今日は、少し勇気が出る話をしたいと思います。

 

これまでにも、「何か新しいことを始めたい」「副業で収入を増やしたい」と思ったことがある人は多いと思います。

実際に、本やセミナーで学んだり、SNSやYouTubeで情報を集めたりしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、なぜか思うように進まなかったり、最初は頑張ったのに途中で止まってしまったりすることがあります。

 

 

その理由は、あなたに才能がないからでも、やる気がないからでもありません。

 

実は、多くの人がうまくいかないのは、「頑張り方」を間違えているから。

たとえば、ネット上では「ブログで月収100万円!」とか、「SNSでバズれば一気に売れる!」など、目を引く情報がたくさんあります。

でも、よく見てみると、そうした成功例の多くは、若い人や、もともとパソコンやマーケティングに詳しい人がやっている方法ばかりです。

そうしたやり方を、そのまま50代の私たちがマネしようとしても、体力や時間、価値観が違うので、どうしても無理をすることになります。

結果、頑張っても疲れるばかりで、成果が出なければ、自信もなくなっていく訳です。

 

さらに、現代は情報が溢れているので、「きっと、この方法が私に合わなかったんだ」「この方法はもう古いのかもしれない」などと自分に都合よく解釈し、あれこれ試すものの、どれも中途半端になってしまい、気づいたら何も残っていない…。

そんなことも珍しくありません。

 

でも、そこで一つ考えてみてほしいのです。

 

私たちは、若い人と同じスピードで走る必要はありません。

むしろ、人生経験がある私たちだからこそ、「ムリをしないやり方」で、自分に合った働き方を見つけることができます。

頑張らなくても、自分らしく、長く続けられる方法があるのです。

 

そのために大切なことは、「どこで、誰と、どう戦うか」を見直すこと。

たとえば、競争が激しいところに飛び込んでいけば、どれだけ努力しても報われにくくなります。

でも、ほんの少し視点を変えたり、狙う相手をずらしたりするだけで、自分の経験が価値になる場所が見つかります。

 

そう、それが、次回お話しする「ずらし戦略」です。

 

無理をせず、自分の強みを活かせる場所で、自分にしかできない方法で働いていく。

そうすれば、頑張ってもうまくいかないという悪循環から抜け出せるだけでなく、毎日が少しずつ楽しくなっていくことでしょう。

少し、視点を変えるだけで、まだまだそういう市場はありますよ。

 

マーケティングにおいて、「目的からの逆算」は基本的な考え方としてよく紹介されています。

たとえば、「この商品を売るために、どんな人に、どんなメッセージを、どの媒体で届けるべきか」といった具合に、ゴールから逆にステップをたどっていく方法です。

マーケティングの世界では広く使われており、論理的で計画的な進め方として定着しています。

しかし、実際にこの方法だけでうまくいくケースは、決して多くありません。

 

 

その理由は、いくつかあります。

まず一つは、理想的なターゲット像や成功イメージを設定しても、現実の市場には競合がひしめいており、簡単に差別化できるとは限らないという点です。

そして、SNSやメディア運営は日々の継続が前提となりますが、自分の性格や得意・不得意を無視して「売れる形」だけを追いかけても、継続できずに途中でやめてしまう可能性が高くなります。

つまり、机の上ではうまくいきそうでも、実際にやってみると、続かない、響かない、届かないという壁にぶつかるのです。

 

そこで、出版業界の編集者的なマーケティングの考え方をお伝えしようと思います。

編集者は、最初に「目的」だけを見るのではなく、「入口」と「出口」の両方見据えて、その間にどんな“仕掛け”を作れば、人が自然に「入口」から「出口」に動いてくれるかを設計します。

ここで言う「入口」とは、ターゲットとなる人たちが今、どんなことに悩んでいて、何を求めていて、どんな情報に触れたら反応するか、という視点です。

そして「出口」とは、最終的にどんな行動を起こしてほしいのかというゴールです。

 

たとえば雑誌をつくるとき、編集者はまず広告主(スポンサー)を想定し、その企業が売りたい商品やサービスを知るところから始めます。

しかし、それをそのまま読者に押しつけても読まれません。

だから、次に考えるのは、読者となる人たちがどんなコンセプトの雑誌に興味を持ち、どんなテーマで、どんな内容なら思わず読みたくなるかという視点です。

そして、その読者の関心とスポンサーの商品が、自然につながるような特集を企画するのです。

読者はあくまで「自分が選んで読んだ情報」として記事を楽しみ、その流れの中で自然にスポンサーの商品やサービスに興味を持つ。

実は、これが編集者の仕事だったりするのです。

 

