。」
課長
「（スマホを見る）家から電話だ。」
部下
「どうしたんでしょう。」
課長
「もしもし。
うん。どうした？
は？家宛にいろんなストレス解消法のＦＡＸが届き始めた？」
部下
「もしかして、さっきの番組？」
課長
「また間違えたか？（再生ボタンをクリック）」
パーソナリティ
「さて、本日のＦＡＸテーマは『私のストレス解消法』ですが、まだ一通も届いていません。」
課長・部下
「やっぱり！」
パーソナリティ
「ちなみに、先程スタッフのストレス解消法を聞いたところ、
『わざと連絡先を間違えて、うろたえる人を見ること』だそうです。」
課長・部下
「確信犯！！」
妙に「ふつおた」って言葉が面白く感じてきて作ったコント。
自分に届く「ふつおた」を真面目に考えるっていうのが、不思議な空気感のコントになりました。
人数：３人
課長
部下
パーソナリティ
所要時間：４分～５分
所要時間：★☆☆☆☆
備考：セリフだけの構成であり、変わった演出はいらないので、演じやすいと思います。
【コント】バクたちの昼下がり
【コント】魔球
【コント】円周率
【コント】男子１００ｍ走
【コント】夏の健康診断
お題コントのお題を募集しています。
採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。
・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。
・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。
・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。
↓twitterです。
（もふもふって名前ですが、僕です。
コントのこともつぶやきますが、コント以外のこともゆるくつぶやいています。）
Twitter
↓こちらでも面白いブログがきっと見つかる！はず。
にほんブログ村
お笑い＆ジョーク ブログランキングへ