JR東日本のサービスレベルの悪化は凄まじい。ネット販売は使いにくさが目立ち、まだまだ利用者に浸透していないのに、経費削減に前のめりになりみどりの窓口を激減させ、列車に乗りたいのに切符が買えないという、企業として終わっている事態になっている。さすがに社長が謝罪し、窓口削減計画の凍結を宣言したが、単純に利益を増やす為に動いた自身の因果応報でしかない。想像力が無さ過ぎる。カスハラには対応しないと宣言したのは良いが、自らカスハラの原因を作っている事に全く気付いていない。

 

 JR京葉線の快速列車の大幅削減も同じで、利便性より手っ取り早い経費削減に溺れているだけだ。複線で40km以上ある路線で10両編成が走る鉄道路線でラッシュ時に全て各駅停車にするなんて、私鉄やJR西日本や東海では考えられない。鉄道屋としてのダイヤ作成能力が著しく欠けているのだ。だいたい、本数が同じでも快速列車を設定した方が時間も短縮され、乗務員や車両数を減らす事ができる。待避線設置駅で乗り換え出来るダイヤにすれば、各駅停車のみ停車の駅でも利便性は向上する。

 

 京葉線の記事がアップされるとヤフコメのアホコメントが炸裂する。

 

JRも民間企業なんだから利益も大事だ。

各駅停車だけの方がどの駅も利用しやすくなる。

鉄道があるだけマシ。嫌なら自分でやれ。

各駅停車だけの方が運行管理がやりやすい。

 

とまあ、普段鉄道を利用していないか、各駅停車しか走っていない路線を利用しているのか、とにかく鉄道ダイヤを理解していないアホが多い。企業は利用者のニーズを汲み取って商品やサービスを作り上げて利益を得るのであり、ニーズを理解せずに経費削減に走るJR東日本は企業として終わっている。サービス、鉄道ダイヤについてプロとは言えないレベルである。

 

JR東日本のダイヤの酷さは新幹線を見ても分かる。東京~大宮間は東北・北陸・上越新幹線が乗り入れ、更には山形・秋田新幹線もあり、ダイヤ作成が困難なのは理解できる。しかし、パターンダイヤになっておらず、運転間隔もバラバラで、逆にダイヤ作成を難しくしている様に感じる。イレギュラーは止むを得ないが、基本となるパターンをきっちり作った方が利用者も乗務員も覚えやすく、効率的なのだ。その点、東海道新幹線は分かりやすい。要は国鉄時代から思考回路が変わっていないのだろう。

 

 最近は国や大企業を擁護するアホなヤフコメが多い。寄らば大樹の陰という事か、自身も勝馬に乗りたいのか。何事にも疑問を持つ事から世の中は発展するのだ。それを止めた人間はせめて黙ってもらいたい。世の中の為にならない。

 大阪万博のヤバさは色々な面で表面化しているが、予定通り開催した場合の問題として考えられるのが、観客輸送だ。1970年に千里で行われた大阪万博は来場者6422万人を数えたが、地下鉄御堂筋線~北大阪急行線が新大阪・梅田・難波・天王寺を結び、阪急千里線も梅田や三宮・宝塚からの直通電車を設定、国鉄茨木駅等からもバスが数多く設定された。道路交通も名神高速や阪神高速も開通、万博周辺の一般道も整備される等万全の体制だったが、ピーク時の混雑は凄まじいものだった。

 

 1990年に鶴見緑地で開催された花の万博では、京橋駅から新設された地下鉄鶴見緑地線がメインルートとなり、各ターミナルからの直通バスも多く設定された。2300万人の来場者を数え、1日最大30万人、少ない日で10万人程度だったが、上手く分散されていた様に見えた。

 

 万博ではないが1981年開催の神戸博(ポートピア81)は神戸港の埋め立て地であるポートアイランドで開催され、ターミナルとなる三宮駅とは新交通システムポートライナーで結ばれ、三宮や新神戸と結ぶ直通バスも数多く設定された。ポートライナーは定員を上回ると発車できないトラブルが多発したものの、トータルではスムーズな輸送が出来た。来場者数は1600万人という地方博としては破格のレベルとなった。

 

 2025年の万博ではメインルートは、地下鉄中央線となるが、梅田・難波・天王寺といったターミナルと直結できないのと、6両編成という輸送力の小ささがネックと言える。運転間隔は最小でも2分30秒が限界とすると、一時間当たり最大24本運転となる。バスは新大阪や大阪駅、JR桜島駅からの直通バスを設定するが、JR桜島駅を擁するJR夢咲線は日に10万人が来場するUSJの輸送も兼ねており、大阪環状線に乗り入れる本数がどれだけ増やせるかポイントとなる。海上輸送ルートも設定されるが、無視できるレベル。神戸方面や近鉄奈良方面からだと、阪神なんば線九条駅乗り換えで地下鉄中央線のルートもあるが、結局中央線頼みなのと、神戸三宮からの直通列車である快速急行が休日20分間隔しかないので、こちらの増強も必要。

 