しかし、これは雑誌に限った話ではありません。

SNSであっても、ただ商品を紹介するだけでは、ユーザーは簡単に離れていきます。

かといって、悩みの解消や欲求を満たすような情報提供ばかして、価値提供に勤しんでいる人も多いですが、その情報の“裏”に商品の宣伝が見え隠れしてしまうと、読者は冷めてしまうことがあります。

なので、もっと自然に興味を持つきっかけとなる情報、つまり“入口”を丁寧に設計し、共感や発見を重ねる中で信頼を築くことができれば、ユーザーは自ら次の行動に進んでくれます。

その段階を経ることで、商品・サービスに自然と申し込むようになるという感じです。

そして、スムーズに次の行動に進んでもらうために、売り込みではなく、“メディア”という役割が生きてきます。

 

マーケティングは本来、人を動かす設計のことです。

編集者思考は、そのために非常に有効な視点となるのではないでしょうか。

論理的に目的から逆算するだけでなく、相手の立場や気持ちから考え、現実と接地した戦略を作っていくこと。

SNSやコンテンツを単なる手段として扱うのではなく、感情や行動を自然につなぐ“場”として運営していくこと。

“売る”ことではなく、“動かす”こと。

それがこれからの時代のマーケティングではないでしょうか。

 

この度、拙著『日本型FIRE成功の秘訣がわかる本』はお読みいただけましたでしょうか?

 

 

 

 

実は、この本の中で紹介した『頑張らない起業』の部分だけを切り出して、さらにノウハウを書き足し、新刊として刊行することになりました。

 

今、このメールを読んでくださっている人のほとんどがFIREを目指していると思います。

ということは、もしかすると、今後の働き方や人生の過ごし方について、どこかに不安や迷いを感じておられるのかもしれません。

もしそうだとしたら、それはごく自然なことですし、あなただけが感じていることでもありません。

実は、多くの人が、似たような感情を抱いています。

 

たとえば、定年までの時間が見えてきたけれど、退職後にどう生きていけばいいのかがわからない。

収入はどうなるのか、仕事がなくなったら社会とのつながりがなくなるのではないか。

やりたいことはあるけれど、今さら始めても遅いのではないか。

何かを変えたい気持ちはあるけれど、何から始めたらいいのかわからない。

 

こうした「はっきりとは言えないけれど、ずっと心のどこかにある漠然とした不安」は、これまで頑張ってこられた人ほど、強く感じるものです。

仕事や家庭を大切にして、周囲に迷惑をかけないようにして、ずっと真面目に生きてこられたからこそ、「何かを変える」ことに慎重になってしまいます。

 

ですが、少し視点を変えてみてください。

 

これまでの人生で積み上げてきた経験、知識、人間関係、時間やお金の使い方。

それらはすべて、あなただけの財産です。

そして、その財産を少し形に変えることで、今後の人生をより自由に、より自分らしく過ごすことができるとしたら、どうでしょうか。

 

大きな会社に入ることや、有名になることだけが成功ではありません。

自分にとって無理のないやり方で、やりがいのあることに取り組み、自分の名前で小さな収入を得る。

誰かの役に立ち、感謝される。

それができれば、人生の手応えは大きく変わります。

 

とはいえ、そう言われても「自分には何の取り柄もない」「特別なスキルもない」と感じる人も多いことでしょう。

でも、実はそうではありません。

あなたがこれまでの人生で経験してきたこと、悩んできたこと、失敗したこと、そこから得た気づき。

それらは、これからの時代にこそ必要とされる「一次情報」です。

これは、インターネットやAIには真似できない、人にしか語れない、あなただけの価値なのです。

 

 

これからの時代は、「知識の量」ではなく、「視点の質」が問われる時代になります。

何を知っているかよりも、何をどう見て、どう感じたか。

それを言語化できる人に、自然と人は集まります。

 

人が集まれば、そこで何かが生まれます。

なので、今すぐに何かを始める必要はありません。

まずは「そういう道もあるのか」と、知っておいてください。

詳しくは、次の機会にでも書こうと思います