アシナガバチバチの巣に寄生する蛾は「マダラトガリホソガ」とセグロアシナガバチに寄生する「ウスムラサキシマメイガ」だけだと思っていました。
しかし、他にもいました…
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7月25日に友人宅の落下巣のキアシナガバチを捕獲しました。
巣は軽く、なんとなく汚い感じがしました。もう母蜂もいないようです。
マダラトガリホソガだと思い、怪しい巣穴にピンセットを差し込み強く引き出してみました。
すると…
出てきました。蛾の蛹です。
ただマダラトガリホソガより大きく、繭も綿の量が多く感じました。
チャック付きのビニール袋に入れて、何が生まれてくるか観察することにしました。
そして、昨日8月2日。驚きました。こんな蛾が生まれてきたのです!
さっそく、多くの虫仲間とつながっているツイッターで、聞いてみました。
すると、多くの方がリツイートして下さり、まもなくAcleris(あくれりす)さんという方が教えて下さいました。
この蛾の名前は「ギンモンシマメイガ」だそうです。本来スズメバチの巣に寄生する蛾なのだそうです。
たしかに、以前大きなスズメバチを駆除して壊した瞬間にたくさんの蛾が飛び出してきて驚いた経験があります。あれがこの蛾だったのですね。
さっそく、検索してみると、同じようにキアシナガバチに寄生された報告がありました。
この方と同じように、その後、私が移設した群れも、居心地が悪かったのでしょう。巣を放棄していなくなってしまいました。今後も寄生された巣はまめに観察して、稀な出来事なのかどうかを確かめてみようと思います。
そして、昔研究を手伝っていただいた本、故松浦誠先生の「社会性カリバチの生態と進化」を開いたら、しっかりスズメバチ亜科およびアシナガバチ亜科の各種の巣を食う。と書いてありました。さすが松浦先生 ! せっかく素晴らしい本をいただいたのに勉強不足でした(汗)
久しぶりのときめく謎を解決できて良かったです。
Aclerisさん、RTしてくださった皆様、ありがとうございました。アシナガバチの世界、まだまだ知らないことばかりで
す。
ところで、どうしてギンモン(銀紋)なのでしょう?
私には美しい金に見えるのですが…
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