ろくじょうのおとしあな

      

         詩集「とじない」はこちらです
         http://bccks.jp/#B35517,P0







              よるにうまれる


                  さわがしいきょこう


                             ろくじょうのおとしあな


                        


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大森靖子さんという方の音楽が。

毎日真面目に生きております
着実で確実 安定と定着
それをときどき、飛び越えてしまうような言葉があって
「音楽は魔法ではない」
罵るようにやってくるその言葉がまたしても死のふちを見せつける
おしまいの果ての音楽
覚えていたいろんなこと
恋人のスリッパや
食べ終えたばかりの(安全、の)トマトソースのついた白いお皿
フォーク
そのうつくしい凶器や
断片的に まくしたてるように
呼吸をさせないくらいの無音の音が頭の中を圧している
洗濯機
終了を合図するモスキート音
空になったグラスの水滴
感覚の残滓
みずいろ
反転した擦りガラスの景色
安定的な技術 
塊の肉
残されているもの
昨日の体温 咳払い 空気の乾燥
覚えているいろんなこと
恋人の
「ぼくたちはなんだかすべてわすれてしまうね」
いつだかの岡崎京子
ただのひとことのそんなことばに
誰かの生命は終わる
おしまいの合図、モスキート アンブレラ 26歳

きれはし・2

実際的な距離と時間が掛け合わさって、夏ということは変わらないのに私はこんなに遠くの部屋にいる



そんなこと忘れて笑い合える日がくるといいね、なんて言わないけれど
でも、すこしだけやわらかくなった
幽霊なんかじゃないし、呪いでもない
生きている、うたごえなのだろうな
そう遠くないうちに、暗闇の中でわたしはただの聴衆になって、今度こそほんとうに純粋に音に酔えるといいなって
心底、思います。

「美しい」







ああ息苦しい 息苦しい
彼らの情熱の
いつ死んでもおかしくないようなあのひょろひょろの
巻き込まれて
うしない
ふと、また触れて
おもいだす


ストイックってどういうことよ?
少なくとも健全な精神の人間ではないな




轟音の中で赤い光の中で目の眩むような暗闇の中で
消滅したい







今や遠い、その
浮遊する情熱に
うまい距離を見つけることができず
いつ死んでしまうかは誰もが定かではないけれど
少なくとも消滅することはないであろうひとをおもいながら
わたしは絶対安全地域にいる
夜の中でも、ただただ気持ちが良いもの
なつかしい、
ただそれだけだな。



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