《 サイズも書いておきますので、自作なさる方も参考になさってください! 》

昨年、友人の木工師、佐野正弘氏に刻んでもらった移設巣箱キット。完璧だと思って紹介しましたが、使ってみて改良したくなったことがありました。それは、巣門のネット部分です。移設時に、ネットの部分から出ようとして戸惑う蜂がけっこういたのです。正面から観察しなくてもいいなら、初めから塞いでおいてもいいのですが、少し寂しいです(笑)

 

そこで、格子の出入り口を覚えるまで、塞いでおけるように板を挟めておけるようにしました。

  

夏の暑い時は外して、台嵐が来る前には装着できます。母蜂一匹で子育て中は、かえって気温が暖かいほうが幼虫の育ちも早くなるそうですから、付けたままの方がいいでしょう。もちろん、このまま塞いだまま秋まで置いても問題ないと思います。正面から観察したい方はご使用ください。

5年目の進化です。今度こそ完璧になったはず。作り方を再編集して下記に紹介いたします。



《移設巣箱の作り方》
 

《使う道具》
・金槌
・速乾木工用ボンド
・タッカー
・はさみ

・カッター
・+ドライバー(トンボの木ネジ用)

《あれば便利》
・電動ドリルor 錐(きり)
・差し金(直角なもので代用可)

・テープカッターのような重しになるもの

 

まず、18cm立方体の本体を組み立てます。

 

少し大きさの違う2種類の板。
少し長いのが天板と底板(手前 長18×巾17.4×厚1.2cm)。
少し短いのが壁板(長16×巾17.4×厚1.2cm)です。

  

天板には、割り箸を結束バンドで止めるための穴を開けておきました。(写真は間違って壁板にも開けてますが必要ありません)

 

釘打ちします。釘をまっすぐに打つにはドリルで細い穴を開けてから打つといいですね。32 mm釘を使います。

 

少し短い16cm長さの壁板を18cm長さの天板と底板で挟んでいます。刻みがしっかりしているので、きれいな立方体の升ができました。私のようにどこか1〜2mmはみ出たりしません(笑)

 

結束バンドの穴がある板が天板、壁板にも穴があることを確認してください。
軒下など巣穴が下に向いている巣はそのまま天板に移設します。壁などに横向きに作られている場合は、天板が壁になるよう90度ずらして割り箸を横位置にします。正方形なので上にしても横にしても使える優れものです。


この割り箸を固定する方法ですが、昨年後結束バンドを使うアイデアをTwitterのフォロワーさんにいただきました。
すわにさん https://twitter.com/3284swanny

これが実に簡単でしっかり固定できまたのです。長年の課題だっただけに大変ありがたい情報でした。感謝!


結束バンドは移設前に軽く通しておきます。


割り箸をセットしたら、あとはバンドを引っ張るだけ。とても簡単です。

 

壁などに横向きに造られた巣の場合は、90度箱をずらして天板を壁にして、巣を横向きに固定します。


天板に穴が開けてあります。

結束バンドの受けの出っ張りが穴に収まって、屋根を乗せてもぐらつきません。




また、移設する巣が大きくて余裕がない場合や、割り箸を切らないで使う場合は、対角線の穴を使って割り箸を固定します。詳しくはこちらを↓

 


さて、タッカーを使って網戸用ネットを貼ります。タッカーはコメリで台湾製ハンディータッカー&ステープラーというのを598円で買いました。十分使えます。


余計な部分ははさみで切ります。

きれいに貼れました。寒くなる秋はクリアファイルなどを切って画鋲で貼り付ければ風も防げます。
これで本体は完成です。次に屋根を組み立てます。

左の2枚が屋根板
(長25×巾17.4×厚1.2cm)×1枚
(長25×巾16..4×厚1.2cm)×1枚


右が底板(長17.4×巾17.4cm×厚1cm)
荷造り用結束バンドや細いロープで、コンテナやブロックに固定するための溝が刻んであります。

 

幅が広い17.4cmの板を上(右)に重ねて4ヶ所を釘打ちします。刻みがしっかりしているので、きちんと直角になります。

 




底板にボンドを付けて、目分量で真ん中に接着します。

 


私はなにかとテープカッターがDIYアイテムになります(笑)

 

 

ボンドが乾いたら32mmの釘を四隅に打ち込んでおきます。
端から2cm位の所から真っ直ぐに刺すといいみたいです。

  

 

  

 

 

  
 

  

