参議院選挙が近づき、ニュースでは物価上昇、消費税減税、給付金、社会保障改革など、生活や将来に関わる話題が多く取り上げられています。

こうした話題は、日々の暮らしに加え、「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」を目指す人たちにとっても重要な意味を持ちます。

FIREは、できるだけ早く働かなくても生活できる経済的基盤を築くことを目指す生き方であり、収入や支出、投資の環境、税制などがその成功に大きく関わります。

そして、これらの制度や環境を決めるのが政治です。

つまり、FIREを目指すなら、どの選挙にも無関心ではいられません。

 

 

たとえば、政府が投資にかかる税金を引き上げれば、FIREのために積み上げてきた資産の成長が鈍り、目標達成が遠のきます。

逆に、NISAやiDeCoといった制度を拡充し、投資しやすい環境を整えようとする政策は、FIRE達成を後押ししてくれます。

また、年金制度が安定しているか、医療制度が維持されるかも、リタイア後の生活に直結します。

これらはすべて、どの党が議席を得て、どのような方針で政策を進めるかにかかっているわけです。

 

そのため、候補者や政党の「税制」「投資政策」「物価・生活費対策」「社会保障制度への姿勢」に注目してみてください。

具体的には、金融所得課税の引き上げを検討している政党なのか、NISA制度の恒久化に前向きな立場か、消費税率にどう向き合っているかなどを比較して、自分の考えと合うかを見ていくとよいでしょう。

 

個人的には、街頭演説に足を運ぶのもおすすめです。

候補者の話し方、言葉の選び方、現実的な提案をしているかどうかなどを直接見ることができます。

また、他の有権者の質問や反応を観察することで、自分では気づかなかった視点を得ることもあるでしょう。

こうした現場の空気を感じることで、政策や候補者の本気度がより鮮明に伝わってきますよ。

 

FIREを目指す人は、自分の人生に責任を持ち、未来を計画的に築いていこうとする強い意志を持っているはずです。

その生き方と最もよく似た行動が、選挙に参加することに近いなぁと思います。

政治に無関心でいると、制度や環境が思わぬ方向に変化してしまい、せっかくの努力が無駄になる可能性もありますからね。

 

一票を投じることは、自分の未来に対する意思表示であり、社会と制度を自分にとって有利な形にしていくための最も基本的な手段です。

ですから、FIREを本気で目指すのであれば、選挙に行くことは「未来の自分への投資」であると考えてください。

社会を動かすのは特別な人ではなく、日々を丁寧に生き、選択の力を大切にする一人ひとりです。

どうか、未来の自分のために、賢く選び、必ず投票所に足を運んでください。
 

私たちはつい、何かを始めようとすると「正解」を探してしまいます。

例えば、「今はYouTubeがいいらしい」と聞けばYouTubeを始め、「ブログで稼げる」と聞けばブログに飛びつきます。

ところが、すでに多くの人が殺到している分野では、後から入った人が活躍するのはとても難しいのです。

これが、いわゆる「レッドオーシャン」と呼ばれる状態です。

競争が激しく、差別化も難しいため、頑張っても報われにくくなります。

 

一方、「ブルーオーシャン」とは、まだ競争が少ない分野や切り口のことを指します。

誰も気づいていないけれど、実はニーズがある場所。

そこでは、自分のやり方を貫きながら、まわりに振り回されずに活動できます。

 

 

ブログを例に考えてみましょう。

多くの人は「モノを売る」ために記事を書きます。

「おすすめのサプリはこちら」「この化粧品が人気です」といったものです。

でも、それはすでに多くの人がやっていますし、読者も売り込みだと感じてしまい、なかなか読まれません。

そこで、視点を少しずらします。

「モノを売る」のではなく、「知りたいことを伝える」内容に変えるのです。

例えば、「50代の疲れやすさは何が原因なのか」「更年期に感じる不安をどう受け止めたらいいか」といったテーマなら、読んでみたいと思う人も多いはずです。

そして、共感してもらえたら、その後に商品を紹介しても自然に受け入れてもらえるようになります。

 

Kindleやオンライン講座でも同じです。

「買ってほしい」と思って出す本ではなく、「ちょっと見てみたい」と思われるような内容にすることで、読者の心理的ハードルを下げられます。

例えば、「50代で初めてパートを辞めてみたら、意外と幸せだった話」など、ちょっと気になるタイトルであれば、読む前から心が動きます。

オンライン講座でも、「こうなりましょう」という目標達成型ではなく、「こんな生き方っていいな」と思ってもらえるような、やわらかい雰囲気を重視すると、同じように価値観を持った人が集まってきます。

