もう7月になり、先日の母蜂1匹時の移設動画では参考にならない季節になりました。そこで昨年撮影したままとなっていた映像を編集してUPいたしました。

通常、ビニール袋で一瞬で巣ごと蜂を捕獲するのですが、今回の動画では、空き缶リングを使っています。
これが、巣が平らな場所に作られている場合に、巣柄(軸)を壊さず、蜂も逃さず、より安全に捕獲することができて優れものなのです。ぜひ参考にご覧ください。

リングを使えない巣を確保する時は、巣柄(軸)が採れてしまう確率が高いです。人工巣柄を作れるように、あらかじめ細い針金を準備しておいてください。下に作り方の動画をリンクしておきます。

 

なお、刺される場合もありますから、ネット、ゴム手袋、腕カバー、長袖、長ズボン、長靴など、刺されない服装が最低条件となります。「刺されるかも」と思ってやるのと、「刺されないから大丈夫」と思ってやるのでは、全く心の余裕が違います。

 

いちおう注意事項をまた書いておきます。

1.ひっこしは300m以上離れた場所に。
アシナガバチの行動半径は50〜100mだそうです。ですから、記憶のある風景を見てしまうと元の巣の場所に戻ってしまい帰れなくなってしまうのです。

2.少しだけ移動したい時は、毎日20〜30cmずつ。
たとえば玄関前の巣を家の裏などに移動することもできません。どうしても同じ建物に移動させたい時は、1日20〜30cmなら迷わず巣を見つけてくれます。夜や早朝ににずらします。その際、格子巣門は付けないで行ってください。

 

3.蜂を巣に戻す時は、目の前で気づかせる。

巣箱に入れだけでは、逃げ出して巣に帰りたい気持ちが勝り、なかなか巣に気づいてはくれません。ビニール越しに巣の直前まで誘導して気づかせます。

4.遠くに引っ越すのは避けましょう。
同じ日本でも、種の保存状の問題があるかもしれません。場所により亜種がいる場合があります。自然形態の違う地域や、離島などには移動させないようにしてください。

 

5. 9月からの群れはむずかしい。
個体差はありますが、山形の場合はお盆を過ぎる頃から子育てを終了します。母蜂や子育てしていた働き蜂もしだいに寿命となり、巣は雄蜂と新しい母蜂たちだけとなります。新しい母蜂たちに巣は必要ありません。危険が迫ると逃げ出す習性です。ですから、捕獲・移設しても翌日には巣離れしてしまうことが多いです。捕獲したら、巣離れすることを前提に来春に営巣してくれるよう農園へ持っていくといいですね。

 

では動画をどうぞ!

 


               撮影協力/冨田理恵子さま

こちらは、2年前に空き缶リングを使わないで捕獲した動画です。


軸(巣柄)が取れてしまった時の人工軸の作り方です。