屋根の完成です。


コンテナやコンクリートブロックに固定する方法は下記となります。

 

コンテナはペグで固定します。これなら、台風が来ても飛ばされません。もちろん屋根ごと結束バンドで固定しても大丈夫です。コンテナの下には大きめの防草シートを敷けば草の管理が楽です。

 

次に本体の箱に、格子巣門が奥に入りこまないようにストッパーの棒を左右に貼り付けます。

  


巣門用と同じ長いほうの棒(長16×1.2×1.2cm)を使います。

  

角材を当てがって貼るといいですね。


次に、ヒメスズメバチから護る格子巣門を組み立てます。


短い横棒(長13.4×1.2×1.2cm)が、
長い縦棒(長16×1.2×1.2cm)の中に入るようにして正方形にし、いちおう直角を確認してボンド接着します。

くっ付いたら25mm釘を打ち込んで固定します。できれば釘穴を細いドリルで開けておくと割れません。速乾ボンドは仮止めに有効です。




そして、格子の入り口を接着します。
(長2×1.2×1.2cm)
問題の「格子の間隔」ですが、大型種のキアシナガバチやセグロアシナガバチでもストレスなく出入りができるよう、9mmの隙間を開けます。9mmはヒメスズメバチも侵入できる隙間ですが、昨年移設した34群すべてに取り付けましたが、1群もヒメスズメバチに襲われませんでした。格子をくぐってまで入ろうとしないのか、あるいは格子やネットで隠れて見えなくなるのではと思われます。


格子の上を貼り付けたら、挟んだ横棒にボンドを塗って、くるっと返して1分圧着します。

  

  

   真ん中の隙間は割り箸がちょうどいいです。

 

  


9mmの角材はコメリで購入できます。挟みながらボンドで接着します。

両端から接着して、余った隙間は真ん中にくるようにすると、左右対称で洒落ています。それに両端のが最も出入りが多いこともあります。

 

 

挟んでいた9mm角材をはずします。
なお、格子の接着が甘いと時間が経つと外れてしまいますので、できればそれぞれ釘打ちしておくといいですね。

 

《追記2023.8月 隙間は9〜6mmに!》
船橋市、豊橋市、上尾市にお住まいの方から、9mm隙間で侵入したと連絡が入りました。豊橋市の方は7mm隙間でも侵入されたそうです。市街地のヒメスズメバチは獲物の絶対数が少ないために執拗に襲ってくるのかもしれません。山形や岩手の30群以上の巣箱は今年もまだ侵入されていません。

とはいえ、やられてしまうのは問題です。そこで、下記の写真のような隙間をオススメいたします。格子の左側2列は9mm、真ん中をはさんで二つは7mm、そして右側は6mm。ヒメスズメバチに襲われ始めたら9mm隙間にガムテープを貼り、それでも侵入されたら7mmも塞いでしまいます。6mmでも入られたら、アッパレだと思うしかないです。狭すぎると肉団子をくわえるアシナガバチたちの出入りも大変です。

 

  隙間にはさむ木片はキットに在中させますので使ってください。

格子は作業台の角にぶら下げて打ちこみます。


  

フレームも25mm釘で固定します。
  
  

タッカーで裏側に網戸用ネットを貼ります。

  


次に着地用の長い16cmの横棒を接着します
 

  

 

この横棒を付けないと、体を横にして入ろうとして、くわえた肉団子が邪魔で入れなくなってしまうのです。

 

  


  
そして、また一つ革命的な細工が加わりました!
木工師の友人が「これ使えば」と額縁用の金具(トンボ)を見せてくれたのです。おかげで簡単に止めることができ、なにより洒落ています。これまた感謝感激しました。

 

そして、昨年の案件だった正面に板を挟めるためのトンボを巣門の枠にも付けます。

  
もっと長いトンボを付ければ枠も板も止められそうですが、たくさん買ってしまったので…^^;
写真のように大きなトンボは本体に、小さなトンボは格子巣門の枠に取り付けてください。

さっと外せるよう、板には小さなヒートンを取り付けます。

 

これで完成です!


4年前はただの箱でしたから、ずいぶん進化させることができました。



キットには、防虫・防腐剤を使用していない国産ヒノキ割り箸も付属いたします。
詳細はこちら↓

 

 

キットの販売についてはこちらを↓

 

巣箱の作り方の動画を作りました!

 

アシナガバチのひっこし方法(母蜂が一匹の場合)


アシナガバチのひっこし方法2(働き蜂がいる群れの場合)