 

このように、情報や競争の多い世界では、“普通に頑張る”だけでは埋もれてしまうので、ほんの少しアプローチの方向をずらすことで、今までとはまったく違う成果を出すことが可能です。

 

とくに、50代という世代は、自分の価値観と世界観を持っています。

人生の喜びや挫折、人との関係性、健康のこと、子育てや親の介護など、若い世代にはわからない経験があります。

その経験を活かせる「ずらし」の場所を見つけることで、あなただけのブルーオーシャンが生まれます。

 

これまでのように、頑張って他人と同じ土俵で競い合うのではなく、自分の得意な分野で、無理のない方法で、必要としてくれる人にだけ届ける。

そんなやり方なら、心にも体にもやさしい働き方ができます。

この「ずらし」や「ブルーオーシャン」の考え方が、これからの時代の生き方や働き方にとって、とても重要です。

あなたも、この考え方で、何ができそうか考えてみてはいかがでしょうか?

 

私は出版の仕事をしておりますが、本を出版すると、著者が大きく変わることがあります。

出版前は腰が低く、誠実で協力的だった著者が、出版された瞬間から急に態度が変わる……そんな光景を、編集者として何度も目にしてきました。

 

もちろん、人が成長して自信を持つこと自体は悪いことではありません。

しかし、それが周囲への配慮を欠いた振る舞いに変わってしまうと、その人への信頼や応援は次第に失われていきます。

一冊目は注目されても、二冊目になると誰も応援しなくなる……そういった変化も珍しくありません。

とてももったいないことです。

 

 

このような変化が起こる背景には、自分自身の「在り方」が定まっていないことがあるように思われます。

つまり、自分がどんな人間でありたいのか、自分の軸は何なのかということに日頃から向き合っていないと、環境や評価が変わったときに、自分の態度や振る舞いも大きくブレてしまうのです。

 

この構造は、出版に限ったことではありません。

例えば、お金を手にしたときにも、まったく同じことが起こり得ます。

FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指して資産を築いていく過程でも、ある程度の資産が貯まった段階で、急に人が変わったようになってしまう人がいます。

謙虚だった人が人を見下すようになったり、浪費に走ったり、人間関係を断ち切って孤立してしまうケースもあります。

 

お金を手にすることも、本を出版することも、それ自体は素晴らしい成果であり、大きな努力の賜物です。

ただし、それを「手段」として活かすのではなく、「自分の価値を証明するもの」として過剰に重ねてしまうと、かえって自分自身の在り方が乱れ、周囲との関係や信頼を失ってしまうことにもなりかねません。

 

人は環境によって変わります。

それ自体は悪いことではありません。

しかし、変わったあとに、自分がどう在るかが問われます。

評価やお金に振り回されるのではなく、そこにふさわしい内面を育てておくことこそが、人生を長期的に安定させるための土台になるのです。

 

では、そのためにはどうすればよいのでしょうか。

忙しい毎日の中で、常に自分の在り方を意識し続けるのは簡単なことではありません。

そうした中で、私がお勧めしたいのが「瞑想(マインドフルネス)」です。

 

瞑想とは、何か特別な思想に基づいたものではなく、自分の呼吸や体の感覚に意識を向けることで、思考や感情から一時的に距離を取る時間です。

例えば、1日5分でもいいので静かな場所に座り、目を閉じて呼吸に意識を向けるだけで構いません。

もし考えごとが頭に浮かんできたら、「あ、今考えていたな」と気づくだけでよく、それを否定したり排除しようとする必要もありません。

このような習慣を日々続けることで、自然と自分の内面に意識が向くようになります。

イライラしている自分や、優越感に浸ろうとしている自分に気づくことができるようになります。

結果として、言動のブレが少なくなり、人としての在り方が安定してくるのです。

 

FIREを目指す過程で、資産を築くことや効率的な投資手法にばかり目が向きがちですが、同時に「どんな自分で在りたいか」「自分が目指す豊かさとは何か」を問い続けることも、とても重要です。

その問いを忘れずに進んでいくために、マインドフルネスを実践することは、静かだけれど確かな支えになってくれます。

何を手にするかよりも、どう在るか……その意識が、出版でも、お金でも、人生全体を支える「本当の豊かさ」につながっていくのだと思います。