 以上の比較から考えて、今度の万博入場者数が神戸博レベルであれば、鉄道ルート1本でもなんとかなるかとは思う。しかしながら今回の目標は2800万人や花博より多い。最後は地下鉄中央線に乗り換える事になるので、かなり厳しい。バスに期待したいが、道路は二本しかなく、通常はトレーラーが頻繁に走るルートであり、直通バスが加わると渋滞が起こる。物流と観客輸送が一緒になるのも問題。やはり、中央線が6両なのが非常に痛いし、ターミナルに直通しないのも痛い。仮に1日30万人が来場しようとしたら、ちょっとした事故が心配になる。個人的には今回の万博は維新の会の政治的な思惑、その後に繋がるIR事業のヤバさ、開催場所、内容のショボさ(何をしたいのかが明白でなく、とにかく万博を開催すれば何とかなるという発想)から、大反対している。しかし、このまま開催すると思うので、アクセス面からの問題点を挙げてみた。他にも、休憩場所が少ない、トイレが足りない、水道や電気の整備状況、熱中症対策、メタンガス、等問題点だらけであり、よくもまあここまで酷い状況になったものだと思う。怖いもの見たさで行ってみるのも良いかも。

 昨年4月、諸事情によりブログ内容の削除と休止を行いました。急な処置につき、申し訳ございませんでした。

 

自分自身には言いたい事、書きたい事が山ほどあるのですが、どの様な形でやっているのがベストなのか測りかねていました。そして一年が経過し、そろそろ動こうと思いましたが、色々な方面で書きたい事があるので、複数のブログを持つ事によって、読みやすく分かりやすくしました。これまでの様な様々な話題については

 

こちらに書いていきますので、引き続き宜しくお願いします。

 

 こちらのブログについては、自分の生来の趣味である鉄道について論じていきます。鉄道ネタと言っても、近所の鉄道の話から政治に関係する話まであります。最近の強い者に阿る世論に違和感を感じます。JRは私鉄とは違い、国民の財産である国鉄を引き継いでおり、更には整備新幹線において地元自治体の負担や並行在来線の経営分離という責任逃れが当たり前に行われており、これを前提にしたSNSやYouTube上の論にも違和感を覚えています。出来ない理由を述べるだけの論客は不要であり、そういう観点からも書いてみたいと思っています。

 前静岡県知事が暴言を吐いて辞任、するとリニア推進派がこぞって歓喜している。おそらく前知事のせいでリニアが予定通り開通出来なくなったと本気で信じているのだろう。そして面白い事に、そういう人の多くが自民党や維新の支持者でもあるのが面白いところだ。

 

 推進派の中には、現行の東海道新幹線が開業する前も批判論が主だったが、開通してみたら新たな需要が生まれたと、だからリニアも新たな需要を生むのだから必要だと。更には地震で東海道新幹線が不通になった時、代替交通機関としてリニアが必要という意見もある。批判派はなんでも批判すると言いたがる人種がいるが、批判派を説得できずして前に進めるべきではない。

 

 おそらくリニアは大失敗に終わると思う。まず、今の計画では品川~名古屋間を45分程度で結ぶとしているが、早過ぎるからか一時間に6本しか設定できないらしい。車両限界が新幹線より狭い在来線並なので、16両編成としても、座席数は80%程度しか確保できない為、東海道新幹線のぞみを全て代替できるだけの輸送力が確保できない。また、京都・新大阪以西は名古屋乗り換えとなり、名古屋駅が大深度地下となる為、乗り換え時間もかかる為、そのまま新幹線に乗り続けた方が早く着く場合もあるし、東京駅まで行かないのも問題。

 

 また、リニアは新幹線に比べて消費電力が3倍になるらしく、原発の更なる再稼働が必要不可欠と言われている。また、経営的にも東海道新幹線の輸送量がリニアに移る分、東海道新幹線の利用者は減少するので、JR東海の利益も確実に減少する。JR東海にとって新幹線の利益が減少する事は、会社存亡の危機と同じであり、経営を考える人だったら、いかに無謀な計画であるか分かると思う。

 

 中央新幹線は田中角栄の時代に定められた整備新幹線の一つではあるが、着工順位は高くなく、これに焦ったJR東海葛西元会長(故人)が功名心から建設をぶち上げたのだと思う。葛西氏は旧国鉄の改革派と呼ばれ、あの瀬島龍三氏(つまり中曾根康弘元首相)をバックに分割民営化路線に進み、民営化後はJR東海の幹部となり、社長就任後は政財界特に右寄りの政治家と繋がっていく。その大将が故安倍晋三元首相で、JR東海単独事業だったリニアはほどなくして財政投融資の利用が認められ、国家的事業となった。

 

 国家的事業と聞いて思い出すのは原発、五輪、万博だろう。かつてはこれらが上手くいった。しかし原発は事故を起こし、東京五輪は汚職の巣窟となり、大阪万博は工事が遅れに遅れ失敗が確定的だ。そしてリニアもそれに加わるだろう。葛西氏の個人的な想いだけでここまで来てしまった。今からでも遅くはない。建設中止か、新幹線規格として開通させ、既存路線との乗り入れを可能にするべきだ。

 

 コロナ禍により出張の必要性は低下し、移動の需要も低下した。なんでもかんでも新幹線という発想は時代おくれであり、在来線の改良こそ必要だ。新幹線建設は北海道、北陸、西九州の残り区間までで一旦、立ち止まるべきだと思う。